今まで、単独のペットを撮ってきたが、最後に複数の被写体を撮ってみよう。
複数のペットを被写体にするときに一番、気を配るのがピント合わせだ。2匹の目の位置がカメラに対して同程度の距離にあることが肝心だ。複数のペットの目にピントを合わせるには被写界深度を深くする(ピントの合う位置を前後に広くする)ために絞り込むことも必要かも知れない。しかしその場合背景が単純でないとうるさくなってしまう。絞り込めば背景がぼけにくくなるためだ。
まず、2匹の猫が前後に動かないようにソファの背に乗せてみた。こうすれば
前後に動くことはないから片方の猫にピントを合わせても、もう一匹の目にもピントが合うことになる。
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撮影データ ISO1250 f4 1/250 0.67ev 82mm ストロボ使用 ワネコ |
それでも動き回るようならば、小さな犬だったら籠の中に入れてしまうことも考えられる。但し、遊びたい盛りの子犬のこと、この中でじっとしているのはほんの数分だろうから、手早く撮影しなければならない。目線を取るのには呼びかけてみたり、鈴を振ったりして子犬の感心を引きつけるようにする。しかし、これも何度もしているうちに飽きて、何の反応も示さなくなってしまう。
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撮影データ ISO1250 f5.6 1/200 0ev 90mm チワワ |
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撮影データ ISO200 f7.1 1/800 0.67ev 102mm シバイヌ |
二匹の柴犬の子犬の目の位置はカメラからの距離はほとんど同じである。
こうした位置で、撮影のお手伝いをしてくれるアシスタントが二匹のイヌの体を押さえて1、2、3で手を放し、その瞬間にシャッターを切る。背景をぼかすためには、余り絞り込むわけにはいかなかった。
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撮影データ ISO400 f5.6 1/160 0ev 147mm シバイヌ |
これがワンテンポ遅れると、イヌたちは勝手に動き出してしまい、収拾がつかなくなってしまう。しかし、動きがあってこの方が面白いかもしれない。
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撮影データ ISO400 f5.6 1/250 0ev 135mm シバイヌ |
複数の被写体でも両方の目の位置を意識して、ピント合わせのコツをつかむと、複数の被写体が走っていたり、動き回っていても両方の目にピントが合った写真が撮れるようになるのである。
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撮影データ ISO100 f5 1/400 0ev 150mm 日本スピッツ |
2匹のこいぬが並んで走っていたが、目の位置はカメラから見るとほとんど同距離にあったので両方の顔にピントを合わせた。動きはそれほど速くなかったので楽にピント合わせが出来たのだ。
そのうち別々の動きを始めたので、手前のイヌにピントを合わせ後ろのものはアウトオブフォーカスにし立体感を出してみた。
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撮影データ ISO100 f4 1/640 0ev 217mm 日本スピッツ |
もう少し動きの速いイヌを追ってみた。
この場合も先頭のイヌとそれを追うイヌとの目に位置がカメラからほとんど同距離だったのでf3.2という開放に近い絞り値でも両方の顔にピントがきたのである。それと同時に速いシャッタースピードで動きをキチンと止めたかった。
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撮影データ ISO200 f3.2 1/1600 0ev 200mm ミニチュア・ダックスフント |
ある日ある時、ミニチュア・ダックスフントの母子に出会った。生後2ヶ月の子供たちは離乳も終り、広い広場に放されると凄い勢いで走り回った。子供同士でじゃれる姿を追うだけで必死だった。
AFエリアモードはシングルにし、フォーカスモードセレクトダイアルはC(コンティニュー)、測光モードはマルチパターン測光、露出モードはP(プログラムオート)としたが絞りはf5前後がとれるように設定した。(※カメラがニコンの場合)
そして、これぞと思うところでシャッターを切った。
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撮影データ ISO200 f6.3 1/350 0ev 195mm ミニチュア・ダックスフント |
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撮影データ ISO100 f5 1/160 0ev 174mm ミニチュア・ダックスフント |
子供同士の遊びよりも母親に甘える子供の仕草は何もいえないぐらいに微笑ましかった。
これぞ、ペットの写真の醍醐味なのだろう。
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撮影データ ISO200 f5.6 1/320 0ev 262mm ミニチュア・ダックスフント |
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撮影データ ISO200 f5 1/250 0ev 262mm ミニチュア・ダックスフント |
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撮影データ ISO200 f5 1/250 0ev 262mm ミニチュア・ダックスフント |
最後に「嗚呼、疲れた〜〜〜」
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撮影データ IS1250 f10 1/1000 0ev 160mm ゴールデン・レトリーバー |
今回でペット写真の撮影講座は最終回。ご愛読ありがとうございました。
次回からは再び、野生動物の写真をお届けしたいと思っています。
お楽しみに。
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