ドライバーはガイドを兼ねたケニア人。
彼とはもう十数年の付き合いなので、私の撮りたいものを察してくれる。
保護区に向かう途中、昼食のため入った森に囲まれたレストランでシロクロコロブスを発見した。
木の上にいたので、もちろんこれは露出をプラス補正。
露出補正して撮影する方法については、動物写真 撮影テクニック講座の「第4回 露出補正で動物写真がグッと魅力的に」を参照して欲しい。
ナイロビを出てから8時間、サンブール動物保護区に入る。
乾燥地帯のここでの主な被写体は、ゾウ、ゲレヌク、グレービーシマウマだ。
それぞれの国立公園、保護区によって見られる動物は違う。
特にゲレヌクは他の地域では見られない。彼らの特徴は、後ろ足で立って他のレイヨウ類が食べない高さのアカシヤの新芽を食べることだ。
ゲレヌクを探しまわる間も他の被写体が見つかればもちろんシャッターを押す。
とっさのことだから、露出補正も瞬間の判断を要求される。
夢中で撮っていると、露出補正を元に戻しておくのを忘れることもあり、自分の学習能力の無さにあきれることもしばしばだ。
1頭のグレビーシマウマに出会う。普通は群れをなしているものだが、1頭で歩いていた。
それに彼は人怖じしない。思い切ってアップで狙う。
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シマウマの中でもっとも縞が細く美しいとされているグレビーシマウマ |
野生動物の撮影は動物園での撮影と違い、自分の撮りたい動物に遭遇することは稀だし、何に出会えるかが知れないだけに面白いのだ。動物写真の醍醐味と言えよう。
川辺でダチョウの♂♀に遭遇。
水を飲みに来たのだろう、こんなシーンに出会うのは珍しい。逃す手はない。
かつて撮った動物でも、来る度に違った背景で違った表情を見せてくれるから、40年近く、毎年飽きずにやって来るのだ。
サファリでは基本的に、6:00〜9:00、10:00〜12:30、15:30〜18:30の一日3回、野生動物の撮影に出かけるが、やはり朝夕の方が動物たちは活発だ。日中は動物たちも暑いのか、ブッシュの中や木陰で休んでいて動きは少ない。でも、昼間とはいえ何が起こるか判らないのが野生の世界、被写体を求めて車を走らせる。
木の上に鳥影を見つける。近づくとコシジロウタオオタカと知れる。
逃げられないように静かに車を進める。D300に500mmを着け、750mmとして狙う。青空を強調したいのでマイナス露出補正とする。マイナス補正することによって青空が白く飛んで写ることを防ぐためだ。
アイキャッチが入った瞬間にシャッターを切る。
ゲレヌクをみつけた。
後ろ足で立って背丈ほどの高さのアカシヤの新芽を食べている。スラリと伸びた身体が美しい。
どうやらゲレヌクたちにも新しいカップルの出会いがあったようだ。
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