スマートブラシツールは、写真によって効果がまちまちで、わざとらしい色合いになってしまうこともありますので注意が必要です。
今回は青い空が主題で、富士山の写真もサンプルとして使用しました。富士山のような被写体の場合、実際には遠くにあるので大気などの影響もあって、写真に写った姿は想像していたよりコントラストが弱めになります。特にほどよく雪をかぶった富士山のダイナミックさは、強いコントラストで表現した方が印象的です。
空もまたコントラストが失われています。そのため、写真に青の情報がしっかり残っている写真なら、Photoshop Elementsのスマートブラシツールで用意された「青い空」よりも「コントラスト(曇天)」の方が印象的な青空に補正できることもしばしばあります。
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画像R スマートブラシツールでコントラストを強くして印象的な写真を目指した右画像。 |
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画像S コントラスト補正によって、空と富士山は印象的になりましたが、効果をかけた範囲の境界線がくっきり目立ちます(下画像)。 |
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右は、スマートブラシツールで「コントラスト(曇天)」を実行したところです。富士山も空もクッキリと印象的になりましたが、問題は境界線の境目が不自然に目立つところです。これをボカすにはどうしたら良いでしょうか。
オプションバーから「境界線を調整」をクリックして選択します。
「マスクを調整」ダイアログが表示します。
マスクとは色がかからないように防ぐマスキングのことです。塗装スプレー等で塗装作業を行う際、塗りたくないところをマスキングテープや新聞紙などでマスクしますが、それと同じことです。このダイアログではマスキングする境界やボカし具合を設定することができます。
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画像U 「ぼかし」数値を大きくし、境界線のぼかし度を上げ、「縮小/拡張」で境界線の範囲を大きくしたり小さくすることができます。 |
「滑らかに」は範囲選択したエッジ部分を丸める度合いを指定します。よく使うのは「ぼかし」と「縮小/拡張」です。ぼかしは境界のボカシ具合で、青空や夕焼けなど、自然物の色合いや明るさを調整する場合、境界はなだらかにぼかした方が自然に仕上がります。
ボカシは大きめに指定し、「コントラスト(曇天)」をかけたところかけていないところを自然にぼかします。また、「縮小/拡張」の数値を変更すると、選択範囲の境界線の位置が変わります。空だけを範囲指定した場合は、空と富士山の稜線より上か下かに境界の位置を調整することができます。
マスクした部分やボカしの度合いが解りづらいときは「カスタムオーバーレイカラー」ボタンをクリックします。マスクした部分が赤く表示され、境界のボケ具合も確認できます。
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画像V 「カスタムオーバーレイ」ボタンをクリックすると、マスクした部分が赤く表示され、境界線やボカし度合いが確認できます。「ぼかし」と「縮小/拡張」のスライダーを調整して、自然な境界に設定します。 |
サンプル画像ではあえて森林の位置が境界線になっていますので、「縮小/拡張」の数値で境界線の位置を上下させることができます。
こうして補正した画像が冒頭の右画像(下)です。
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画像W スマートブラシツールを使って補正した完成画像。 |
これを横位置にトリミングして雄大な富士山をダイナミックに見せるのも良いでしょう。
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画像X 富士山をトリミングした画像。やっぱり空は青くなくっちゃ。 |
※本文内のAdobe Photoshop Elements 8 は、報道関係者向けに提供されたベータ版を使用しています。
画面デザインや機能など、製品版とは一部、異なる場合があります。 |