では、本題に戻ります(ここからが本来の今回のテーマです)。
自動画質補正はとても簡単に補正ができますが、「良い写真」「思ったような写真」になるとは限りません(私は前回から自動画質補正で「きれいになる」「良くなる」とは言ってないんです)。そもそも「きれい」「良い」と感じるかどうかは個人の主観ですから人それぞれです。前回の写真を見比べて(もしくは上記の写真を見比べて)、補正前と補正後でどちらが良い写真と思うかは人によって違うのだろうと思います。
よくニコン派とキヤノン派とか言いますが、実際の色(真実の色)で表現するか、きれいに感じる色で表現するか、カメラ(または、そのメーカー)によっても色の表現方法は分かれます。前回の補正前の写真は撮影者の好みで故意にハイキー(ずいぶんと明るめ)に撮られた写真であって、しかも全体的に赤っぽいのです。暖かい感じがするでしょ。日本人は比較的肌が黄色いのですから、真実を追究すると黄色っぽくなり、それ故に真実より赤っぽい肌に色作りするときれいに見えるのです。
自動の「補正」とはあくまで「データ的に」良いだろうと思われるものに変えることです。それが「明るさ」であれば、幅広くデータが分布するように調整します。「色」であれば、白であろうものが白に見えるように全体を振るひとで色かぶりを除去します。ちょうど上記の写真が例になるので使いますと、調整後の色は現実の色に近いのですが、露出アンダーが調整され、赤が薄れた分だけ、陽の光の存在感と暖かみが薄れている、とも言えるでしょう。
きれいな写真、良い写真を決めるのはあなたの目です。ソフトウェアやデータではありません。また、レタッチでできることは写真をきれいに補正するだけではなく、色を自在に操ることでもあります(今はできなくても・・)。そこで、今回は色を自在に操る・・その第一歩をなんとなくお知らせ致します(館内放送かよ)。
画像A ブルー・ブルー・スカイの演出
いつか見た青い空 。 左が元画像、右が特定の色(ブルー)だけ補正した画像。右のような色遣いの写真が欲しいときもありますよね。というか僕の目にはその日の空はこう見えたのです。これは自動画質補正ではなんどボタンをポチッしても出せません。 ・・・だから作るんです。 |
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上の写真は空のブルーを演出した写真です。ふむ、補正と呼ぶべきか演出と呼ぶべきかは私にもよく解りません・・が、右の写真の空はわざとらしい青であるとともに、ハッとする青でもあります。右の写真を望むなら、カラーを制御するテクが必要です。前々回、次回予告で「空の色をもっとブルー系に補正する方法」を解説します、と書きましたが、いよいよその手順を・・・。
Photoshop Elementsの場合、特定の色の補正は「色相/彩度」で調整するのが便利です。補正したい色が青の場合は、次の手順でやってみて下さい。
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写真を「スタンダード編集」モードで開きます。(画像B)
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メニューバーから「画質調整」-「カラー」-「色相/彩度」を選択します。(画像C)
「色相/彩度」画面では「ブルー系」などマスター以外の選択肢を選択した後、下の方にあるスポイトのボタンから「サンプルに追加」を選択します。カーソルがスポイトの形状になったことを確認したら、変更(調整したい)したい青空の部分をクリックします。クリックすると「色相/彩度」ウィンドウのカラーバー間のスライダー部分が移動します。
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スライダーをドラッグして色補正します。
(画像D)
色の調整は「色相」「彩度」「明度」のスライダーをマウスでドラッグして行います。どのスライダーを動かすと、どんな風に色が変わるのか、いろいろいじってやってみると良いでしょう。
色相とは、赤・緑・青などのバランス、彩度は濁りを調整します。明度はあかるさです。
例では、ブルーの色相と彩度をそれぞれ「+」にスライドし、画面Aのような空の色に変更しました。この空の色は付けて「ちょっと、わざとらしいけれどなんか凄い系の青空(なんだそりゃあ(笑))」です。
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