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第5回 手軽に写真を色補正
自動画質補正は万能ではない 2005/10/19
 
1.自動画質調整とは
2.自動スマート補正を実行する
3.まだまだあるぞ、自動画質補正

 
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自動画質補正機能を使うと、初心者でも簡単に色合いや明るさの補正ができます。

 
1.自動画質調整とは
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画像A
クイック補正モード画面の右パレットエリア。「自動」ボタンが自動画質調整機能です。
 

 Photoshop Elementsのカラー補正を話題に話を進めています。
前回、Photoshop Elementsでレタッチ操作を行うには、「クイック補正」と「スタンダード編集」の2つの画面モードがあって、「初心者がカラー調整をするにはクイック補正は便利ですよ〜」とかいう話をしました。Photoshopを使ったことがある人には「スタンダード編集」の方が慣れているとは思いますが、デジカメ写真の画質を手軽にブラッシュアップしたい人には、クイック補正はとても簡単なツールとして利用できる筈です。

 さて、今回は もう少し先に進んで、Photoshop Elementsの自動画質調整機能とそれらの違い、更には手動で色補正する方法について解説しようと思います。

 自動画質調整機能とは、ワンボタンでカラーやコントラストなど画質の調整を行ってくれる機能です。前回も解説しましたが、クイック補正なら画面右側に表示されるパレットエリアに配置されているいくつかの「自動」ボタンがそれです。

  1. 自動スマート補正
  2. 自動レベル補正
  3. 自動コントラスト
  4. 自動カラー補正

 ほかにクイック補正の画面には「シャープ」を補正する自動ボタンが配置されています。

 スタンダード編集機能の場合は、メニーバーから「画質調整」をクリックすると上記のリストがビロ〜ンと表示されます。

では、各自動調整機能の能書きと効能を見てみましょう。
次の項で、2種類のサンプルに対して自動画質調整を行った例を紹介します。
 ひとつは、代々木第二体育館で撮影した少年カラテ大会の1コマです。この写真を素に、それぞれ各種の自動画質調整機能を実行してみて違いを確認してみましょう。一生懸命、いい写真になるように努力して撮った写真ですので、自動補正をしても劇的には変わっていないのが解りにくいかもしれませんが、まずは見て下さい。
 もうひとつ作例は、晴天の下で撮った運動会の1コマです。作者の好みで意図的にハイキーめな写真になっています。自動画質調整は当然、これに対して補正をかけてくるでしょう。
 さて、どうなりますか・・

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今回、自動画質補正を行うサンプル
(いずれもEOS Kiss Digitalで撮影)
2.自動スマート補正を実行する
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自動スマート補正
この機能を使うと全体的なカラーバランスが補正され、シャドウとハイライトがより鮮明に補正されます。この補正は自動ではありますが、ユーザーがその度合いを数値で指定することができます(メニューバーから「画質補正」-「スマート補正を調整」を選択し、クイック補正の量スライダで変更することができます)。

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自動スマート補正の例01
左が元画像で、右が「自動スマート補正」を行った画像。壁が明るくなっています。また、審判の青シャツや空手着の影の部分の青が鮮明になっていることで解るように、全体的にコントラストが上がり、色味が青に振られています。
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自動スマート補正の例02
カラーバランスとしては原色が強調されていますが、被写体である顔の部分は赤から青に大きくシフトしています。キヤノンの上手な記憶色作りをサッパリと補正してくれた、という感じでしょうか・・(笑)。顔色はどんよりしてしまいました。
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自動スマート補正の例02 のヒストグラム
Photoshop Elementsのヘルプで解説されている通り、シャドウとハイライトはともに大きく振られています。特に、素がハイキーだけにシャドウ部分が増えています。
 
3.まだまだあるぞ、自動画質補正
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自動レベル補正
全体的なコントラスト(白と黒、または明と暗のハッキリ度)と色かぶりを補正します。画像のコントラストを強め(弱め)たり、色かぶり(蛍光灯の下で撮影したときに照明のせいで緑がかったりすることを色かぶり、カラーキャストと呼びます)を取り除きたいときに使用します。ヘルプによると「自動レベル補正」は、各カラーチャンネルの最も明るいピクセルを黒に、最も暗いピクセルを白に個別にマッピングするそうです。

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自動レベル補正の例01
左が元画像で、右が「自動レベル補正」を行った画像。この画像例では、比較的適正な露出設定がされているため、コントラストの極端な変更はみられません。落ち着いた感じ、抑える方向に変わっています。空手着の影の部分の青が抑えられているのが解ります。
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自動レベル補正の例02
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自動レベル補正の例02 ヒストグラム

自動コントラスト
画像の全体的なコントラスト(白と黒、または明と暗のハッキリ度)のみを補正します。画像の色合いやカラーは変化させません。ヘルプによると、「自動コントラスト」は、画像の最も明るいピクセルを白に、最も暗いピクセルを黒にマッピングするので、ハイライト部分はより明るく、シャドウ部分はより暗く表現されるそうです。

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自動コントラストの例01
左が元画像で、右が「自動コントラスト」を行った画像。比較的適正な露出設定がされているため、コントラストの大きな変更はみられません。むしろ落ち着いた感じに変わっています。
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自動コントラストの例02
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自動コントラストの例02 ヒストグラム

自動カラー補正
各カラーチャンネルではなく、画像全体のシャドウ、中間調、ハイライトを識別して、コントラスト(白と黒、または明と暗のハッキリ度)とカラー(色合い)を補正します。ヘルプによると、初期設定の値セットを使用して、中間調を補正し、白色ピクセルと黒色ピクセルをクリップします、とあります。よく解りませんね。
色かぶりを感じたり、撮影したときと違ったイメージの色で画像が再現(画面表示)された場合に試してみると良いでしょう。

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自動カラー補正の例
空手着の白に「白」を合わせて、色かぶりが補正されています。体育館独特の色かぶり傾向がきれいに補正されています。見た目の色味はとても大きく変わり、自動補正の中では最も変化が感じられる結果になりました。
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自動カラー補正の例02
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自動カラー補正の例02 ヒストグラム

 

・・というわけで、今回、ブルーブルースカイの補正まで解説できなかったので、次回はやっぞ、ハッやっぞ。
なんだか固い話が続いて息が詰まりそうなので、次回は息抜きにちょっと遊んじゃおう!!
題して、「カラー補正のマジック 近くの公園を英国ケンブリッジに変える、近くのこ汚い池をエメラルドビーチに変える!!」ってのはどう?(笑)

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英国風の芝に演出
近く公園をケンブリッジに変える(笑)カラー補正マジック。

次回もお楽しみに。


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初出:2005/10/19
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