しかし、撮影術というとこれはまた別の話です。前述のように仕事で使う"きれいな写真"はプロの方に撮ってもらってるんですから、プロやハイアマチュア向けのきれいでカッコ良い写真を撮るお話は「プロが教える 女性の撮りかた講座」に任せます。私がここで書きたい、書いていこうと思うのはスナップ撮影です。これからカメラで遊びたい、と思っている人が自分にどこまでできるのか、を発見できる旅をお届けしたい、そんな旅であって欲しいと思うのです。だからこそ「そのときオヤジが手にしたものは、デジタル一眼 EOS Kiss Digital」であるわけです。
■EOS Kiss Digitalの簡単撮影モードと向き合ってみる
EOS Kiss Digitalのモードダイアル。初心者は「全自動」モードか簡単撮影ゾーンの各モードにセットして撮影すれば、ひどい失敗はありません。人物撮影でよく使うモードは「全自動」「ポートレート」「風景」「スポーツ」「夜景ポートレート」です。
さて、オヤジ的な疑問としてはまず「EOS Kiss Digitalのような一眼レフは、コンパクトデジタルカメラやカメラ付きケータイに比べてどういいわけ?」なんて発想もあろうかと思います。素朴な、かつ抽象的で大雑把な疑問は大歓迎です。ただし、はじめての旅である今回は、あえてその話題は先送りして、まずは少しEOS Kiss Digitalについて見ていきましょう。その方がこの講座の概略がつかめるかな、と思うわけです。論理や理屈はオヤジにとって大切なことです。まずはこのコーナーの概略を理屈で知って頂きたいと思います。
キヤノンの『EOS Kiss』シリーズは初級者に一眼レフカメラを普及させた立役者のひとつです。幼稚園や小学校の運動会や発表会(学芸会?)に行くと、主婦の方がEOS Kissを片手に応援しながら撮っている光景をたくさん見かけます。きれいな写真を手軽に撮って残したい、こんな万人の当然の欲求に応える一眼レフなわけです。デジタルカメラとして鳴り物入りで登場した『EOS Kiss Digital』も価格としては依然として「安い」とは言い難いものの、無理すれば手の届くものになりました。きれいな写真を手軽に撮って残したい、万人の当然の欲求に応えるデジタル一眼というのが最大のウリであることは変わりません。
そこでまずは攻略したいのが簡単撮影ゾーンです。EOS Kiss Digitalのマニュアルに懇切丁寧に書かれていますので要点のみに絞りますが、簡単撮影ゾーンは、なんでもそれなりに綺麗に撮れる「全自動モード」を筆頭に、人物撮影に適した「ポートレートモード」、近い被写体にもピントが合う「クローズアップモード」など、シチュエーションに合わせてカメラに任せる撮影モードが並んでいるわけです。だから主婦でもオヤジでもこのゾーンにダイアルを合わせてシャッターボタンを押すだけでそれなりに綺麗な写真が撮れるわけです。
それで話が終わったのではこの講座の意味がないですので、ここで女性など人物を被写体にしたときのポイントと、簡単撮影ゾーンでは何がダメなのかを研究してみましょう。
例えば、スナップ撮影で女性や子供を撮るとき、迷わず「ポートレートモード」にセットしますよね。EOS Kiss Digitalのマニュアルから引用すれば、ポートレートモードは「背景をぼかして人物を浮き立たせた写真」を撮るためのモードです。解りやすい表現ですね。これを用語を使って表現すると、カメラが絞りを開放気味に設定して、被写界深度(ひしゃかいしんど:ピントが合っているように見える範囲)を浅くし、ピントが合っている範囲を狭めることで周囲をぼかして被写体を浮きだたせるわけです。