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初心者向けスナップ講座
第1回 最初の旅:
EOS Kiss Digital ポートレートモードとストロボ攻略
 
■僭越ながらこれを書いている男の素性など
■EOS Kiss Digitalの簡単撮影モードと向き合う
■ポートレートモードの便利と不自由
■お任せの不自由を知る
 
>>「はじめに」と「ご挨拶」はコチラ
  2004/09/15
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Model : 藍 海夏
写真 : 神崎洋治 
 
■僭越ながらこれを書いている男の素性など
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EOS Kiss Digitalのデジタル用標準レンズ『EF-S』を装着し、噴水で遊ぶ藍海夏を全自動モードで撮影しました。カメラ任せで、こういった写真が誰にでも撮れるのがデジタル一眼の最大の魅力です。
 モデル:藍 海夏
  私はカメラマニアというほどではありません。カメラ雑誌を熱心に読むでもなく、特定のカメラマンの作品に没頭することもありません。でも、写真を撮ったり見たりするのは好きです。だからきっと「最近、デジタル一眼レフカメラがどうも気になる」「つい買ってしまったがどう使いこなそう」というオジ様と似たレベルだと、自分では思っています。

 仕事では報道関係者として写真撮影をします。記者という仕事はカメラマンを兼ねなければならないこともしばしばですから。また、プロデュースや制作の仕事でも写真に関わっていると言えるでしょう。CMや広告、ジャケットやパッケージの写真などをカメラマンの方にお願いして撮って貰ったりします。そういった意味では、まんざら仕事と写真は無関係ではありません。また、なんと言っても『体系的に学び直すデジタルカメラのしくみ』などを執筆していますから、カメラメーカーの方に取材する機会や、カメラに関するうんちくは持っていると言えるかもしれません。

 しかし、撮影術というとこれはまた別の話です。前述のように仕事で使う"きれいな写真"はプロの方に撮ってもらってるんですから、プロやハイアマチュア向けのきれいでカッコ良い写真を撮るお話は「プロが教える 女性の撮りかた講座」に任せます。私がここで書きたい、書いていこうと思うのはスナップ撮影です。これからカメラで遊びたい、と思っている人が自分にどこまでできるのか、を発見できる旅をお届けしたい、そんな旅であって欲しいと思うのです。だからこそ「そのときオヤジが手にしたものは、デジタル一眼 EOS Kiss Digital」であるわけです。

   
■EOS Kiss Digitalの簡単撮影モードと向き合ってみる
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EOS Kiss Digitalのモードダイアル。初心者は「全自動」モードか簡単撮影ゾーンの各モードにセットして撮影すれば、ひどい失敗はありません。人物撮影でよく使うモードは「全自動」「ポートレート」「風景」「スポーツ」「夜景ポートレート」です。
全自動
ポートレート
風景
クローズアップ
スポーツ
夜景ポートレート
ストロボ発光禁止
 モデル:藍 海夏
   さて、オヤジ的な疑問としてはまず「EOS Kiss Digitalのような一眼レフは、コンパクトデジタルカメラやカメラ付きケータイに比べてどういいわけ?」なんて発想もあろうかと思います。素朴な、かつ抽象的で大雑把な疑問は大歓迎です。ただし、はじめての旅である今回は、あえてその話題は先送りして、まずは少しEOS Kiss Digitalについて見ていきましょう。その方がこの講座の概略がつかめるかな、と思うわけです。論理や理屈はオヤジにとって大切なことです。まずはこのコーナーの概略を理屈で知って頂きたいと思います。

 キヤノンの『EOS Kiss』シリーズは初級者に一眼レフカメラを普及させた立役者のひとつです。幼稚園や小学校の運動会や発表会(学芸会?)に行くと、主婦の方がEOS Kissを片手に応援しながら撮っている光景をたくさん見かけます。きれいな写真を手軽に撮って残したい、こんな万人の当然の欲求に応える一眼レフなわけです。デジタルカメラとして鳴り物入りで登場した『EOS Kiss Digital』も価格としては依然として「安い」とは言い難いものの、無理すれば手の届くものになりました。きれいな写真を手軽に撮って残したい、万人の当然の欲求に応えるデジタル一眼というのが最大のウリであることは変わりません。

 そこでまずは攻略したいのが簡単撮影ゾーンです。EOS Kiss Digitalのマニュアルに懇切丁寧に書かれていますので要点のみに絞りますが、簡単撮影ゾーンは、なんでもそれなりに綺麗に撮れる「全自動モード」を筆頭に、人物撮影に適した「ポートレートモード」、近い被写体にもピントが合う「クローズアップモード」など、シチュエーションに合わせてカメラに任せる撮影モードが並んでいるわけです。だから主婦でもオヤジでもこのゾーンにダイアルを合わせてシャッターボタンを押すだけでそれなりに綺麗な写真が撮れるわけです。
 それで話が終わったのではこの講座の意味がないですので、ここで女性など人物を被写体にしたときのポイントと、簡単撮影ゾーンでは何がダメなのかを研究してみましょう。

   
■ポートレートモードの便利と不自由
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望遠レンズを使い、ポートレートモードで撮影した藍 海夏です。これも簡単撮影ゾーンのお任せモードですからレンズさえあれば誰にでも撮れる写真です。場所と時間は先程と同じ。レンズを替えたせいもあって、絞り値は2.8になっていますので背景の公園と手前の噴水のボケ味は超弩級です。ポートレートモードの特長ですね。
    前述のように、簡単撮影ゾーンでは「カメラにお任せ」の部分があるわけですがこれがキモです。お任せすれば自由は奪われます。その奪われた自由はなんなのかを知ることが大事なんです。

 例えば、スナップ撮影で女性や子供を撮るとき、迷わず「ポートレートモード」にセットしますよね。EOS Kiss Digitalのマニュアルから引用すれば、ポートレートモードは「背景をぼかして人物を浮き立たせた写真」を撮るためのモードです。解りやすい表現ですね。これを用語を使って表現すると、カメラが絞りを開放気味に設定して、被写界深度(ひしゃかいしんど:ピントが合っているように見える範囲)を浅くし、ピントが合っている範囲を狭めることで周囲をぼかして被写体を浮きだたせるわけです。

 この辺の話はまた後日に詳しく解説しますが、ここでは要するに背景をボカして人物を浮きだたせる写真にするか、背景も活かした写真を撮りたいかという判断は最低必要になりますよね。言ってみれば、運動会なら校庭でお遊戯や徒競走をしている我が子だけに焦点を合わせたいのか、周りにいる子供たちも活かしたいのか、背景の校舎まで活かしたいのか、最低その程度の判断を写真に吹き込むべきなわけです。女性のスナップであれば、「目の前のこの魅力的な女性の姿を浮きだたせて撮りたい」とか「この景色の中にあるこの女性の存在感を撮りたい」とか、いろんな能書きが写真に反映されて初めて面白い写真となり、それがすなわち写真表現の楽しみの第一歩ですよね。まあ、撮れた写真のデキはさておき・・。

   
■お任せの不自由を知る
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   そう考えると初めて自分の意図した写真とできあがった写真とのギャップも感じるようになり、そのギャップを埋めるために研究してみたいと思うのがオヤジの真骨頂です。まあ、時代はデジタルですからそのギャップをレタッチで埋める、という手段もアリではあるんですが。
 さて、何が言いたいかというと、よかれと思ってお任せしている簡単撮影ゾーンが実は写真を台無しにしている場合もあるということです。少なくともそれを知っておくと、一層経験値がレベルアップするということです。
 代表的な不自由さはストロボ(フラッシュ)です。人物の撮影でよく使う簡単撮影モードの「全自動モード」や「ポートレートモード」では、ストロボ発光はカメラ任せです。だから少し暗い場所ではストロボが自動的に発光します。
   
 
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16時過ぎのカフェテラス。全自動モードで撮影するとストロボが自動発光しました。ストロボの発光で被写体は白く写りますが、ハイキーで凹凸感がなくノッペリした感じです。強い影も発生して違和感を感じます。
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こちらもストロボが発光した写真です。被写体のハイキーは抑えられましたが、背景が沈み、夕方のカフェテラスの雰囲気は失われています。見ている光景や撮りたいと意図した絵とのギャップはかなり大きいです。
   
 
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ストロボが発光禁止になる「スポーツモード」で撮影すると、カフェテラスの窓枠の緑と店内の黄色い色合いが背景としてきれいに出ました。上のNG写真と同じ時間に同じ場所で撮った写真とは思えませんね。レンズは標準の『EF-S』を使用。カメラ位置も変えました。これらの効果で写真のイメージがカラリと変わります。詳細は後日の回で解説していきます。
 ストロボは便利ですが、時として写真を目で見ている光景と全く違う絵にしてしまいます。「ストロボを使わずに写真を撮りたい」そんな些細な希望をユーザーが持った場合どうすればいいのでしょうか。簡単撮影モードで撮る場合は、ストロボが自動発光しない「風景モード」や「スポーツモード」「ストロボ発光禁止」にセットして撮るわけです。

  ■簡単撮影ゾーンでのストロボ発光の有無
 
全自動 自動発光
ポートレート 自動発光
風景 禁止
クローズアップ 自動発光
スポーツ 禁止
夜景ポートレート 自動発光
スローシンクロ
ストロボ発光禁止 禁止

 背景のボケを期待して「ポートレートモード」にセットした場合、ボケはどうなるんだ、困るぞ、ということになります。沸き上がる欲求・・大歓迎です。それこそステップアップへのエネルギーです。もっと背景をボカすにはもっと望遠レンズ(ズーム)を使うという手があります。望遠を使うほど背景のボケは顕著になります。
 もしくはボケとストロボ発行禁止を両立させるために、いざ応用撮影ゾーンへの研究を始める、というのもひとつの方法です。ようするにここまで簡単撮影モードの限界というわけですね。お任せの利点と不自由を知ることだけでも、オヤジにとって必ず役立つ情報となるはずです。

   
 
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望遠レンズに変更して撮影した藍 海夏。モードは簡単撮影ゾーンのスポーツモード(ストロボを禁止)のままです。より背景をボカして人物を浮き出す写真を狙っています。ストロボを禁止した分、手ぶれには十分な注意が必要になります。被写体が早く動いてもブレた写真になってしまいます。
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応用撮影ゾーンにセットし絞り開放(2.8)で背景をボカしました。肌の色がきれいに出ています。ボケた背景の色合いには赤いドアノブも入るようにして、カフェテリアのおしゃれな雰囲気を損なわないように工夫しました。表情もイキイキとして写真がとても楽しい感じになりました。
   
   今回は、初回なので「ポートレートモードとストロボ攻略」といいながらそれだけにとどまらず、望遠の活用、絞り、ポージングやカメラ位置、構図、表情、色味など、スナップ撮影で差が出る様々なテクニックをテンコ盛りにして作例を掲載しました。これらのテクニックはこのコーナーで追ってご紹介していきたいと思います。次回からは早速、女性のプロポーションを綺麗に撮る方法などをやさしく解説していく予定です。お楽しみに。
 
 
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