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萩原和幸 流
サムヤンレンズ使い倒し術 第22回
SAMYANG 10mm F2.8 ED AS NCS CS

Posted On 01 7月 2019
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写真と文:萩原 和幸

TOPIX

本サイトでお馴染みの写真家・萩原和幸が、高コストパフォーマンスで写真好きの耳目を集め始めているサムヤンレンズをトコトン使い倒す「 萩原和幸流サムヤンレンズ使い倒し術 」。豊富なラインナップを誇るサムヤンレンズから、萩原氏がお気に入りの一本を選んでスナップ、ネイチャー、ポートレートなどなどで使い倒した生々しいレビューを月1でお届けしています。今回取り上げたのは、Glass非球面レンズと低分散レンズを採用することにより、各収差を効果的に補正かつ減らして優れた画質とコントラストを実現した、APS-C対応の超広角低歪曲マニュアルレンズ「10mm F2.8 ED AS NCS CS」です。それではお楽しみください。  by 編集部

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■ 馴染みやすいフルサイズ換算広角16mm

第23弾は、『10mm F2.8 ED AS NCS CS』。APS-Cセンサー機対応の超広角レンズだ。10mmだがAPS-Cセンサー機用なので、フルサイズ換算にすると1.5〜1.6倍となり、約16mmの広角レンズとなる。そもそもAPS-Cセンサー機用の広角レンズは数が少ないが、そのような中でサムヤンは8mm〜12mmとラインナップされており、APS-Cユーザーのニーズに応えようという姿勢が嬉しい。本レンズは、先に申したとおり、フルサイズ換算で約16mm相当。流行りの広角ズームレンズで16mm〜35mmをよく見かけるが、16mmという画角に見慣れてきたこともあり、馴染みやすいレンズだと思う。マニュアルレンズではあるが被写界深度は深く、スナップに持ち出すのにはもってこいだ。

マウントはキヤノンEF、キヤノンEF-M、ニコンF、ソニーA、ソニーE、Fuji X、ペンタックスK、マイクロフォーサーズと、ほぼ全てのマウントが用意されている。

写真1 フルサイズ換算約16mmの広角レンズ
基本フレームは高硬度アルミ合金製。軽いながらも丈夫

基本フレームは高硬度アルミ合金製。軽いながらも丈夫

今回の撮影にはキヤノンEFマウントが用意されたが、マウントアダプターを介してソニーα7RⅢのクロップ(トリミング)機能を使って撮影した。やや重めのピントリングは理想的な抵抗感があり、ピント合わせはとてもしやすい。ちなみにピントを合わせる際は、ピーキング機能を使って行なっている。ピーキング機能とは、ピントの合っている箇所に色を付けてEVF上に表示する機能のことで、ピントリングの動きにあわせてピントの合っている個所を確認できるのでとても便利。ミラーレス一眼カメラとMFレンズとの相性の良さは、こうした機能が一役買っている。

写真2 非球面レンズと低分散レンズを採用
レンズ構成は9群14枚

レンズ構成は9群14枚

レンズ構成は9群14枚、非球面レンズと低分散レンズを採用。絞り羽根は6枚。絞りリングが備わっており、F2.8〜F22までの1/2段クリックだ。

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SAMYANG 10mm F2.8 ED AS NCS CS

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■ スナップで試してみた

早速撮影に出かける。今回はスナップ撮影を行う事にした。これだけの超広角レンズのみでスナップすることもなかなか無いが、出かけてみるとこれが面白い。

※ 注意
本文中の 実画像 の文字をクリックするとカメラで撮影した実際の画像が別ウインドウで表示されます。容量が大きいのでモバイル端末での表示に注意してください。サムネイル画像をクリックするとリサイズした画像がポップアップ表示されます。

写真3  実画像 ファイルサイズ:約 14.3MB
SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f11 1/125秒) -1.3補正 ISO1250 WB:オート

SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f11 1/125秒) -1.3補正 ISO1250 WB:オート

写真4  実画像 ファイルサイズ:約 6.5MB
モニュメントの金属感がいい感じだ。キリッと締まった描写がこういう画には似合う。SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f1.4 1/640秒) ISO160 WB:オート

モニュメントの金属感がいい感じだ。キリッと締まった描写がこういう画には似合う。
SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f1.4 1/640秒) ISO160 WB:オート

写真5  実画像 ファイルサイズ:約 12.2MB
猫が可愛らしく登場したので、周りの風景とともに。切り取り方が大胆になるので、」それをどう構図に活かすかが、このくらいの画角のレンズの楽しみ方だ。SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f5.6 1/250秒) -2.7補正 ISO100 WB:オート

猫が可愛らしく登場したので、周りの風景とともに。
切り取り方が大胆になるので、それをどう構図に活かすかが、このくらいの画角のレンズの楽しみ方だ。
SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f5.6 1/250秒) -2.7補正 ISO100 WB:オート

写真6  実画像 ファイルサイズ:約 13.6MB
これでもかというくらいの奥行きを、日差しと影のコントラストとともに。気持ちのいい午後の風が吹き抜けた。SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f11 1/125秒) -1.7補正 ISO500 WB:オート

これでもかというくらいの奥行きを、日差しと影のコントラストとともに。気持ちのいい午後の風が吹き抜けた。
SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f11 1/125秒) -1.7補正 ISO500 WB:オート

写真7  実画像 ファイルサイズ:約 10.4MB
雲の位置を見ながら、街の一角を切り取る。自分の目では入りきれない光景を作ることで、画の面白さは増してくる。SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f11 1/1250秒) -2.0補正 ISO160 WB:オート

雲の位置を見ながら、街の一角を切り取る。自分の目では入りきれない光景を作ることで、画の面白さは増してくる。
SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f11 1/1250秒) -2.0補正 ISO160 WB:オート

写真8  実画像 ファイルサイズ:約 10.3MB
看板猫がひと休み。もう少し近づこうとしたら起こしてしまった。ごめんね。SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f4.0 1/800秒) -2.0補正 ISO160 WB:オート

看板猫がひと休み。もう少し近づこうとしたら起こしてしまった。ごめんね。
SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f4.0 1/800秒) -2.0補正 ISO160 WB:オート

写真9  実画像 ファイルサイズ:約 9.3MB
看板猫がひと休み。もう少し近づこうとしたら起こしてしまった。ごめんね。SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f4.0 1/800秒) -2.0補正 ISO160 WB:オート

歩き回ってちょっとバテてしまった。わたしもちょっと一杯(笑)。
絞り開放、最短撮影距離で。
SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f2.8 1/250秒) -0.7補正 ISO160 WB:オート

写真10  実画像 ファイルサイズ:約 9.8MB
絞りを開けているときはとても柔らかな描写だが、絞ればやはりシャープさを増す。全体的には優しい描写のレンズだ。SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f11 1/320秒) -0.7補正 ISO160 WB:オート

絞りを開けているときはとても柔らかな描写だが、絞ればやはりシャープさを増す。
全体的には優しい描写のレンズだ。
SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f11 1/320秒) -0.7補正 ISO160 WB:オート

写真11  実画像 ファイルサイズ:約 16.6MB
広い画角で全体を捉えることができる余裕があるということは、構えるカメラマンも視界に余裕を持って見渡しなさいという暗示にもなる。SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f4.0 1/30秒) ISO500 WB:オート

広い画角で全体を捉えることができる余裕があるということは、構えるカメラマンも視界に余裕を持って見渡しなさいという暗示にもなる。
SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f4.0 1/30秒) ISO500 WB:オート

写真12  実画像 ファイルサイズ:約 10.9MB
SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f8.0 1/1600秒) -2.0補正 ISO160 WB:オート

SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f8.0 1/1600秒) -2.0補正 ISO160 WB:オート

写真13  実画像 ファイルサイズ:約 7.2MB
SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f8.0 1/50秒) -1.0補正 ISO160 WB:オート

SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f8.0 1/50秒) -1.0補正 ISO160 WB:オート

写真14  実画像 ファイルサイズ:約 12.2MB
東京駅を見渡せるお約束の場所。多くの外国の観光客の皆様がカメラを構え、ここから撮影していた。絞りは一つ絞っただけだが、素晴らしいシャープさを見せてくれた。SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f4.0 1/30秒) -2.3補正 ISO250 WB:オート

東京駅を見渡せるお約束の場所。多くの外国の観光客の皆様がカメラを構え、ここから撮影していた。絞りは一つ絞っただけだが、素晴らしいシャープさを見せてくれた。
SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f4.0 1/30秒) -2.3補正 ISO250 WB:オート

写真15  実画像 ファイルサイズ:約 15.5MB
時間を変えて撮影。ここでも絞りは同じく一つ絞っただけのF4。SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f4.0 1/8秒) -2.0補正 ISO400 WB:オート

時間を変えて撮影。ここでも絞りは同じく一つ絞っただけのF4。
SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f4.0 1/8秒) -2.0補正 ISO400 WB:オート

写真16  実画像 ファイルサイズ:約 11MB
SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f4.0 1/8秒) -3.0補正 ISO2000 WB:オート

SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f4.0 1/8秒) -3.0補正 ISO2000 WB:オート

写真17  実画像 ファイルサイズ:約 9.8MB
夏真っ盛りはもうすぐ。気持ちの良い青空を広く捉えられると清々しい気持ちになる。SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f11 1/640秒) -0.3補正 ISO160 WB:オート

夏真っ盛りはもうすぐ。
気持ちの良い青空を広く捉えられると清々しい気持ちになる。
SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f11 1/640秒) -0.3補正 ISO160 WB:オート

写真18  実画像 ファイルサイズ:約 7MB
絞り開放、最短撮影距離にて撮影。最短撮影距離は0.24m。希望としては0.2mまで寄れたらなあ、と思うが。ボケはややクセがあるが、F2.8なのでこれだけのぼかすことができる。SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f2.8 1/125秒) -1.3補正 ISO125 WB:オート

絞り開放、最短撮影距離にて撮影。最短撮影距離は0.24m。希望としては0.2mまで寄れたらなあ、と思うが。ボケはややクセがあるが、F2.8なのでこれだけのぼかすことができる。
SONY α7RⅢ 絞り優先AE(f2.8 1/125秒) -1.3補正 ISO125 WB:オート

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SAMYANG 10mm F2.8 ED AS NCS CS

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■ 総評

普段、ズームレンズでは慣れているはずの16mmの画角だが、この画角だけでスナップ撮影をしてみると、改めて余裕のある広がりに気づくとともに、見慣れた光景も楽しくファインダーに収めることができた。そもそも「急いでピント合わせを!」というシーンでは出番が少ない画角だと思うので、じっくり撮影するにはMFでなんのストレスも感じない。目の前の光景を、どう広がりを持って表現するか、の思考がなんとも玄人職人っぽい“写真撮影”を思わせてくれた。

風景や星景写真でお使いになるユーザーも多いだろうが、スナップ撮影にもおすすめ。ワイド端16mmのズームレンズはなかなか高価なので、コストパフォーマンスに優れた本レンズで、16mmの画角をゆったり楽しむのもいいのではないだろうか。

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萩原和幸
著者について
■ 萩原 和幸 (はぎわら かずゆき) 写真家 ■   1969年 静岡県出身。東京工芸大学写真技術科卒業、静岡大学人文学部法学科卒業。 写真家・故今井友一氏師事。独立後、K&S Photograph∞を設立。 フリーランスのフォトグラファーとして雑誌での撮影・執筆や広告撮影などで活動中。公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員。静岡デザイン専門学校非常勤講師。
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