例えば、静物でも人物でも景色でも、何台かのカメラでパチリと撮り比べたら、色合いが大きく異なることはみなさんもうご存じのことと思います。
カメラ雑誌には頻繁に撮り比べレビューなどが掲載され、ニコンらしい色、とか、キヤノンの色作りが出ているなんて表現されたりします。
こうしたことからも、「色」には正解や、ただひとつの真実、というものがないことが伺えます。
色は、光の量、光源の色、撮影した機種など様々な要素の影響をうけて、一枚の写真として表現されています。それらの要素が異なると、また異なった色味で表現されます。
ヒトが写真の善し悪しを決めるのに、色味はとても重要な要素です。商品の写真を撮ったり、景色を撮ってヒトにPRしたい、と思ったら、写真をよりきれいに見せたい、という気持ちもより大きくなります。
ところで、写真からは、楽しい、哀しい、辛い、寒い、などいろいろな印象を感じることがありますが、その印象を決めるのに色味ももちろん重要な役割を果たしています。特に、暖かい、寒い、健康的、汚いといったものから、撮影した時間まで感じ取っていたりもします。
例えば、右の写真Aを見てどんなことを感じるでしょうか。
一方で、右の写真Bを見るとどうでしょうか。
そうですねぇ。モデルは同じ、服装は同じ、
背景が違いますね・・
え?
表情がなんとなく暗くて哀しい・・
表情からは悲しさやけだるさを感じるかもしれませんが、色についてはどうでしょうか?
写真Aは「朝」撮った写真、写真Bは「夕方」に撮った写真だろうと感じませんか?
■ カラーヒストグラム
|
画像C 写真Aのカラーヒストグラム。赤と緑が強く、赤黄がかった傾向の写真であることがわかります。
|
|
画像D 写真Bのカラーヒストグラム。バランスがいいのですが、青みが目立つ写真であることがカラーヒストグラムからも解ります。
|
|
画像E Photoshop Elements 6のカラーヒストグラムを表示するには、「標準モード(スタンダード編集)」で、メニューバーの「ウィンドウ」→「ヒストグラム」を選択します。
|
|
画像F ヒストグラムのウインドウ(パレット)が表示したら、「チャンネル」をクリックし、「カラー」を選択します。自分で撮ったいろいろな写真のカラーヒストグラムを見てみましょう。楽しいですよ。
|
|
|
実際はそれぞれ「朝」「夕」、そうでもないんですが、何がそう印象づけさせるのでしょうか。
ヒストグラムに回答のヒントがあるでしょうか。
両方の写真のカラーヒストグラムを表示して確認みましょう(画像C/画像D)。
で、写真の露出や明るさを数値で判別するには輝度のヒストグラムが役立つのですが、ここで紹介しているカラーヒストグラムはRGB「R:赤、G:緑、B:青」それぞれの色情報の明るさを分布と傾向で見ることができます。右にたくさんある色が明るい部分で多く使われている色です。
ヒストグラムを見ると具体的に解りますが、写真Aは明るい部分に赤と黄色(黄緑)が分布しています。黄色い塀の反射など、様々な理由で黄色の光源を受けている印象です。
一方、写真Bは色のバランスが良い写真ですが、ヒストグラムを見ると明るい部分に青が多いこと、背景の白い塀の影が青く見えることもあって強い青の印象を与えています。
■ ヒトの目とホワイトバランス
ヒトの目にはデジタルカメラで言う「ホワイトバランス」が備わっています。つまり、光源の影響「色かぶり」を受けても、自動的に脳はそれを判断し、色かぶりする前の色を判別することができます。
そんなこともあって、ヒトの感覚には、光は「夕方は赤黄(オレンジ)、朝は青」の記憶が刷り込まれています。
ちなみに、Photoshop Elements 6におけるカラーヒストグラムの表示方法は画像E〜で解説しています。
■ ヒストグラムとは?
写真撮影において、ヒストグラムは「露出」や「明るさ」を数値で理解するのにとても役立つツールであることはスタジオグラフィックスの様々なコーナーで解説してきましたね。
また、画像の劣化を数値でみることもできます。
例えば・・
■ヒストグラムとは?
>> ヒストグラム入門
>> レタッチとヒストグラム
>> ヒストグラムと適正露出の関係
■画像の劣化をヒストグラムで
確認する
>> ヒストグラムで比較
(レタッチとは自分だけの作品を
創ること!)
■Photoshop CS におけるカラー
ヒストグラムの例
>> ヒストグラムパレット
|