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■暗い写真を明るく補正する |
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●劣化の少ないレベル補正の方
それではさっそくPhotoshopを使ってレタッチをしてみましょう。まずは、とってもアンダーな写真(画面4)を明るく補正するテクニックについて紹介します。
●レベル補正を使う
Photoshopには、いろいろな補正機能がありますが、そのうちのひとつ、「レベル補正」を使ってみましょう。(他の機能は後で…) 「レベル補正」とは、写真のハイライト(明るい部分)とシャドウ(暗い部分)、そして中間調を補正する機能です。試しにPhotoshopで何か写真を開いて、 [ イメージ ] メニュー →[色調補正]→[レベル補正]の順で、「レベル補正」ダイアログボックスを表示してみましょう。 (Elementsの場合は[画質調整]→[明るさ・コントラスト]→[レベル補正])
それでは、(画面5)の手順で「レベル補正」のダイアログボックスを開いてみてください。「レベル補正」は、画像の明るさのレベル別に存在する色情報の分布をグラフ化したものをもとに、色調を補正する機能です。(a)、(b)、(c)を「入力レベルスライダ」と呼び、このスライダを左右に動かすことで色調の補正ができます。また、(d)、(e)を「出力レベルスライダ」と呼び、画像全体のコントラストを調整できます。色情報の分布を表すグラフの左側がシャドウ部、右側がハイライト部、そして中央が中間調になります。たとえば、暗い画像はシャドウ側にグラフの山が集中して高く、明るい画像はハイライト側に集中して高くなります。適正な露出で撮影された写真は、中間調の部分にグラフの山が集中します。言葉で説明してもわかりにくいので、試しに各スライダを動かしてみてください。(プレビューにチェックが付いていることが必要です) ちなみに、下の画面はRGBの全チャンネルが選択された状態ですが、(f)でチャンネルをRGBの各色に変更すると、チャンネルごとに補正できます。
●レベル補正を使う前に必ずすること!
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・編集する前に写真のバックアップをとる |
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・16bitモードに写真を変換する |
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・Labカラーに写真を変換する |
・編集する前に写真の「バックアップをとる
それでは「レベル補正」を使って暗い写真を明るく補正してみましょう……、と、その前に必ずやっておかなければならないことがあります。まずは当たり前の話ですが、デジタルカメラで撮影した画像のコピーを作っておくことです。編集後に万が一、元画像に上書きしてしまうことがないようにです。ちなみに、元の写真自体を回転させてもいけません。カメラから転送した元の写真は、一切、手をつけずに保存しておくことが原則です。その理由は画質を劣化させないためです。画像は、少しでも編集するたびに、見た目はわからない程度ですが、画質が劣化していきます。また、デジタルカメラで多く使われている写真の保存形式であるJPEGは、画像を元に戻せない方法で圧縮して保存します。そのため、JPEGは保存を繰り返すたびに大きく画質が劣化します。なので、JPEGで保存された写真を回転して再度保存しなおすということは、プロとしては絶対にやってはならないことなのです。
・16bitモードに写真を変換する
次にやっておくことは、Photoshopに読み込んだ写真を「16bit/チャンネル」モードに変換しておくことです。通常、JPEG画像はRGB(赤、緑、青)各色8bitで保存されています。これを16bitに変換してすることで何のメリットがあるのでしょうか。画像は、編集をかけるたびに画質が劣化すると書きましたが、この編集時の画質劣化を極力防ぐために16bitに変換しておくのです。それでは、画面6の手順で写真を「16bit/チャンネル」モードに変換してみましょう。

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RGB各色8bitは、それぞれの色が256階調で表現されますが、16bitにすると65,536階調というかなり大きな色深度で表現できます。とはいっても8bitで保存された色を大きい階調の16bitへ変換しても、画像の見た目は変わりません。ただ、256階調の256倍もある階調表現能力によって、「レベル補正」などを使って色調を補正するときに生じる色情報の欠落を防ぐことができます。ちなみに、この[16bit/チャンネル]はElementsにはありません。残念ですが、Elementsの場合は画質の劣化を防ぐことはできません……。
・Labカラーに写真を変換する
もうひとつやっておくことは、写真を「Labカラー」モードに変換しておくことです。「Labカラー」というのは、画像の作成や出力に使ったデバイス(モニタ、プリンタ、コンピュータおよびスキャナなど)に影響を受けないカラーとして設計されたカラーモードで、常に一貫した色を再現します。Labカラーは、輝度、つまり輝きの要素(L)と
2 つの色相の要素(a 緑から赤への要素と、b 青から黄への要素)で構成されています。なぜLabカラーに変換するのかというと、Labカラーがデジタルカメラの使っている色空間であるYCCと基本的に同じということと、LabとYCCがパソコンのディスプレイで使われているsRGBよりも広い色空間を使っているからです。つまり、8bitモードから16bitモードへ変換したときの理由と同じで、一度大きな色空間に変換しておくことで、色調を補正するときに生じる色情報の欠落を防ぐことができます。
それでは、画面7の手順で写真を「Labカラー」モードに変換してみましょう。 またまたちなみに、この[Labカラー]もElementsにはありません。
準備ができたら次は、いよいよ「レベル補正」をしてみましょう。
●中間調を明るくする
長い準備の解説でしたが、いよいよ「レベル補正」の解説です。画面8は画面4の写真のものですが、思い切りシャドウ側に分布が偏っていて、中間調がほとんどないのがわかります。見た目だけじゃなく、データ上も暗い写真ということですね。
「レベル補正」の使い方は、「入力レベルスライダ」を左右に動かすことで補正をかけます。もし色情報分布グラフの右端が、ハイライト側入力レベルスライダよりも左側にあるとしたら、グラフの右端までスライダを左に移動させます。こうすることで落ち込んでいたハイライトの情報が生き返ります。暗い写真の多くは、ハイライト側に情報がないことがほとんどなのですが、画面4の写真はモデルの背後に日に照らされた地面がかなり大きな面積で存在します。そのため、画面8のハイライト側に色情報が存在しているわけです。「この程度の色情報なら捨てちまえ!」と思う人もいるでしょうが、中間調からハイライトにかけてわずかに残っている色情報は、写真の色合いから見てモデルの肌の色情報のはずです。捨てるわけにはいきません。
そこで、画面8のように中間調の入力レベルスライダを左
に動かして、シャドウ側に偏った色情報をハイライト側に再分布させてやるわけです。 こうして補正したのが、画面9です。画面4と比較してみてください。作品としてはちょっとって感じですが、まぁなんとか見られる写真に生き返らせることができました。
●8bit、RGBカラーに戻す
「レベル補正」をかけて、好みの明るさに補正できたら、画面6と画面7の手順の逆を操作して、「8bit/チャンネル」モードと「RGBカラー」モードに戻して、Photoshopのファイル形式「PSD」で保存しましょう。そのままのモードで保存しても、Photoshopでなら再度読み込むことができますが、ファイル容量が大きくなってしまいますし、本来8bit、RGBだった写真なのですから問題はありません。
●8bit、RGBカラーにレベル補正をかけたものと比較
「レベル補正」をかける前に色深度を16bitモードに、そして色空間をLabカラーモードにしたわけですが、では8bit、RGBカラーモードで「レベル補正」をかけたのと比べてどの程度に画質劣化を抑えることができているのでしょうか。比べてみましょう。
画面10と画面11は、左が16bit、Labカラーで「レベル補正」をかけたもの。右が8bit、RGBカラーで「レベル補正」をかけたものです。見た目にも大きな違いがわかりますが、画面10では部分を拡大して劣化の様子を比較してみました。また、画面11は「レベル補正」ダイアログボックスを表示して、色情報の分布グラフで劣化の様子を比較してみました。このように、色調補正をかけるときは16bitモードとLabカラーモードがいかに有効だということがわかるはずです。
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