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写真レタッチ講座
第1回 レタッチとは自分だけの作品を創ること!
〜 レタッチとはなんぞや? 〜 2003/06/04
 
Adobe Photoshopとは?
暗い写真を明るく補正する
  劣化の少ないレベル補正の方法
明るすぎる写真を見やすく補正する
  [ トーンカーブ ] の使い方

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Photoshop Tips & Manual
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  ■Adobe Photoshopとは? ひとつ前のページに戻るこのページのトップへ  

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画面2 Adobe Photoshop 7
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 写真をレタッチする画像編集ソフトの代表格といえば、やはりAdobe Photoshop(アドビ・フォトショップ)でしょう。写真好きならその名前くらい聞いたことがあるかと思います。Adobe Photoshop(以下Photoshop)は、米アドビシステムズ社の製品で、Macintosh用とWindows用の両プラットフォームに対応している画像編集ソフトです。現在は、バージョン7が販売されています。本講座では、Windows用のPhotoshop7を使ってレタッチテクニックを紹介していきます。Photoshopは、Windows用もMacintosh用も基本的に同じ機能と性能を持っていますし、使い方も大きな違いはありません。なので、本講座のテクニック紹介を読むときに、Macintoshユーザーにも問題はないはずです。

●どんなことができるのか

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画面3 コラージュを作れる
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 Photoshopを使うと、写真の明るさやコントラストの調整、色の補正、レンズによる歪みの調整はもちろんのこと、合成写真やコラージュ(画面3)などの作品を創ることもできます。コラージュなんて書くと、難しそうだと思うかもしれません。でも、基本をしっかり押えておけば、いずれ自由自在にPhotoshopを扱えるようになるはずです。実際、私もはじめは写真のトリミング程度にしか使っていませんでした。でも「あるコツ」を掴んでからは、Photoshopを使うのがカメラで写真を撮るのと同じくらい楽しくなっていったのです。「あるコツ」についてはいずれきちんと紹介します。さて、コラージュのことは置いておいて、写真のレタッチをする上で欠かせないのが「色調補正」です。「色調補正」とは、先に書いた明るさやコントラスト、色の補正などを指します。Photoshopは、この「色調補正」の機能がとても充実しています。「レベル補正」や「トーンカーブ」など、プロが使う高度な機能から、「バリエーション」や各自動補正機能など、初心者でも便利に使える簡単なものまで用意されています。本講座は「プロが教える……」と銘打っているわけですから、自動補正機能は割愛して、プロ向け機能だけを取り上げて行きたいと思います。

●Photoshopの廉価版「Adobe Photoshop Elements」

 Photoshopは高機能で大変便利な画像編集ソフトですが、いざ買うとなるとかなりの出費を余儀なくされます。(アドビストア価格\96,000.) そこまではちょっという人には、Photoshopの廉価バージョンとも呼べる「Adobe Photoshop Elements2」(アドビストア価格:\12,800.)がオススメです。「Adobe Photoshop Elements2」(以下Elements)は、Photoshopをベースに初級から中級ユーザーをターゲットに開発された製品で、誰もが簡単に使えるシンプルな操作性が特徴です。ElementsをPhotoshopの機能限定版と切り捨てる人もいますが、私は一般的には十分過ぎるともいえる機能が提供されていると思います。まぁ、本講座は「プロが教える……」ですから、Elementsにはない機能も使って解説していきますが、今後紹介する予定のテクニックの多くはElementsでも使えるものです。また、Photoshopだけの機能を使ったテクニックでも、Elementsならこうやればできるという解説も加えていく予定です。た・だ・し。今回紹介するテクニックは、残念ながらElementsではできません。初っ端からElementsユーザーを裏切るようで申し訳ありません……。

  ■暗い写真を明るく補正する ひとつ前のページに戻るこのページのトップへ  

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画面4 極端にアンダーな写真
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●劣化の少ないレベル補正の方

 それではさっそくPhotoshopを使ってレタッチをしてみましょう。まずは、とってもアンダーな写真(画面4)を明るく補正するテクニックについて紹介します。

●レベル補正を使う

 Photoshopには、いろいろな補正機能がありますが、そのうちのひとつ、「レベル補正」を使ってみましょう。(他の機能は後で…) 「レベル補正」とは、写真のハイライト(明るい部分)とシャドウ(暗い部分)、そして中間調を補正する機能です。試しにPhotoshopで何か写真を開いて、 [ イメージ ] メニュー →[色調補正]→[レベル補正]の順で、「レベル補正」ダイアログボックスを表示してみましょう。 (Elementsの場合は[画質調整]→[明るさ・コントラスト]→[レベル補正])

 それでは、(画面5)の手順で「レベル補正」のダイアログボックスを開いてみてください。「レベル補正」は、画像の明るさのレベル別に存在する色情報の分布をグラフ化したものをもとに、色調を補正する機能です。(a)、(b)、(c)を「入力レベルスライダ」と呼び、このスライダを左右に動かすことで色調の補正ができます。また、(d)、(e)を「出力レベルスライダ」と呼び、画像全体のコントラストを調整できます。色情報の分布を表すグラフの左側がシャドウ部、右側がハイライト部、そして中央が中間調になります。たとえば、暗い画像はシャドウ側にグラフの山が集中して高く、明るい画像はハイライト側に集中して高くなります。適正な露出で撮影された写真は、中間調の部分にグラフの山が集中します。言葉で説明してもわかりにくいので、試しに各スライダを動かしてみてください。(プレビューにチェックが付いていることが必要です) ちなみに、下の画面はRGBの全チャンネルが選択された状態ですが、(f)でチャンネルをRGBの各色に変更すると、チャンネルごとに補正できます。

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▲画面5 レベル補正の使い方  Clickで拡大

●レベル補正を使う前に必ずすること!

  ・編集する前に写真のバックアップをとる
  ・16bitモードに写真を変換する
  ・Labカラーに写真を変換する

・編集する前に写真の「バックアップをとる

 それでは「レベル補正」を使って暗い写真を明るく補正してみましょう……、と、その前に必ずやっておかなければならないことがあります。まずは当たり前の話ですが、デジタルカメラで撮影した画像のコピーを作っておくことです。編集後に万が一、元画像に上書きしてしまうことがないようにです。ちなみに、元の写真自体を回転させてもいけません。カメラから転送した元の写真は、一切、手をつけずに保存しておくことが原則です。その理由は画質を劣化させないためです。画像は、少しでも編集するたびに、見た目はわからない程度ですが、画質が劣化していきます。また、デジタルカメラで多く使われている写真の保存形式であるJPEGは、画像を元に戻せない方法で圧縮して保存します。そのため、JPEGは保存を繰り返すたびに大きく画質が劣化します。なので、JPEGで保存された写真を回転して再度保存しなおすということは、プロとしては絶対にやってはならないことなのです。

・16bitモードに写真を変換する

 次にやっておくことは、Photoshopに読み込んだ写真を「16bit/チャンネル」モードに変換しておくことです。通常、JPEG画像はRGB(赤、緑、青)各色8bitで保存されています。これを16bitに変換してすることで何のメリットがあるのでしょうか。画像は、編集をかけるたびに画質が劣化すると書きましたが、この編集時の画質劣化を極力防ぐために16bitに変換しておくのです。それでは、画面6の手順で写真を「16bit/チャンネル」モードに変換してみましょう。

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▲画面6 16bit/チャンネルへの変換

  RGB各色8bitは、それぞれの色が256階調で表現されますが、16bitにすると65,536階調というかなり大きな色深度で表現できます。とはいっても8bitで保存された色を大きい階調の16bitへ変換しても、画像の見た目は変わりません。ただ、256階調の256倍もある階調表現能力によって、「レベル補正」などを使って色調を補正するときに生じる色情報の欠落を防ぐことができます。ちなみに、この[16bit/チャンネル]はElementsにはありません。残念ですが、Elementsの場合は画質の劣化を防ぐことはできません……。

・Labカラーに写真を変換する

 もうひとつやっておくことは、写真を「Labカラー」モードに変換しておくことです。「Labカラー」というのは、画像の作成や出力に使ったデバイス(モニタ、プリンタ、コンピュータおよびスキャナなど)に影響を受けないカラーとして設計されたカラーモードで、常に一貫した色を再現します。Labカラーは、輝度、つまり輝きの要素(L)と 2 つの色相の要素(a 緑から赤への要素と、b 青から黄への要素)で構成されています。なぜLabカラーに変換するのかというと、Labカラーがデジタルカメラの使っている色空間であるYCCと基本的に同じということと、LabとYCCがパソコンのディスプレイで使われているsRGBよりも広い色空間を使っているからです。つまり、8bitモードから16bitモードへ変換したときの理由と同じで、一度大きな色空間に変換しておくことで、色調を補正するときに生じる色情報の欠落を防ぐことができます。 それでは、画面7の手順で写真を「Labカラー」モードに変換してみましょう。 またまたちなみに、この[Labカラー]もElementsにはありません。

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▲画面7 Labカラーへの変換

準備ができたら次は、いよいよ「レベル補正」をしてみましょう。

●中間調を明るくする

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画面8 レベル補正・ 中間調を明るく
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画面9 補正後の写真
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 長い準備の解説でしたが、いよいよ「レベル補正」の解説です。画面8画面4の写真のものですが、思い切りシャドウ側に分布が偏っていて、中間調がほとんどないのがわかります。見た目だけじゃなく、データ上も暗い写真ということですね。

 「レベル補正」の使い方は、「入力レベルスライダ」を左右に動かすことで補正をかけます。もし色情報分布グラフの右端が、ハイライト側入力レベルスライダよりも左側にあるとしたら、グラフの右端までスライダを左に移動させます。こうすることで落ち込んでいたハイライトの情報が生き返ります。暗い写真の多くは、ハイライト側に情報がないことがほとんどなのですが、画面4の写真はモデルの背後に日に照らされた地面がかなり大きな面積で存在します。そのため、画面8のハイライト側に色情報が存在しているわけです。「この程度の色情報なら捨てちまえ!」と思う人もいるでしょうが、中間調からハイライトにかけてわずかに残っている色情報は、写真の色合いから見てモデルの肌の色情報のはずです。捨てるわけにはいきません。 そこで、画面8のように中間調の入力レベルスライダを左 に動かして、シャドウ側に偏った色情報をハイライト側に再分布させてやるわけです。 こうして補正したのが、画面9です。画面4と比較してみてください。作品としてはちょっとって感じですが、まぁなんとか見られる写真に生き返らせることができました。

●8bit、RGBカラーに戻す

 「レベル補正」をかけて、好みの明るさに補正できたら、画面6と画面7の手順の逆を操作して、「8bit/チャンネル」モードと「RGBカラー」モードに戻して、Photoshopのファイル形式「PSD」で保存しましょう。そのままのモードで保存しても、Photoshopでなら再度読み込むことができますが、ファイル容量が大きくなってしまいますし、本来8bit、RGBだった写真なのですから問題はありません。

●8bit、RGBカラーにレベル補正をかけたものと比較

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画面10 拡大して比較  Clickで拡大
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画面11 レベル補正のヒストグラムで比較  Clickで拡大

 「レベル補正」をかける前に色深度を16bitモードに、そして色空間をLabカラーモードにしたわけですが、では8bit、RGBカラーモードで「レベル補正」をかけたのと比べてどの程度に画質劣化を抑えることができているのでしょうか。比べてみましょう。 画面10画面11は、左が16bit、Labカラーで「レベル補正」をかけたもの。右が8bit、RGBカラーで「レベル補正」をかけたものです。見た目にも大きな違いがわかりますが、画面10では部分を拡大して劣化の様子を比較してみました。また、画面11は「レベル補正」ダイアログボックスを表示して、色情報の分布グラフで劣化の様子を比較してみました。このように、色調補正をかけるときは16bitモードとLabカラーモードがいかに有効だということがわかるはずです。

 

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画面12 8bitと16bitでの比較
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  モデル : 寺崎 佑紀

● [ トーンカーブ ] の使い方

 画面12を見てください。太陽が壁に描かいた光と影の絵画の前で佇む寺崎佑紀の写真ですが、はっきりいって誰の目にも失敗作ですね。でも、誰にも撮影時にはイメージしていた絵があるものです。撮影直後は失敗作に見えても、レタッチしてはじめて作品は完成するわけですから、ここはPhotoshopで補正して、当初イメージしていた作品に仕上げましょう。

●トーンカーブを使う

 「レベル補正」と並んで重要な補正機能が「トーンカーブ」(画面13)です。「トーンカーブ」は、ハイライト、シャドウ、中間調の3つの変数だけを使用した「レベル補正」と違って、0から255の範囲で最大15個の値を固定して色調を調整できます。「トーンカーブ」を使用し、画像の個別のカラーチャンネルを高い精度で補正することもできます。

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▲画面13 [ トーンカーブ ] の使い方  Click で拡大

●トーカーブを使う前に必ずすること!

 これは、「レベル補正」の項で紹介したのとまったく同じです。写真のバックアップをとって、16bitモード、Labカラーモードに変更することは必須だと思ってください。

●ハイライトは白じゃない?

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画面14 ヒストグラムの使い方
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  モデル : 寺崎 佑紀

 「トーンカーブ」で色調補正する前に、これから補正しようとする画像がどんな状態なのかを調べてみましょう。というのも、「トーンカーブ」は「レベル補正」のように、色情報の分布が一目でわかるグラフを持っていません。そこで「ヒストグラム」を使って調べてみます。(画面14) ここでわかることは、シャドウ部に色情報が少なく、ハイライト部に情報の分布が偏ったハイキーな(明るい)写真であるということです。まぁ、ある程度ハイキーな写真を狙っていたわけではあるんですが、コントラストが足りないのが気になりますし、もうひとつ、ハイライト部の色情報がほとんど真っ白だということも問題です。「ハイライトなんだから白でいいんじゃないの?」と思う人もいるかもしれませんが、それがそうもいかないんです。というのも、我々が写真を撮るということは多くは印刷することを前提としているため、写真のハイライト部は白ではいけないのです。印刷における白とは何も色が塗られないということであり、紙の地色が出てしまうということでもあります。まぁ、極部分的に真っ白があっても問題はありませんが、この写真のように広範囲を白が占める場合は、印刷物に使う写真としては良くありません。(写真以外のたとえばイラストのようなものなら白があってもいいんですけどね) それではどうするのかというと、ハイライトの白を極めて薄いグレーに変換します。こう書くと写真が汚くなるような印象をうけるかもしれませんが、人の目は写真全体のコントラストを感じ取ることで、たとえデータ上ではハイライト部が薄いグレーだとしても、真っ白だと感じてしまうのです。

 ということで、「ヒストグラム 」を使って得た情報をもとに「トーンカーブ」で補正をしてみましょう。ここでは、ハイライト部を白から極めて薄いグレーにすることと、シャドウ部をより暗く、そしてモデルが着ている服のトーンを際立ててみることにします。

● [ トーンカーブ ] でハイライトを落としてコントラストを強める

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画面15 [ トーンカーブ ] でハイライトを落とす  Clickで拡大
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画面16 補正後の写真
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  モデル : 寺崎 佑紀

 さて、「トーンカーブ」ダイアログボックスを表示させたら、(画面15)のようなカーブを作ってみましょう。(やり方は画面15を参考にしてください)  [ トーンカーブ ] でこのようなS字のカーブを描くと、写真全体のコントラストが強くなります。コントラストを調整する方法には[イメージ]→[色調補正]→[明るさとコントラスト]コマンドもありますが、「トーンカーブ」を使うと、ここでやっているようなハイライトを抑えた上で全体のコントラストを強めるというような、微調整ができるのです。

 さて、画面15の方法で調整した写真が画面16です。ディスプレイではわかりにくいですが、実際に編集した写真ではかなりの違いが出ています。(Web用の写真は小さいですし、画像を圧縮しなければならないために、画質が劣化してしまうので、違いがわかりにくくなります)

 さて、第一回目の写真レタッチ講座はここまでです。今回は写真全体の補正について紹介しましたが、次回以降はPhotoshopの豊富な機能な使って、細部までレタッチするテクニックについて紹介していきましょう。それではまた来週。

 

 
初出:2003/06/04
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