そこで今回補足として、再度、別の写真、今度は花が被写体の写真を例として用意しました。花の種類には疎いのでなんという名前の花か解りませんが、薄いピンク色の花が印象的だったのでキヤノンの『EOS
Kiss Digital』で、露出はオートで撮影をした写真が「画像1」です。つまりは、一般の人が「あぁ、綺麗な花だなぁ」と思ってシャッターボタンを押して撮れた状態ですね。
実は意外とこの写真のように、写真全体の色合いが豊富で、それでいて最も重要な被写体が白っぽい、というシチュエーションがデジタルカメラにとっては最も過酷な状況のひとつでもあるのです。つまりカメラは構図全体を見て適正露出にセットして撮ってくれますが、最も重要な被写体が露出オーバー気味になり、質感を表す階調が表現できなくなってしまう「白飛び」が発生してしまいます。撮った写真を後でフォトショップで開いてみてガッカリした、という同様の経験者もいるかもしれません。小さい液晶ではこの白飛びを確認するのは困難ですね。
そこで、ヒストグラムを見るとやはり、真っ白のデータが多くなっています(画像2)。拡大すると画像3のように一部、ピンクの階調が潰れてしまっています。撮影時にそれが解れば、一番重要な被写体に合わせて露出をアンダーめに設定して撮影しておくことができます(画像4)。アンダーで暗くなっている部分は後でレタッチでカラー補正すれば、綺麗な写真に仕上がります。