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夜景写真家・岩崎拓哉の夜景撮影講座
第70回 福島のパノラマ夜景撮り方入門


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Photo : Takuya Iwasaki

TOPIX

今月の「 岩崎拓哉の夜景撮影講座 」は福島夜景を取り上げました。氏によると福島市は信夫山など市街地と距離が近く、迫力ある夜景が撮れるスポットのようです。推奨撮影スポット7か所をご案内しています。ぜひ本記事を参照してお出かけください。 by 編集部
<本記事は 2021 年 12 月現在の情報です。訪問した時期により状況が記事内容と異なる場合がございます。>

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第66回「いわき工場夜景の撮り方入門」の記事で、福島県いわき市の工場夜景撮影を取り上げましたが、今回は福島市内のパノラマ夜景スポットを作例と共に解説します。信夫山など市街地と距離が近く、迫力ある夜景が撮れるスポットも少なくないので、いわき市とセット(日帰りは困難)での訪問をおすすめします。

写真1 福島駅を中心とした夜景

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[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: RF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:94mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:10秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]

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■福島夜景の特徴と夜景撮影のポイント

福島県の県庁所在地である福島市の人口は、約28万人といわき市及び郡山市に比べて少ないが、パノラマ夜景に関しては県内で最も充実したエリアである。経済や商業の中心地である郡山市は夜景スポットがほとんどなく、いわき市はご存知の通り工場夜景が中心である。一方で福島市は中心地に信夫山があり、市街地と近い距離からパノラマ夜景を楽しめるのがポイント。福島市内での夜景撮影にあたって、特段難しいテクニックは必要無いが、安全面で気を遣う場所もあるので、装備面などで工夫が必要。

写真3 車で夜景撮影スポットを巡る

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磐梯山スカイラインは紅葉の時期は特に混雑するが、夜間はドライブを楽しむ若者が訪れる。

(1)9~11月半ばまでが撮影ベストシーズン

磐梯山スカイラインは例年11月中頃から冬期通行止め(詳細)となるため、11月上旬には撮影を終えられるとベスト。ただし、信夫山などは雪の影響が無ければ11月半ばを過ぎても問題ないだろう。

(2)車移動が基本

信夫山は路線バス(福島交通市内循環「ももりん」)に乗車して、訪問できなくは無いが展望台までハイキングが必要になるため、「コラッセふくしま展望ラウンジ」などを除いて、車移動が原則となる。

(3)標準ズームレンズと安定感ある三脚を持参

35mm換算で24-105mm前後の標準ズームレンズがあれば、オールマイティに撮影できる。一部の夜景撮影スポットでは、超広角レンズを使うシーンも。

(4)LEDライトなど安全対策グッズを持参

福島市内の夜景スポットは全体的に暗い場所が多く、特に信夫山の鳥ヶ崎デッキは5分ほど真っ暗な道を歩き、岩場付近での撮影となるため、懐中電灯類は必ず持参しよう。

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■撮影スポット(1)信夫山 第一展望台

信夫山は、第1~3展望台と鳥ヶ崎デッキの4箇所の夜景スポットが有名で、第一展望台は南側の入り口から最もアクセスしやすい場所にある。眺望は南方向に広がり、福島市中心部を見渡せるものの、視界がやや狭い印象。そのため、撮影には広角レンズより標準レンズの方が適している。(地図

写真4 福島市街地を写す

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[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: RF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:93mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:8秒 / 絞り数値:F10 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(2)信夫山 第二展望台

開放感ある展望台で、主に南方向から東方向にかけて視界が広がる。視界は優れているが、やや街明かりと距離があるため、標準レンズで望遠寄りの画角で撮影するのが望ましい。月明かりがきれいに見えている場合は、超広角レンズで月明かりと街明かりを写すのも良いだろう。(地図

写真5 福島市街地を写す

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[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: RF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:89mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:10秒 / 絞り数値:F10 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

写真6 月明かりと夜景を写す

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[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: EF16-35mm F4L IS USM / 焦点距離:16mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:15秒 / 絞り数値:F9 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(3)信夫山 第三展望台

西方向の眺望が優れた展望台で、右手には松川があり、その周囲に街明かりが広がる。第二展望台に比べて、展望台自体が小さいため、週末など混雑時は車を止められない可能性も。街明かりとの距離は近いが、南方向と比べて街明かりが少ないため、ここも標準レンズで街明かりの一部を切り取るような構図が良いだろう。(地図

写真7 松川と街明かりを写す

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[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: RF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:63mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:13秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(4)信夫山 鳥ヶ崎展望台

恐らく福島県内のパノラマ夜景スポットとして、最も夜景が美しい場所。駐車場から真っ暗な道を5分ほど歩くため、初心者にはややハードルが高いため、心配であれば日中にロケハンをしておくか、夕暮れから訪れたい。同じ南方向の眺望が広がる第一展望台とは比較にならないぐらい視界が広く、訪れたら誰もが圧倒されるほどのスケール。岩場に近づくほど眺望が広がるが、転落の恐れがあるため岩場に登ることはおすすめできない。木造のデッキやその周辺からの撮影が無難だ。写真9は岩場の雰囲気が伝わるよう、意図的に岩場を照らして撮影している。(地図

写真8 福島駅方面の夜景

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[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: RF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:24mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:10秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]

写真9 岩場と夜景

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[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: EF16-35mm F4L IS USM / 焦点距離:16mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:10秒 / 絞り数値:F9 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(5)弁天山公園

信夫山の反対側にあり、福島市内中心地を北方向に見渡せる。眺望に優れるため、広角レンズでも美しい夜景が撮れる。手前には国道115号線が見渡せ、長時間露光で車の光跡を写すのも良い。福島駅方面を写す場合は、標準レンズで一部を切り抜く形になる。(地図

写真10 福島駅方面の夜景を写す

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[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: EF16-35mm F4L IS USM / 焦点距離:29mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:13秒 / 絞り数値:F9 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

写真11 福島市街地を写す

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[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: RF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:58mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:10秒 / 絞り数値:F9 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(6)磐梯山スカイライン 展望台

日本の道100選にも選ばれた全長28.7kmの道路で、現在は無料開放されている。紅葉の時期(日中)は通行に数時間かかるほど大渋滞を引き起こすが、夜間は混雑が少ないはずである。ビューポイントがいくつかあるが、最も代表的な場所がこちらで紹介する展望台であり、街明かりと距離があるものの、福島市内全体を見渡せる。作例(写真12)のように標準レンズで街明かり全体を写す構図が定番だが、超広角レンズで夜空をメインに写す構図も良い。(地図

写真12 信夫山方面を写す

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[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: RF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:53mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:25秒 / 絞り数値:F9 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

写真13 超広角レンズで夜空を中心に写す

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[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: EF16-35mm F4L IS USM / 焦点距離:16mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:30秒 / 絞り数値:F9 / ISO感度:1600 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(7)磐梯山スカイライン パーキングスペース

展望台よりさらに南方向に車を走らせると、小さな駐車スペースがある。展望台とは少し異なった角度から、福島市内の夜景が見渡せ、福島駅の北側や西側をメインに夜景が広がる。街明かりとはより距離が離れてしまうため、標準レンズや望遠レンズでの撮影が望ましい。(地図

写真14 福島市内北部を中心に写す

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[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: RF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:70mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:25秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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岩崎拓哉
著者について
■ 夜景写真家 岩崎 拓哉 ■1980年生まれ。大阪府出身、神奈川県在住。法政大学経済学部卒。 2003年より夜景写真家を志し、日本全国や海外で夜景を撮影。 Webエンジニアの経験も活かし、「夜景INFO」などの夜景専門サイトを立ち上げる。カメラ雑誌の原稿執筆、夜景撮影の講師経験も豊富。総合・国内旅行業務取扱管理者の資格も持つ。 著書に「プロが教える夜景写真 撮影スポット&テクニック(日経ナショナルジオグラフィック社)」「夕景・夜景撮影の教科書(技術評論社)」。
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