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夜景写真家・岩崎拓哉の夜景撮影講座
第69回 パノラマ夜景が美しい山形夜景の撮り方入門

Posted On 19 10月 2021
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Photo : Takuya Iwasaki

TOPIX

四か月ぶりの更新となります「夜景写真家・岩崎拓哉の夜景撮影講座」は山形夜景の紹介です。緊急事態宣言も明け日常を取り戻しつつあります。夜景撮影にでかけるのはいかがでしょうか。 by 編集部

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約4ヶ月ぶりの連載記事となりましたが、10月以降は空気が澄んで、夜景撮影に適したシーズンに入ります。今回は、東北地方の中でも特にパノラマ夜景が美しい山形の夜景撮影スポットを、著者が新たに導入したフルサイズミラーレス一眼「Canon EOS R6」の作例と共に紹介します。

写真1 西蔵王公園から山形盆地の街明かりと夜空を写す

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[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: CANON EF16-35mm F4L IS USM  / 焦点距離:16mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:15秒 / 絞り数値:F9 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]

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■山形夜景の特徴

山形県は東北地方に位置し、人口の多くは山形盆地に集中している。山梨県と同様に盆地に人口が密集していることから、盆地の高台からは街明かりの距離が近く、美しいパノラマ夜景が楽しめる場所が点在する。

写真2 車で訪問できる夜景スポット

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車内から夜景を観賞できる場所も少なくない。写真は米沢市の御成山公園付近で撮影。

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■山形の夜景撮影のポイント

山形で夜景を撮影するにあたって、特段難しいテクニックは必要無いが、パノラマ夜景がメインのため、作品の仕上がりにおいて、気象条件が大きく左右する。

写真3 西蔵王公園 展望広場での撮影風景

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三脚にカメラを固定して、長時間露光で撮影。

(1)降雪シーズンに入る前の9~11月中頃がベストシーズン

山形県内で初雪が観測されるのは、例年11月中頃。雪が降ると特に山間部のアクセスに支障を生じるため、できるだけ雪が降る前の時期に訪問したい。

(2)夜景スポットへの移動は車が基本

鉄道駅から徒歩圏内で訪問できる夜景スポットは、山形駅西口にある「霞城セントラル 展望ロビー」ぐらいで、車が無いと夜景スポットへの訪問自体が困難。また、夜景スポットによっては舗装されない狭い道を走ることになり、運転技術が必要とされることも。

(3)安定感ある三脚を持参

都心の夜景に比べると、どうしても光量は落ちてしまうため、手持ちで撮影できるシーンは非常に限られる。たいてい露光時間は20~30秒程度になるので、できるだけ安定感ある三脚を持参したい。交換レンズは基本的に標準ズーム1本(35mmフルサイズ換算で24-105mm前後)あれば、撮影で困ることは少ないだろう。

(4)LEDライトなど安全対策グッズを持参

山形県内の夜景スポットは周囲が真っ暗な場所が多く、駐車場から歩く時間は比較的短い場所が多いものの、LEDライトなどの用意は欠かせない。

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■撮影スポット(1)西蔵王公園 展望広場/山形市

山形県を代表する夜景スポット。東北エリアで最大級のスケールがあり、西向きに視界が広がることから、トワイライトタイムにもおすすめ。展望広場からは山形市内を中心に大パノラマが広がる。写真1のように広角レンズで写す時は、トワイライトタイムの空を大きく入れたり、空が暗くなってからは標準レンズで街明かりの一部を切り取るような構図もおすすめ。また、写真4の作例のようにホワイトバランスを「日陰」などの暖色系に設定して、夕陽のグラデーションカラーを強調して写すのも良いだろう。(地図

写真4 夕暮れの山形市内の夜景

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[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: CANON RF24-105mm F4L IS USM  / 焦点距離:50mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:1.6秒 / 絞り数値:F9 / ISO感度:200 / WB:日陰 ]

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■撮影スポット(2)市道三本木線 展望所/山形市

山形市街地から西蔵王公園 展望広場に向かう途中にある展望所で、西蔵王公園よりも市街地との距離が近い。作例のように、望遠寄りの画角で街明かりを画面全体に写す構図も良い。(地図

写真5 山形市中心部の夜景を写す

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[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: CANON RF24-105mm F4L IS USM  / 焦点距離:97mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:10秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(3)ふれあい展望台/山形市

山形市街地から車で30分ほど離れた場所にあり、街明かりとは距離があるものの、視界が広いため、見応えある夜景が楽しめる。木造のデッキからの撮影がおすすめだが、他に訪問者がいると足元が揺れることがあるので、なるべく訪問者が少ないタイミングを狙いたい。(地図

写真6 山形市内を広範囲に写す

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[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: CANON RF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:45mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:25秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(4)蔵王みはらしの丘/山形市

新興住宅地である「蔵王みはらしの丘」に公園が整備されており、展望広場からは住宅街の夜景が見渡せる。高度はそれほど無いが、山形県内の夜景スポットの中でも特に訪問しやすく、駐車場やトイレも整備されている。写真7のように住宅街を写す夜景は定番だが、月明かりが美しい日であれば、展望台と月明かりを写すなど、あえて街明かり以外を撮影するのも面白い。(地図

写真7 住宅街の夜景を写す

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[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: CANON RF24-105mm F4L IS USM  / 焦点距離:42mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:15秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

写真8 月明かりと展望台を写す

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[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: CANON EF16-35mm F4L IS USM  / 焦点距離:16mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:10秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:1600 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(5)花咲山展望台/上山市

「恋人の聖地」としても有名な夜景スポット。展望台が整備されており、上山市内を中心とした夜景が楽しめる。山形市内に比べると光量は控えめだが、街明かりとの距離が近いため、迫力ある夜景写真が撮れるはずだ。なお、展望台までの道のりは悪路が続き、初心者ドライバーの訪問は難しいかもしれない。運転に不安がある場合は、昼間のうちに下見をするのも良いだろう。(地図

写真9 月明かりと上山市の夜景を写す

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[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: CANON EF16-35mm F4L IS USM  / 焦点距離:16mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:25秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

写真10 上山市中心部を写す

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[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: CANON RF24-105mm F4L IS USM  / 焦点距離:53mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:20秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

写真11 タワーマンションと田畑の夜景を写す

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[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: CANON RF24-105mm F4L IS USM  / 焦点距離:640mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:25秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:640 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(6)楯山公園/大江町

大江町の絶景スポットして知られており、昼間は最上川を中心とした景色が広がり、夜景よりも昼間の風景の方が美しい。街明かりが少ないため、寂しい夜景写真になりそうだが、天気の良い日を狙い、月明かりを活かせば、最上川のシルエットも良いアクセントになる。駐車場からは5分ほど暗い道を歩くため、夕暮れから訪問するのもおすすめ。(地図

写真12 最上川を中心に写す

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[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: CANON RF24-105mm F4L IS USM  / 焦点距離:31mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:30秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(7)御成山公園/米沢市

桜の名所として知られる公園で、米沢市内では唯一とも言える夜景スポット。展望広場からは米沢市内の夜景が一望できる。方角によって街明かりや光量が大きく異なり、東方向の米沢市中心部が最もきれいに写る。(地図

写真13 米沢市内の夜景を写す

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[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: CANON EF16-35mm F4L IS USM / 焦点距離:35mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:20秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:800 / WB:白色蛍光灯 ]

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著者について
■ 夜景写真家 岩崎 拓哉 ■1980年生まれ。大阪府出身、神奈川県在住。法政大学経済学部卒。 2003年より夜景写真家を志し、日本全国や海外で夜景を撮影。 Webエンジニアの経験も活かし、「夜景INFO」などの夜景専門サイトを立ち上げる。カメラ雑誌の原稿執筆、夜景撮影の講師経験も豊富。総合・国内旅行業務取扱管理者の資格も持つ。 著書に「プロが教える夜景写真 撮影スポット&テクニック(日経ナショナルジオグラフィック社)」「夕景・夜景撮影の教科書(技術評論社)」。