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夜景写真家・岩崎拓哉の夜景撮影講座
第58回 製油所の明かりが美しい!大阪(堺・高石)工場夜景の撮り方入門

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Photo : Takuya Iwasaki

TOPIX

今月も引き続き工場夜景のスポットを取り上げました。大阪工場夜景地帯の解説です。最近では自治体も積極的にPRしており「 観光資源として注目されてきている。」と、岩崎氏は言います。スケール感のある写真が撮影できる大阪工場夜景、訪問前にぜひご一読ください。 by 編集部

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第56回の「茨城県神栖市」、第57回の「三重県四日市市」に続き、今月も工場夜景編をお送りします。今回は堺市・高石市を有する堺泉北臨海工業地帯の夜景スポットを解説します。製油所や化学工場が多く、場所によっては有名エリアに迫るほど、スケール感のある工場夜景写真が撮影でき、最近は自治体もPRに力を入れているため、これから注目されるエリアと言えます。

写真1 築港浜寺西町から対岸の化学工場を写す

IMG_4085[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:TAMRON SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD / 焦点距離:249mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:5秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■堺市・高石市の特徴

堺市と高石市は臨海部に製油所や化学工場を有しており、関西でも有数の工業都市である。関西ではいち早く兵庫県尼崎市が、川崎市や四日市市等が中心となる工場夜景都市に加盟しており、堺市・高石市は10大工場夜景都市に加わっている。工業地帯としての規模は非常に大きく、自治体や商工会が中心となって、工場夜景を観光資源としてPRしている。

写真2 大阪府の地図

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堺市(堺区・西区)・高石市・泉大津市一帯を堺泉北臨海工業地帯と呼ばれ、工場夜景スポットが充実しているのは堺市西区と高石市だ。泉大津市からも一部、工場夜景が見える場所があるが、工場と距離がかなり離れている。(地図:CraftMap

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■堺市・高石市の夜景撮影のポイント

他の工場夜景都市と比べて、特別気をつけることは無いが、撮影スポットへは公共交通機関だけでの訪問は困難なので、自家用車やレンタカーで訪問したい。また周囲は真っ暗な場所も少なくないので、懐中電灯など安全装備にも気を使おう。

写真3 築港浜寺西町へ車で訪問

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(1)車移動が基本

堺市の築港新町エリアは路線バスが運行しているが、最終のバスも早く、夜景撮影には不向き。近くの駅でレンタサイクルを借りる方法もあるが、一晩で堺市と高石市を回るなら車移動が欠かせない。ただし、駐車場が整備された撮影ポイントはほとんどないため、停車する際は他の車両への配慮も必要。もし、時間に余裕があるなら阪神高速湾岸線に乗ると、走行中に製油所や化学工場を高い位置から見渡せる(安全運転に注意)。

(2)標準~望遠レンズを持参

工場との距離感が撮影場所によって大きく異なるので、70~300mm前後の望遠レンズでの撮影が中心となる。逆に高石市側は工場に近寄れるので、24~70mm前後の標準レンズを用意したい。もちろん、望遠レンズの使用に耐えられるだけの丈夫な三脚も忘れず。

(3)空気の澄んだ秋~冬がベスト

高石市の高砂1~2丁目付近の工場夜景スポットは工場と距離が近いため、気象条件の影響を受けにくいが、堺市側の工場夜景スポットは、工場と距離があるため、空気の澄んだ時期が望ましい。

(4)特別スポットはツアーの参加が必須

日鉄建材(株)津波避難タワーなど特別スポットは、撮影バスツアーなどへの参加が必須。商工会などのホームページにツアー情報が掲載されている場合がある。

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■撮影スポット(1)築港浜寺西町

海を挟んで、対岸に化学工場が撮影できる撮影ポイントで飛び地になっている。工場とは距離が離れているため、観賞メインでは迫力に欠けるが、望遠レンズがあれば、遠くに見える化学工場をきれいに写せる。夜間は車通りも少なく、静かな環境で工場夜景撮影が楽しめるはずだ。(地図

写真4 対岸の煙突とガスタンク群を写す

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[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:TAMRON SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD / 焦点距離:191mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:8秒 / 絞り数値:F10 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

写真5 オイルタンク群を写す

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[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:TAMRON SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD / 焦点距離:124mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:8秒 / 絞り数値:F10 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(2)築港新町

工場と距離がある堺市の中で、特に工場と距離が近い撮影ポイント。望遠レンズが欠かせないが、構図によっては標準レンズでも絵になる作品が撮れる。歩道から安全に撮影できるが、目の前に草が茂っているので、夏場よりは秋~冬に訪れた方が、クリアな視界で撮影できる可能性が高い。(地図

写真6 コスモ石油・堺製油所を写す

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[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:TAMRON SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD / 焦点距離:114mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:8秒 / 絞り数値:F9 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(3)築港新町はまはこべ公園

ヤシの木が植えられた小さな公園。コスモ石油のプラントを見渡せるが、視界は狭く、写真の構図も限られる。ただ、プラントの形が特徴的なので、撮影する価値は十分にあるだろう。(地図

写真7 ヤシの木の間に見えるコスモ石油のプラントを写す

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[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:TAMRON SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD / 焦点距離:135mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:6秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(4)築港新町はまなでしこ公園

テニスコートが整備された開放感ある公園。やや距離が離れているが、コスモ石油のプラントが見渡せる。望遠レンズが必須だが、南方向には廃棄物のリサイクル工場のプラントが見渡せる。(地図

写真8 煙突とプラントを写す

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[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:TAMRON SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD / 焦点距離:124mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:8秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(5)石津漁港

堤防からJXTGエネルギー堺製油所のプラントや新浜寺大橋が見渡せる。製油所とは距離が離れているが、水面に反射したプラントの光も美しい。(地図

写真9 JXTGエネルギー堺製油所を写す

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[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:TAMRON SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD / 焦点距離:183mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:6秒 / 絞り数値:F9 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

写真10 新浜寺大橋を写す

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[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:TAMRON SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD / 焦点距離:84mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:15秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(6)高砂2丁目

高石市を代表する工場夜景スポットで、現在は門の付近に案内板が設けられているようだ。門の付近から、間近に製油所のプラントが眺められ、見る分にも十分過ぎるほど迫力がある。1つ目の作例はあえて離れた場所から、車の光跡を入れて写している。(地図

写真11 大阪国際石油精製のプラントと車の光跡を写す

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[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:CANON EF24-70mm F4L IS USM / 焦点距離:24mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:6秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

写真12 黄色が特徴的なプラントを写す

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[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:CANON EF24-70mm F4L IS USM / 焦点距離:55mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:10秒 / 絞り数値:F10 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(7)高砂1丁目・歩道橋

高砂2丁目の撮影ポイントの手前にあり、かなりマニアックな撮影ポイント。歩道橋からは見晴らしが良く、木々が視界を遮ることなく、製油所のプラントが見渡せる。100~150mm前後の焦点距離をカバーできるレンズであれば、迫力ある写真が撮れるだろう。(地図

写真13 歩道橋から製油所のプラントと煙突を写す

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[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:TAMRON SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD / 焦点距離:92mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:8秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

写真14 歩道橋と製油所を写す

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[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:CANON EF16-35mm F4L IS USM / 焦点距離:16mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:10秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■今月のお勧め夜景スポット「泉大津PA」

泉大津PAのビル内にある夜景スポット。以前は「パノラマルーム」の名称で360度の眺望が楽しめたが、2019年8月にカプセルホテルがオープンし、現在は北方向に展望所が設けられており、高速道路を走る車や市街地の明かりが見渡せる。遠くには高石市・堺市の工場が見渡せ、200~300mm前後の望遠レンズがあれば工場夜景も撮影できるはずだ。

泉大津PA
営業時間:24時間
所在地:大阪府泉大津市なぎさ町6-1
アクセス:11階の展望所(HOSTEL 02内)
料金:展望所は入場無料(高速道路の通行料金は別途必要)
URL:HOSTEL 02

写真15 望遠レンズで堺泉北臨海工業地帯を写す

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[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:TAMRON SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD / 焦点距離:228mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:13秒 / 絞り数値:F9 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

岩崎拓哉
著者について
■ 夜景写真家 岩崎 拓哉 ■1980年生まれ。大阪府出身、神奈川県在住。法政大学経済学部卒。 2003年より夜景写真家を志し、日本全国や海外で夜景を撮影。 Webエンジニアの経験も活かし、「夜景INFO」などの夜景専門サイトを立ち上げる。カメラ雑誌の原稿執筆、夜景撮影の講師経験も豊富。総合・国内旅行業務取扱管理者の資格も持つ。 著書に「プロが教える夜景写真 撮影スポット&テクニック(日経ナショナルジオグラフィック社)」「夕景・夜景撮影の教科書(技術評論社)」。
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