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夜景写真家・岩崎拓哉の夜景撮影講座 第80回 富山パノラマ夜景の撮り方(前編)

Posted On 2023 9月 27
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Photo : Takuya Iwasaki

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今月の「 岩崎拓哉の夜景撮影講座 」は「 富山パノラマ夜景の撮り方(前編) 」をお届けします。初の北陸地方の特集となります。 by 編集部<本記事は 2023 年 10 月現在の情報です。訪問した時期により状況が記事内容と異なる場
合がございます。>

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8月後半に入り、まだまだ猛暑日が続きますが、今年は4年ぶりに花火が開催された場所も多く、各地で盛り上がりを見せているようです。本記事では、昨年の11月に訪問した富山県内の夜景スポットをパノラマ(前編)とベイエリア&工場(後編)に分けて解説いたします。北陸3県で最も夜景スポットが充実している富山県の夜景をご覧下さい。

写真1 富山市役所 展望塔からの夜景(西方向)

[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: RF14-35mm F4L IS USM / 焦点距離:15mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:6秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]

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■富山県の特徴

富山県は人口104.5万人の県で、新潟県・長野県・岐阜県・石川県と隣接している。観光地としては立山アルペンルートや黒部渓谷が有名で、ブリなどの新鮮な魚介類も楽しめる。市街地が県内北部に集中していることから、人口規模以上に見応えのある夜景が楽しめる。

写真2 富山県の地図

富山県は北陸3県の中で最も面積が広い割には、コンパクトに見えて移動がしやすい。富山市の面積の大きさが目立つ。(地図:CraftMap

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■富山の夜景撮影のポイント

富山県内は北陸地方の中でも特に夜景のバリエーションが広く、パノラマ・ライトアップ・工場など多岐に渡るシーンで夜景撮影を楽しめるため、1晩では回りきれない。1日目は山間部、2日目はベイエリアなど、エリアを分けて、最低でも2~3日は夜景撮影を楽しみたい。

写真3 稲葉山 展望広場の駐車場

車を停めて夜景を観賞できる場所が多く、夜景ドライブを楽しむカップルも多い。

(1)市街地を除いて車移動が基本

富山市役所や富岩運河環水公園、新湊大橋等へは電車だけでアクセスできるが、山間部や工場夜景スポットへは車移動がマスト。

(2)12~2月は降雪シーズン

毎年、冬の時期は降雪シーズンとなるため、特に山間部への車移動が難しくなる。そのため、11月までが夜景撮影に適した時期と言える。

(3)交換レンズは広角・標準・望遠の3本がおすすめ

夜景撮影のシーンが幅広いため、橋のライトアップを間近で撮るなら広角レンズ、工場をアップで撮るなら望遠レンズが必要になる。なるべく3本のレンズを用意したい。

(4)昼間のロケハンをしっかり

富山県内は特に山間部から夜景を見渡す場所が充実しており、土地勘が無いといきなり夜間に現地を訪問しても、迷子になる可能性がある。ナイトハイクが必要とされる場所は少ないが、昼間の景色も素晴らしいので、時間に余裕があればロケハンも兼ねて昼間の撮影も楽しんで欲しい。

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■撮影スポット(1)富山市役所展望塔

地上70mの位置にある展望施設で、日中は天気が良ければ立山連峰が見渡せる名所。展望塔からは360度の眺望が見渡せ、市街地の中心地にあることから、光量ある夜景が楽しめる。なお、展望室はガラス越しになっているため、映り込み対策が必要。(地図

写真4 富山市街地を写す(南側)

[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: RF14-35mm F4L IS USM / 焦点距離:25mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:15秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(2)風の城

標高345メートルの猿倉山山頂に「風の城」と呼ばれる展望施設があり、富山市内のパノラマ夜景が楽しめる。駐車場から約450段もの階段を上がる必要があり、訪問時のハードルは高いが、苦労に見合うだけの夜景が期待できる。市街地から離れているため、光量はそれほど多くないので、望遠レンズの活用も良さそうだ。(地図

写真5 神三ダム方面を写す

[ ボディ:CANON EOS 6D Mark2 / レンズ: EF24-70mm F4L IS USM / 焦点距離:53mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:30秒 / 絞り数値:F9 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(3)呉羽山公園 展望台

富山市街地から比較的近い場所にあり、駐車場もあることから、週末は特に多くの若者・カップルで賑わう。展望台からは、富山市内の夜景が見渡せる。横に広がりのある景色だが、奥行き感はそれほど無いので、広角より標準域での撮影がおすすめ。(地図

写真6 富山市内中心部を写す

[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: RF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:53mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:13秒 / 絞り数値:F9 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(4)牛岳パノラマ展望台

牛岳温泉スキー場の奥にある展望台で、富山西ICから50分ほど離れた場所にある。市街地と離れた場所にあるため、光量は少なく感じられるが、パノラマ感ある夜景の迫力には圧倒される。作例のように月明かりと一緒に街明かりを写すような構図も良いだろう。(地図

写真7 月明かりと富山市内の夜景を写す

[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: RF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:43mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:13秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:640 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(5)閑乗寺公園 散居村展望広場

キャンプ場やバーベキュー施設などが充実した公園で、展望広場からは、市街地の街明かりだけでなく、キャンプ場の温かみのある灯りが広がる。駐車場からも、3分ほど離れた場所にある展望台からも夜景が見渡せ、撮影だけでなく、夜景観賞にもおすすめしたい。(地図

写真8 キャンプ場の明かりと富山市内を写す

[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: RF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:45mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:30秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(6)稲葉山 展望広場

標高346mの稲葉山には展望広場があり、車内からも夜景が見えるためか、カップルにも人気がある。広場からは、小矢部市内を中心とした夜景が見渡せる。なお、展望広場からは電線が映り込むため、駐車場の方が夜景がキレイに写せる。(地図

写真9 小矢部市内の夜景を写す

[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: RF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:85mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:10秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:640 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(7)二上山

高岡市では有名な夜景スポットで、駐車場から徒歩数分の場所から高尾市内を中心とした夜景が見渡せる。日本ゼオン 高岡工場なども見渡せるため、望遠レンズを使えば工場を画面全体に写すことも可能だ。(地図

写真10 高岡市の夜景を写す

[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: RF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:105mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:13秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(8)宮野運動公園 宮野山展望台

スポーツ施設が充実した公園で、さくらの名所としても知られている。公園の奥には展望台があり、北陸新幹線の黒部宇奈月温泉駅が正面に見渡せ、掲示されている時刻表を参考にすれば、北陸新幹線の光跡も撮影できる。(地図

写真11 北陸新幹線の光跡を写す

[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: RF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:42mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:15秒 / 絞り数値:F9 / ISO感度:640 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(9)国見平

「国見ヒュッテ」と呼ばれる無料休憩所の向かいにある展望台で、砺波平野の夜景を広範囲に見渡せる。標高が694mもあることから、迫力ある夜景が楽しめる。市街地とは距離があるため、標準~中望遠レンズでの撮影がおすすめ。なお、現地までの道のりは険しいため、昼間にロケハンをしておくと安心(地図

写真12 砺波市内の夜景を写す

[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: RF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:67mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:25秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(10)白兀平ヒュッテ

白兀平ヒュッテ(しらはげだい)は国見平より標高が高い(約850m)場所にあり、山小屋の上に展望台がある。展望台からは砺波平野だけでなく、金沢方面の夜景も見渡せ、一度に2方向の夜景が見渡せる。いずれの方向も街明かりとは距離があるため、標準~中望遠レンズでの撮影が望ましい。(地図

写真13 金沢方面の夜景を写す

[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: RF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:74mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:10秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:640 / WB:白色蛍光灯 ]

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著者について
■ 夜景写真家 岩崎 拓哉 ■1980年生まれ。大阪府出身、神奈川県在住。法政大学経済学部卒。 2003年より夜景写真家を志し、日本全国や海外で夜景を撮影。 Webエンジニアの経験も活かし、「夜景INFO」などの夜景専門サイトを立ち上げる。カメラ雑誌の原稿執筆、夜景撮影の講師経験も豊富。総合・国内旅行業務取扱管理者の資格も持つ。 著書に「プロが教える夜景写真 撮影スポット&テクニック(日経ナショナルジオグラフィック社)」「夕景・夜景撮影の教科書(技術評論社)」。