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夜景写真家・岩崎拓哉の夜景撮影講座
第62回 明石海峡大橋のライトアップ夜景の撮り方

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Photo : Takuya Iwasaki

TOPIX

今月の「 岩崎拓哉の夜景撮影講座 」は明石海峡大橋のライトアップ夜景を取り上げました。新型コロナの影響で外出もままならない状況でございますが、撮影できる日を心待ちにし、記事を更新したいと思います。ぜひ、県境を越えての移動に制限が解除されましたら本記事を参考に撮影をお楽しみいただければ幸いです。 by 編集部

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これまで、「第50回(山編)」「第51回(街編)」「第52回(海編)」で全3回に渡って神戸夜景の撮り方を解説しましたが、今月は同じ兵庫県内でテーマを変えて、明石海峡大橋に特化した撮影のポイントを解説します。明石海峡大橋の撮影スポットは神戸・明石・淡路島等に多数あり、距離間や高度の違いを活かし、様々なシーンで撮影を楽しめます。そこで今回は、定番の舞子公園から、上級者向けの須磨アルプス(高倉山など)の撮影スポットを厳選して紹介したいと思います。

写真1 トワイライトタイムに明石海峡大橋を写す

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[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ: CANON EF16-35mm F4L IS USM / 焦点距離:35mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:15秒 / 絞り数値:F9 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]

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■明石海峡大橋の特徴

1998年に開通した明石海峡大橋は全長3,911mの吊り橋で世界最長と言われている。「パールブリッジ」の愛称があり、曜日や時間帯によってライトアップカラーの変化が楽しめる。撮影スポットは神戸市・明石市・淡路市がメインとなるが、気象条件が良ければ、大阪方面からでもはっきり見えるほどの存在感がある。

写真2 神戸市・明石市・淡路市の地図

明石海峡大橋地図

明石海峡大橋が開通したおかげで、淡路島・徳島方面へのアクセスが飛躍的に改善された。ライトアップされた橋の観賞や撮影も良いが、夜景ドライブもおすすめ。(地図:CraftMap

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■明石海峡大橋の夜景撮影のポイント

明石海峡大橋は神戸・明石側から撮影するか、淡路島側から撮影するかで訪問手段が変わってくるが、舞子公園などは電車で訪問しやすい場所にある。撮影は特段難しくないが、一晩でたくさんの夜景スポットを訪問するなら、日没の早い秋~冬を狙うか、昼間にロケハンしておくとスムーズに夜景スポットを巡れる。なお、高倉山・栂尾山はナイトハイクが必要な中上級者向けスポットとなるため、懐中電灯の持参はもちろん、明るい時間帯からのロケハンがおすすめ。

写真3 明石海峡大橋と山陽電鉄本線「人丸前駅」を写す

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明石海峡大橋の撮影スポットは電車だけで訪問出来る場所が少なくない。写真の中心に写っている駅は山陽電鉄本線の人丸前駅。

(1)訪問前にライトアップスケジュールを確認

JB本四高速」の公式サイトにて明石海峡大橋のライトアップスケジュールが確認できる。大まかには平日は23時まで、土日祝は24時まで点灯すると覚えておくと良い。

(2)撮影は季節を問わずオールシーズン楽しめる

山間部から遠くに見える明石海峡大橋を撮影する場合は秋~冬の空気が澄んだ時期がベストシーズンになるが、舞子公園などから近距離で撮影する場合は、気象条件の影響を受けにくい。

(3)公共交通機関と車の両方でアクセスできる場所が多い

舞子公園や明石藩舞子台場跡、大蔵海岸などは電車と徒歩でも訪問しやすい。ただし、淡路島の夜景スポットは車での訪問が前提になる。

(4)明石海峡大橋との距離間で交換レンズを使い分ける

舞子公園など近距離からの撮影であれば広角レンズ、高倉山など遠方からの撮影は望遠レンズの使用が適切。

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■撮影スポット(1)舞子公園/神戸市垂水区

明石海峡大橋を最も間近で見渡せ、最寄りのJR舞子駅から徒歩圏にある夜景スポット。同じ公園内でも、明石海峡大橋の西側と東側で見え方が異なり、作例は東側の旧武藤山治邸付近から撮影している。明石海峡大橋は意外と光量が少ないため、長時間露光が必須で、水面に反射する明かりも綺麗に写すには、できるだけ20~30秒はシャッターを開けたいところ。また船の往来も多いので、船の光跡を入れたい場合と入れたくない場合でシャッターを切るタイミングも変わってくる。(地図

写真4 レインボーカラーの明石海峡大橋を写す

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[ ボディ:CANON EOS 6D MarkII / レンズ: TAMRON SP 35mm F/1.8 Di VC USD / 焦点距離:35mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:30秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]

写真5 明石海峡大橋の主塔を中心に写す

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[ ボディ:CANON EOS 6D MarkII / レンズ: TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 / 焦点距離:63mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:30秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(2)明石藩舞子台場跡/神戸市垂水区

舞子公園の西側にある砲台跡で、砲台は一度も使われることも無く、当時の面影はほとんど残っていない。夜景スポットとして知られているわけではないが、前方には明石海峡大橋が見渡せ、淡路サービスエリアの明かりも見える。訪問者もほとんどいないので、ゆったりと撮影するには良いロケーション。舞子公園と合わせての訪問もおすすめ。(地図

写真6 淡路島と明石海峡大橋を写す

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[ ボディ:CANON EOS 5D MarkII / レンズ: SIGMA 50mm F1.4 EX DG HSM / 焦点距離:50mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:30秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(3)大蔵海岸/明石市

海岸の雰囲気が良いことから、デートスポットとしても有名。明石海峡大橋とは少し距離が離れているが、広角レンズや標準レンズがあれば、橋の全景を撮影できる。休日は訪問者が多いが、海岸が広いので、混雑感を感じることも無いだろう。(地図

写真7 フットライトで照らされた海岸と明石海峡大橋

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[ ボディ:CANON EOS 5D MarkII / レンズ: CANON EF17-40mm F4L USM / 焦点距離:28mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:15秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(4)淡路サービスエリア/淡路市

神戸側から明石海峡大橋を渡ってすぐの場所にあるサービスエリアで、上下線はハイウェイオアシスを通じて繋がっているため行き来ができる。上り側と下り側それぞれに展望広場があり、明石海峡大橋や神戸方面の街明かりを撮影できる。下り側の方が若干、明石海峡大橋が近く感じるが、上り線は写真9のように光跡を絡めた撮影等もできる。また、ハイウェイオアシスからは明石海峡大橋と観覧車を撮影できる。(地図・上り)(地図・下り

写真8 明石海峡大橋を写す(下り)

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[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ: TAMRON SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD / 焦点距離:100mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:10秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

写真9 車の光跡と明石海峡大橋を写す(上り)

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[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ: CANON EF16-35mm F4L IS USM / 焦点距離:35mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:20秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(5)道の駅あわじ/淡路市

舞子公園のように、明石海峡大橋の真下に整備された広場。ほど良い距離から明石海峡大橋を撮影でき、広角レンズだけでなく、標準レンズや望遠レンズを使った撮影も楽しめるはずだ。淡路サービスエリアよりも撮影がしやすいので、淡路島を訪れた時に時間に余裕があるなら、合わせて立ち寄るのもおすすめ。(地図

写真10 パープル色に輝く明石海峡大橋を写す

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[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ: CANON EF16-35mm F4L IS USM / 焦点距離:28mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:4秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:800 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(6)高倉山/神戸市須磨区

須磨アルプスの中でも特に有名な山で、通称「おらが山」の名前でも知られている。山頂には「おらが茶屋」と呼ばれる、喫茶店があり、屋上が展望台として開放されている。展望台からは大阪神戸方面の街明かりだけでなく、須磨区の住宅街の明かりや明石海峡大橋も遠くに見渡せる。明石海峡大橋とは距離が離れているため、街明かりを一緒に写す構図がおすすめ。なお、高倉山付近は駐車場が無く、最寄り駅からも遠いため、登山道の入口まではバスやタクシーの利用を検討する必要がある。もちろん懐中電灯などの装備はお忘れなく。(地図・展望台)(地図・入口

写真11 明石海峡大橋の夕景

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[ ボディ:CANON EOS 6D MarkII / レンズ: TAMRON SP 35mm F/1.8 Di VC USD / 焦点距離:35mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:13秒 / 絞り数値:F10 / ISO感度:400 / WB:くもり ]

写真12 明石海峡大橋と街明かりを写す

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[ ボディ:CANON EOS 6D MarkII / レンズ: CANON EF24-105mm F3.5-5.6 IS USM / 焦点距離:90mm / 撮影モード:絞り優先AE(±0) / シャッター速度:8秒 / 絞り数値:F9 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(7)栂尾山(とがおさん)/神戸市須磨区

高倉山よりも北東寄りに位置する山で、明石海峡大橋とは距離があるが、大阪・神戸方面の夜景も美しい。写真13のように明石海峡大橋をアクセントに街明かりを中心に写した方が、個性的な写真が撮れる。夜景のスケールは六甲山に迫るぐらいの規模だが、登山道を登る必要があり、昼間に下見をしたり、現地に慣れた人との同行が望ましい。山頂まで登る自信が無い場合は、山頂に向かう途中の階段付近からでも、まずまずの夜景が楽しめるだろう。なお、高倉山と同様、付近には駐車場がないため、訪問時は路線バスやタクシーなどの活用を検討する必要がある。(地図・展望台)(地図・入口

写真13 高倉台の街明かりと明石海峡大橋を写す

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[ ボディ:CANON EOS 6D MarkII / レンズ: CANON EF16-35mm F4L IS USM / 焦点距離:22mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:25秒 / 絞り数値:F10 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]

写真14 淡路島と明石海峡大橋を写す

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[ ボディ:CANON EOS 6D MarkII / レンズ: CANON EF24-105mm F3.5-5.6 IS USM / 焦点距離:77mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:15秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■今月のお勧めスポット「須磨浦山上遊園」

須磨アルプスにある鉢伏山と旗振山の山頂一帯に広がる公園で、遊園地と植物園がある。ロープウェイなどの営業は原則日中に限られるが、毎年夏に夜間営業を行う日があり、その日限りの貴重な夜景が楽しめる。厳密にはロープウェイなどを利用しなくても訪問できるが、ナイトハイクが必要なため、夜間営業日を狙った方が安心。明石海峡大橋の全景を撮るなら、70~100mm前後の焦点距離が必要。トワイライトタイムが狙い目なので、混雑も考慮して夕暮れ前には現地に到着したい。

須磨浦山上遊園
営業時間:夜間営業は日時限定
所在地:兵庫県神戸市須磨区西須磨
アクセス:山容電車「須磨浦公園駅」下車すぐ
料金:ロープウェイ・カーレーター・展望閣の入場料がセットで1,200円
URL:http://www.sumaura-yuen.jp/price/

写真15 垂水区の街明かりと明石海峡大橋を写す

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[ ボディ:CANON EOS 40D / レンズ: SIGMA 55-200mm F4-5.6 DC  / 焦点距離:55mm / 撮影モード:絞り優先AE(-1) / シャッター速度:10秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:200 / WB:色温度(4400K) ]

岩崎拓哉
著者について
■ 夜景写真家 岩崎 拓哉 ■1980年生まれ。大阪府出身、神奈川県在住。法政大学経済学部卒。 2003年より夜景写真家を志し、日本全国や海外で夜景を撮影。 Webエンジニアの経験も活かし、「夜景INFO」などの夜景専門サイトを立ち上げる。カメラ雑誌の原稿執筆、夜景撮影の講師経験も豊富。総合・国内旅行業務取扱管理者の資格も持つ。 著書に「プロが教える夜景写真 撮影スポット&テクニック(日経ナショナルジオグラフィック社)」「夕景・夜景撮影の教科書(技術評論社)」。
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