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夜景写真家・岩崎拓哉の夜景撮影講座
第50回 日本三大夜景で知られる神戸夜景の撮り方【山編】

Posted On 22 1月 2019
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Photo : Takuya Iwasaki

TOPIX

夜景写真家・岩崎拓哉の夜景撮影講座は第50 回目を迎えることができました。丸4年が経過し5年目に入る息の長いコンテンツとなりました。長期に渡りご支援をいただきましてありがとうございます。記念すべき50回目の更新は「 神戸夜景の撮り方 【 山編 】」です。それではお楽しみください。 by 編集部

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新年明けましておめでとうございます。2019年度も全国の夜景撮影スポットの解説記事を中心に執筆していきたいと思います。第50回目となり、今年1回目の記事は、これまでに取り上げて来なかった神戸の夜景を3回(山・街・海)に分けて解説します。神戸と言えば古くから「日本三大夜景」「1,000万ドルの夜景」で知られており、特に摩耶山から眺める夜景の美しさは日本一とも言えるほどで、私も摩耶山の夜景を日本一と評価しています。今回は摩耶山・六甲山からの撮影のポイントや作例解説を中心に取り上げたいと思います。

写真1 市章山からの神戸夜景

市章山からの夜景

写真は六甲山系にある「市章山」の展望台から撮影。摩耶山や六甲山より低い位置から街灯りが見渡せる。以前は車で楽にアクセスできたが、駐車場が閉鎖されてからはナイトハイキングが必要な上級者向けスポットになってしまった。

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■神戸の特徴

兵庫県神戸市は人口約150万人の政令指定都市で街が山と海で囲まれており、古くから夜景が美しい街として知られている。観光ガイドブックでも必ず夜景スポットが紹介されるほど人気があり、夜景の美しさは1000万ドルの夜景と称されるほど。東京や横浜に比べて山間部が近いため、山からのパノラマ夜景が美しく、逆に市街地や海側からも夜景が楽しめ、夜景スポットの数は数え切れないほど。

写真2 神戸市を中心とした地図

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六甲山系の中に数多くの夜景スポットがあり、須磨エリアにも高倉山などの夜景スポットがあるが、付近に駐車場が無く、アクセスは難しい。山間部からの夜景を楽しむなら、摩耶山と六甲山がおすすめ。市街地の夜景スポットは中央区~灘区、ベイエリアの夜景は中央区に集中する。

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■神戸・山間部の夜景撮影のポイント

第1弾は山からの夜景を解説するが、海側と山側でも撮影に適した時期や移動手段などが異なってくる。六甲山系は観光地化が進んでおり、ケーブルカーなどの公共交通機関でもアクセスできるが、機材を持っての移動を考えると車の方がスムーズ。車道はほとんど舗装されているため、凍結などに注意すれば初心者でも運転は難しくないはずだ。

写真3 車で天覧台を訪問

駐車場の雰囲気

天覧台の駐車場の雰囲気。駐車場からも夜景が見えることも。六甲ガーデンテラス、摩耶山には有料駐車場がある。

(1)秋~冬のベストシーズンがおすすめ

標高600~900mの山間部からの撮影がメインとなるため、空気の澄んだ秋~冬がベストシーズン。ただし、春~夏であっても雨上がりなどピンポイントで視界がクリアになることも。

(2)1日で複数のスポットを巡るなら車移動がおすすめ

摩耶山はケーブルカー&ロープウェイ、六甲山はケーブルカーで訪問できるが、夜景スポット間の移動が公共交通機関では限りがあるため、1日で摩耶山と六甲山を巡るような場合は車での移動をおすすめ。

(3)真冬は道路の凍結に注意

関西圏は東京圏に比べて気候が温暖で、雪も降りにくいが、六甲山の道路は真冬になると凍結することがあるので、車での訪問はチェーン持参かスタッドレスタイヤが無難。

(4)機材は広角~標準ズームレンズ、安定感ある三脚、懐中電灯を持参

撮影テクニック的には特段難しくないが、フルサイズ換算で24~70mmクラスの標準ズームレンズがあると万能的に撮影できる。もう1本レンズを持参するなら望遠レンズより広角レンズが良いだろう。山間部は風の影響を受けやすいので、できるだけ重量感・安定感ある三脚を用意したい。また、摩耶山など駐車場から離れた展望台もあるので、懐中電灯も持参しよう。

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■撮影スポット(1):摩耶山 掬星台

函館・長崎に並ぶ日本三大夜景で最も光量が多く、夜景写真家岩崎が自信を持っておすすめする夜景スポット。六甲山より標高が低く、街灯りが近く感じられ、大阪~神戸まで大パノラマが広がる。撮影時の注意点としては、展望台が混雑しているとデッキに振動が伝わって、ブレることがあるので、訪問者が少ないタイミングにシャッターを切ると安心。広角レンズで全景を写すのもいいが、余白が目立ってしまうため、標準レンズとの相性が良い。駐車場からやや暗い道を10分少々歩くので、懐中電灯を持参したい。(地図

写真4 六甲アイランドを中心に写す

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[ ボディ:CANON EOS 6D MarkII / レンズ:EF24-70mm F4L IS USM / 焦点距離:44mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:10秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(2)天覧台

六甲山系の夜景スポットの中で最も公共交通機関でアクセスしやすく、ケーブルカーを降りてすぐに展望台がある。展望台からは六甲アイランド・神戸ポートアイランドを中心に視界が広がり、過去に昭和天皇が来訪されたことから天覧台の名が付けられている。西向きの視界が広いため、トワイライトタイムの撮影にもおすすめ。(地図

写真5 神戸ポートアイランドを中心に写す

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[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:EF16-35mm F4L IS USM / 焦点距離:32mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:8秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(3)六甲ガーデンテラス

国内でも屈指の夜景レジャー施設。見晴らしの塔やデッキ、六甲枝垂れ展望台から1000万ドルの夜景が楽しめ、お土産ショップやレストランなども充実していて、家族連れで訪問しても、家族を飽きさせる心配も少ない。夜景だけを写すのもいいが、作例のように広角レンズでテラスの雰囲気を写すのも良いだろう。(地図

写真6 六甲ガーデンテラスと神戸夜景

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[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:EF16-35mm F4L IS USM / 焦点距離:24mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:15秒 / 絞り数値:F9 / ISO感度:320 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(4)天狗岩

六甲山の夜景スポットの中でも知る人ぞ知る穴場スポット。以前は視界が狭かったが、ここ数年間は視界が良くなっており、天覧台や六甲ガーデンテラスに並ぶ美しい夜景が見渡せる。ただし、駐車スペースから広場までは真っ暗(徒歩約2分・懐中電灯必須)で、岩に上ると危険なので、安全面には十分注意しよう。初心者は天覧台や六甲ガーデンテラスからの夜景がおすすめ。(地図

写真7 神戸ポートアイランド・神戸空港方面を写す

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[ ボディ:CANON EOS 6D MarkII / レンズ:EF16-35mm F4L IS USM / 焦点距離:70mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:8秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(5)鉢巻展望台

六甲山の夜景スポットでは最も標高が低く、視界もそれほど広くないが、市街地から車でアクセスがしやすく、手軽に夜景を楽しめる。六甲アイランド方面の見晴らしが良いので、標準レンスや望遠レンズで街灯りを切り取るような形で撮影するのも良いだろう。(地図

写真8 六甲アイランドを中心に写す

鉢巻展望台

[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:EF24-70mm F4L IS USM / 焦点距離:57mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:25秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]

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■今月のお勧め夜景スポット「六甲山記念碑台」

裏六甲ドライブウェイの入口付近にある展望台。六甲山ビジターセンターに併設されていて、登山客が求刑に訪れることも多い。展望台からは視界は狭いものの、神戸ポートアイランド・神戸空港を中心に大阪湾を一望できる。作例のように広角レンズで撮ると手前の木々が目立ってしまうため、作品として撮るなら望遠レンズを持参しよう。

六甲山記念碑台
営業時間:駐車場は夜間(21時頃?)閉鎖
所在地:兵庫県神戸市灘区六甲山町北六甲123
アクセス:阪急六甲駅から車で約20分
料金:無料
URL:https://www.nightview.info/yakei/detail/rokkou_kinenhidai/

写真9 大阪湾を中心に神戸ポートアイランド方面を写す

六甲山記念碑台の夜景

[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:EF16-35mm F4L IS USM / 焦点距離:35mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:10秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:640 / WB:白色蛍光灯 ]

岩崎拓哉
著者について
■ 夜景写真家 岩崎 拓哉 ■1980年生まれ。大阪府出身、神奈川県在住。法政大学経済学部卒。 2003年より夜景写真家を志し、日本全国や海外で夜景を撮影。 Webエンジニアの経験も活かし、「夜景INFO」などの夜景専門サイトを立ち上げる。カメラ雑誌の原稿執筆、夜景撮影の講師経験も豊富。総合・国内旅行業務取扱管理者の資格も持つ。 著書に「プロが教える夜景写真 撮影スポット&テクニック(日経ナショナルジオグラフィック社)」「夕景・夜景撮影の教科書(技術評論社)」。
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