萩原和幸 流
サムヤンレンズ使い倒し術 第16回
SAMYANG AF50mm F1.4 FE
写真と文:萩原 和幸
TOPIX
本サイトでお馴染みの写真家・萩原和幸が、高コストパフォーマンスで写真好きの耳目を集め始めているサムヤンレンズをトコトン使い倒す「 萩原和幸流サムヤンレンズ使い倒し術 」。豊富なラインナップを誇るサムヤンレンズから、萩原氏がお気に入りの一本を選んでスナップ、ネイチャー、ポートレートなどなどで使い倒した生々しいレビューを月1でお届けしています。今回取り上げたのは、ミラーレスカメラの特性を活かした専用設計により、優れた光学特性を実現した開放絞り F1.4 のフルサイズ対応単焦点 50mm AFレンズ「 SAMYANG AF50mm F1.4 FE 」です。それではお楽しみください。 by 編集部 |
Index
■ サムヤンの気概が感じられるレンズ
第16弾は「AF50mm F1.4 FE」。現在サムヤンでラインナップされているAFのフルサイズ対応レンズは計6本。本レンズの他、ソニーEマウントでは前回紹介したAF 14mm F2.8 FE、AF24mmF2.8 FE、AF35mmF2.8 FE。そしてキヤノンEFマウントのAF 14mm F2.8 EFとAF 85mm F1.4 EFだ。
今回のAF50mm F1.4 FEは、マニュアルフォーカスレンズを数多くラインアップするサムヤンから初めて登場したAFレンズだ。初のAFレンズに標準レンズである50mmを選んだことからも、かなりの力が入っていることがうかがえる。ましてや開放値F1.4ともなれば、50mmレンズの長い歴史の中で、もっともスタンダードな開放値として認知されている”領域”だ。それゆえにメーカーを問わず、ユーザーから厳しい目にさらされる訳だが、それでもこのスペックを選択したサムヤンのAFに対する気概が感じられる。AF50mm F1.4 FEは、それだけ完成度の高さが期待されるレンズだ。
そもそもサムヤンの“50mm”に対するこだわりは凄いものがある。本レンズであるAF50mm F1.4 FEの他、フルサイズ対応のもので50mm F1.4 AS UMC、XP50mm F1.2もラインナップ。50mmというユーザーが一番求めている画角に各タイプで応えている。もちろん筆者自身も50mmには強いこだわりがあり、それだけにかなり厳しい目で描写や使い勝手を見てしまう。
このAF50mm F1.4 FEは、デザインはAFレンズシリーズと統一されており、ソニーαシリーズにはぴったりだ。バランスはとてもよく、右手でカメラを握り、左手で下からそっと添えると、しっくりとフィットする。まさにベストな大きさ。ソニーαシリーズを意識したのかなといつも思うオレンジのラインがカメラとマッチして、これがカッコいい。
レンズ構成は8群9枚。非球面レンズを3枚採用し、UMCコーティングが施されている。
絞り羽根は9枚。フィルター径は67mm。重量は585g。
撮影に使ったカメラはソニーα7R III。AFの駆動音はやや大きいが、速度自体はストレスを感じさせない。
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■ スナップで試してみた
では早速撮影に出掛ける。普段使いのぶらぶらスナップを中心に、持ち歩くことを念頭においてレビューしてみた。
本文中の 実画像 の文字をクリックするとカメラで撮影した実際の画像が別ウインドウで表示されます。容量が大きいのでモバイル端末での表示に注意してください。サムネイル画像をクリックするとリサイズした画像がポップアップ表示されます。
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■ 総評
純正品はとかく金額が張るソニーEマウントレンズだが、コストパフォーマンスに優れたサムヤンレンズの中で、AFシリーズのEマウントレンズは多くの方にお使い頂きたいと常々感じている。純正品との価格差を、例えば撮影の機会に充てるとか、アクセサリーに投資するとか、別のものに用立てることができるからだ。AF50mm F1.4 FEの描写は申し分なく、描写そのものはとても素直で、被写体をまっすぐに引き出してくれる。テイスティングという言葉で表すと「癖のない」レンズであり、この価格で50mmの開放F1.4を入手できるので、「まずは使ってみるか」という気持ちにさせてくれるレンズだ。
最初に述べたが、50mmという画角は”激戦区”というよりも”聖域”に近いが、「ソニーEマウントで50mmレンズを使い倒す!」と言う意味では、このレンズはオススメだ。
■ 制作・著作 ■
スタジオグラフィックス
萩原 和幸