柴田誠のフォトレポCP+2018 レポート #02
CP+2018閉幕 ~ これからのCP+はどうなっていくのか
TOPIX
3月1日(木)〜 4 日(日)の4日間、横浜のパシフィコ横浜と大さん橋ホールで開催されたCP+2018( http://www.cpplus.jp/ )。様々な新しい試みを行なっているものの、今年も目標としている7万人には届かなかった。これからのCP+はどうなっていくのだろうか。前回に引き続き柴田誠のレポートで後編をお届けします。 by 編集部 |
■ 新製品の発表を意識し始めた CP+
開催前に各社から新製品が発表され、会場で初めて触れることのできる新製品が例年よりも多かったのが今年の CP+ の特徴の一つ。CP+ で発表されたワールドプレミアムアワードのノミネート機種は、レンズ交換式カメラ部門で 6 機種、交換レンズ部門で 4 機種、フォトアクセサリー部門で 8 機種と、CP+ での発表を各社意識するようになってきたことを伺わせる( レンズ一体型カメラ部門は該当なし )。
今秋からフォトキナ( http://www.koelnmesse.jp/photokina/ )が毎年開催になり、来年からは 5 月開催になることから、CP+ で発表されたモデルがフォトキナで手にできるようになるのは間違いない。ただし、毎年開催となるフォトキナは規模が縮小されることが予想されている。ワールドワイドのカメラショーというこれまでも位置付けから、ヨーロッパのカメライベントへと格下げされることも懸念されている。また、4 〜 5 月に開催されているソウルや北京のカメラショーの開催も来年以降は未定。
大きなメーカーの場合は、欧州やアジアの現地法人がイベントの参加を企画し準備をするが、中小のメーカーはそうはいかない。カメラメーカーであっても規模の縮小は避けられないだろうし、場合によっては、どこの国のカメライベントに出展するかの選択を迫られることにもなりそうだ。
■ 各社ブースのステージイベントが充実
大きなブースを構える主要カメラメーカーは、いずれも 2 つのステージを設けて大勢の来場者を集めていた。小さなブースでもステージを設けているところが増え、会場のあちこちにあるステージ前には、多くの人だかりができていた。また、今年から会場中央に設けられたプレゼンテーションステージでも各社のプレゼンテーションが開催されていた。
登壇する写真家や講師陣は、メーカーの教室や雑誌等でおなじみの面々。ステージプログラムは、各社のホームページや登壇者の Facebook などでも紹介され、来場者の獲得に一役買っている。
■ 出展社、出展内容にも変化が
数年前からマイクロソフト、マウスコンピュータといった PC 関連のメーカーが出展するようになり、EIZO や BenQ といったモニターのメーカーだけでなく、画像処理やレタッチ関連の製品も数多く展示されるようになった。また今年はアドビも出展し、多くの来場者を集めた。
一方でカシオ、サンディスク、コメットといったメーカーブースは見られなかった。かつてはカメラショーの目玉的な存在だったストロボメーカーのブースが少なくなったのは寂しい限りだが、撮影のスタイルが様変わりしている証拠でもある。
■ 分離された印象の強い大さん橋ホール
日本最大級の参加型写真展 “ 御苗場 ”、アジア最大級の写真集フェア Photobook JP のP HOTO HARBOUR が開催されていた大さん橋ホール。PHOTO HARBOUR の会場はかなりの混雑ぶりで、イベントしての注目度は高い。しかし、シャトルバスが運行されてはいるものの、往復と滞在の時間を考えると出かけるのを躊躇したくなるのは誰しも感じるところ。1日で CP+ の全部を見て回るのは難しいだろう。
パシフィコの展示ホールと大さん橋ホールの客層は微妙に異なるような印象で、写真好き、カメラ好きが会場の分離とともに分けられてしまったようにも思えるが、CP+ もフォト・ヨコハマの1イベント。写真のイベントとカメラのイベントを一緒にやっていると考えれば、さらなる発展が期待できそうだ。
パシフィコの展示スペースの拡張が難しく、“ プロ向け動画エリア ” が会議センターに移動するなど、展示ホールも今回大きく様変わりをした。従来会場の片隅にあったプレゼンテーションステージ、飲食コーナーが会場中央に設けられた。また、今回出入り口が一方通行でなくなったこともあって、人の動きにずいぶん変化が見られた。来年以降は各ブースの反応次第で変更というのもあり得るだろうが、どう変更されていくのだろうか。
■ 定着した感のある周辺の関連イベント
アネックスホールで開催されていた “ フォトアクセサリーアウトレット ” と “ 中古カメラフェア ” は人気イベントで定着した感がある。いずれも会期中4日間開催されることもあって、開場前から多くの来場者が行列を作るほどの人気ぶりだ。
会議センターでの週末イベント PHOTO WEEKEND をはじめ、インターコンチネンタルホテルのロビーでは「 マグナムが観たモノクロームのパリ 」、さらに円形プラザではキャンピングカー & キッチンカーグルメが開催されていた。展示ホールから近いとはいえ、まだまだ認知が足りていないようで、やや寂しい印象があった。
来年のCP+2019は、2019年2月28日(木)〜3月3日(日)に開催されるが、その前後にフォトキナが開催される。2018年9月26日(水)〜29日(土)と2019年5月8日(水)~11日(土)だ。そのほかにも世界各地でカメラショーが行われる。それらが次のCP+にどのように影響するのか、カメラ業界の動向とともに見守っていきたい。