スタジオグラフィックス プロが教えるデジタルカメラの写真撮影&レタッチテクニック 公式 Official WebSite
SGギャラリー

柴田誠のフォトレポ
CP+2017 レポート #01
春のカメラの祭典CP+2017が開幕

Posted On 2017 2月 25
Comment: Off

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

TOPIX

2017年2月23日(木)から、カメラと写真映像の総合イベントCP+2017( CAMERA & PHOTO IMAGING SHOW )がスタートした。26日(日)まで4日間、パシフィコ横浜を会場に開催されるCP+2017 の開催初日の様子をレポートしよう。

■ 13,000人を超えた初日の来場者数

カメラと写真映像のワールドプレミアショーCP+2017が、パシフィコ横浜をメイン会場にして2月23日(木)に開幕した。首都圏の鉄道が一部運休になるなど春の嵐が吹き荒れた初日は、登録来場者数13,081人と昨年をわずかに上回ってのスタートとなった( 2016年の初日登録来場者数12,967人 )。


メイン会場のパシフィコ横浜には121社・団体( 共同出展12社含む )が出展( 前回132社・団体/共同出展15社を含む )。また昨年同様フォトアクセサリーアウトレットや中古カメラフェア が併設されている点は変わりないものの、会場内ではプロ向け動画エリアやワールドプレミアアワードアワード展示コーナーなどがなくなり、代わりにプレゼンテーションステージが設けられるといった変化が見られた。

フォトアクセサリーアウトレットの会場の様子

フォトアクセサリーアウトレットの会場の様子

OLYMPUS DIGITAL CAMERA


さらに、昨年は大桟橋ホールを会場にしていたPHOTO HARBOURは、Bank ART Studio NYKに会場を移して開催。メイン会場のパシフィコ横浜とBank ART Studio NYK 、さらにCP+の会期中にシネマ・ヨコハマを開催している横浜市民ギャラリー間でシャトルバスが運行されている。横浜ではPHOTO YOKOHAMA
http://www.photoyokohama.com/ が開催中で、市内各所でパートナーイベントが開催されており、スタンプラリーも行われている。シャトルバスを利用して足をのばしてみるといいだろう。

PHOTO YOKOHAMAのインフォメーションコーナー

PHOTO YOKOHAMAのインフォメーションコーナー

風物詩の一つとなった人気機種の順番待ちの長蛇の列

風物詩の一つとなった人気機種の順番待ちの長蛇の列

Go To Top

■ 参考出品の展示が多いのが今年の特徴の一つ

オリンピックイヤーでフォトキナもあった昨年とは異なり、やや落ち着いた印象の会場は、すっきりとしたブースが目立つ。ブースから人が溢れ出ないようにということが徹底されているようで、タッチ&トライコーナーの順番待ちをブース内に並ばせるようにしたり、ステージを会場奥に設けたりといったブースが目立つ。かと言って来場者を囲い込むような作りではなく、回遊させるような作りのオープンなブースが多いので、ふらっと立ち寄るといった感じで見ることができる。

参考出品されていたニコン100周年の記念モデル

参考出品されていたニコン100周年の記念モデル

専用ハードケースに納められたガンメタリック外装のD5。専用ストラップに加え本体のペンタ部には100周年記念のロゴも入っているが、詳細は確定していない

専用ハードケースに納められたガンメタリック外装のD5。専用ストラップに加え本体のペンタ部には100周年記念のロゴも入っているが、詳細は確定していない

D500の100周年記念モデル。このほかAF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR、AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VRのレンズをセット、双眼鏡などもラインナップされていた

D500の100周年記念モデル。このほかAF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR、AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VRのレンズをセット、双眼鏡などもラインナップされていた

好みの用紙に塗布してインクジェット用紙にできるイルフォードのクリエイティブエマルジョン。フォトキナで発表された製品でジェットグラフのサイトから購入できる。(ジェットグラフ)

好みの用紙に塗布してインクジェット用紙にできるイルフォードのクリエイティブエマルジョン。フォトキナで発表された製品でジェットグラフのサイトから購入できる。(ジェットグラフ)

ZEISS Milvus 2/135。すでに海外発表されていたもので、2月中に発売予定。( ツァイス )

ZEISS Milvus 2/135。すでに海外発表されていたもので、2月中に発売予定。( ツァイス )

ZEISS Milvus 2.8/18。焦点距離18mm、12群14枚構成の超広角レンズ。2月発売予定。( ツァイス )

ZEISS Milvus 2.8/18。焦点距離18mm、12群14枚構成の超広角レンズ。2月発売予定。( ツァイス )

また、CP+に向けて新製品をアナウンスするカメラメーカーはほとんどなかったものの、富士フイルムのGFX50S、キヤノンEOS M5、パナソニックGH5など、発売前の注目商品を手にすることができる点がポイントになっている。

4K、8K時代に肌の質感が出過ぎるのを調整するフィルター。1/2、1/4、1/8の3段階が用意されている。5月発売予定。( ケンコー・トキナー )

4K、8K時代に肌の質感が出過ぎるのを調整するフィルター。1/2、1/4、1/8の3段階が用意されている。5月発売予定。( ケンコー・トキナー )

2ウェイ2軸微動雲台(仮称)に載せたタイムラプス機能付き赤道儀( 仮称 )。いずれも5月発売予定。( ケンコー・トキナー )

2ウェイ2軸微動雲台(仮称)に載せたタイムラプス機能付き赤道儀( 仮称 )。いずれも5月発売予定。( ケンコー・トキナー )

8mmフィルムスキャナー(左)とプリントやアルバムもスキャンできるフィルムスキャナーCOMBO(右)。いずれも2017年夏発売予定。( ケンコー・トキナー )

8mmフィルムスキャナー(左)とプリントやアルバムもスキャンできるフィルムスキャナーCOMBO(右)。いずれも2017年夏発売予定。( ケンコー・トキナー )

手軽に素材の色をキャプチャできるポータブルカラーピッカーCUBE。4月発売予定。( ソフトウェア・トゥー )

手軽に素材の色をキャプチャできるポータブルカラーピッカーCUBE。4月発売予定。( ソフトウェア・トゥー )


さらにブースを覗くと、あちこちで参考出品の展示を目にすることができるのも今年の特徴だ。開発発表という形で、ショーケースの中に展示されているものばかりだが、今春発売予定の製品といったものもあるので、ぜひ会場に出掛けて確かめて見てほしい。

スライド機構を搭載したアルカスイスのハイブリッド クイック。近日発売予定。(KPI)

スライド機構を搭載したアルカスイスのハイブリッド クイック。近日発売予定。(KPI)

Meyer Optik社のTrioplan100mmF2.8シルバーとブラックを参考展示。(KPI)

Meyer Optik社のTrioplan100mmF2.8シルバーとブラックを参考展示。(KPI)

ツァイスブースではVRグラスを紹介(ツァイス)

ツァイスブースではVRグラスを紹介(ツァイス)

豊富なタムロンのレンズ群をカタログで(タムロン)

豊富なタムロンのレンズ群をカタログで(タムロン)

カメラストラップのブラックラピッドをアピール(ハクバ写真産業)

カメラストラップのブラックラピッドをアピール(ハクバ写真産業)

Go To Top

■ 製品展示だけじゃない! 週末に多彩なイベントが目白押し


CP+2017の会期は26日(日)まで。開催時間は10:00~18:00(初日は一般入場12:00から、最終日は17:00まで)。総来場者数7万人(2016年来場者数67、792人)を目標にしている今年のコミュニケーションキーワードは「一緒に行こう」。女性来場者が全体の約2割と少ない点を改善して、新たな来場者を開拓しようというのが狙いだ。神奈川県内の自治体による観光PRブースや日仏写真文化交流特別企画ZOOMS 合同写真展をはじめ、ペット好きのインスタグラマーの投稿を紹介している書籍「#まみれシリーズ」とのコラボ#まみれ展などが開催中。

独自機構を採用した回転ロック機構付き一脚を参考展示。6月発売予定。(ケンコー・トキナー)

独自機構を採用した回転ロック機構付き一脚を参考展示。6月発売予定。(ケンコー・トキナー)

アルミ削り出しを多用した自由雲台QHD—G7/G6—AS(左)とレベラーML-6。いずれも参考出品(ベルボン)

アルミ削り出しを多用した自由雲台QHD—G7/G6—AS(左)とレベラーML-6。いずれも参考出品(ベルボン)


週末にはラジオJ-WAVEの人気番組「 ALL GOOD FRIDAY SPECIAL 」とのコラボ「 ALL GOOD FRIDAYハッピー・フォト・セッション 」、鈴木心写真館 @CP+2017、家族みんなで楽しめるドリーム・フォト・スタジオなど、製品紹介だけにとどまらない多彩なイベントが予定されている。  http://www.cpplus.jp/visitor/watch.html
CP+2017の一般入場は1,500円、ウェブの事前登録で無料となる。http://www.cpplus.jp/

操作性を向上させたフィルターフォルダーV50PRO。(NiSi)

操作性を向上させたフィルターフォルダーV50PRO。(NiSi)

大口径望遠レンズの前玉に装着可能な保護フィルターも展示。(NiSi)

大口径望遠レンズの前玉に装着可能な保護フィルターも展示。(NiSi)

KマウントのD FA★ 50mm F1.4(仮称)を参考出品。Kマウントレンズロードマップも公開。(リコー)

KマウントのD FA★ 50mm F1.4(仮称)を参考出品。Kマウントレンズロードマップも公開。(リコー)

全天球カメラTHETAで撮影した画像の一部にK-1で撮影した高精細な映像を自動的に合成するRICOH Multi-Imaging技術を紹介。K-1の上にTHETAを取り付けている撮影機材を展示していた。(リコー)

全天球カメラTHETAで撮影した画像の一部にK-1で撮影した高精細な映像を自動的に合成するRICOH Multi-Imaging技術を紹介。K-1の上にTHETAを取り付けている撮影機材を展示していた。(リコー)

チェキ用フィルムがスクエアタイプになってこの春に新登場する。(富士フイルム)

チェキ用フィルムがスクエアタイプになってこの春に新登場する。(富士フイルム)

各社ステージイベントも活況を呈していた。ニッシンジャパンのブースで撮影のデモンストレーションをする萩原和幸さん(左)。

各社ステージイベントも活況を呈していた。ニッシンジャパンのブースで撮影のデモンストレーションをする萩原和幸さん(左)。

ニッシンジャパンのブースで、ストロボ撮影に加えてポージングとフレーミングの解説をする薮田織也さん(左)

ニッシンジャパンのブースで、ストロボ撮影に加えてポージングとフレーミングの解説をする薮田織也さん(左)

シグマブースでシグマレンズの魅力を紹介する礒村浩一さん。

シグマブースでシグマレンズの魅力を紹介する礒村浩一さん。

Go To Top
著者について
1964 年生まれ。2012 年春に 24 年間勤務した出版社を退社し、フリーのフォトジャーナリストとなる。その後、香港に個人事務所 CYBER DRAGON HKG LIMITED( 數碼龍珠( 香港 )有限公司 )を立ち上げ、フォトキナをはじめとする国内外のカメライベント、写真フェアなどを中心に取材活動を行い、香港をベースにして国内や海外のカメラ雑誌や ウェブマガジンに執筆している。ちなみに日本在住。出版社在籍中には、カメラ誌の製品担当者で組織する「 カメラ記者クラブ 」にも通算 16 年間在籍。編集者時代に培った幅広い人脈と豊富な経験を活かした活動をするとともに、「 日本の写真文化を海外へプロジェクト 」を主宰。業界の活性化と後進の指導にも積極的に取り組んでいる。中国のカメラ雑誌「 撮影之友 」の編集顧問も務める。日本写真家協会( JPS )会員、日本写真協会( PSJ )会員、日本香港協会( JHKS )会員。