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フォトショップ・エレメンツ de ゴーゴー!
第34回 Photoshop Elements 8 レビュー (1)
Picasa3 対 Photoshop Elements 8 2009/10/28
 
1.Photoshop Elements 対 Picasa3
2.写真の整理
3.気に入った写真の管理に☆マーク
4.Elements Organizer で管理できるファイル形式
5.Photoshop Elementsのレタッチ機能

10月23日、アドビシステムズから『Photoshop Elements 8』(フォトショップ エレメンツ 8)が発売になりました。初中級向けレタッチソフトの定番 Elements を、あえて無料の Picasa3 と比較しながら、その特長を探ります。

Photoshop Elements 8 が登場しました。スタジオグラフィックス流のレビューをお届けします。

 
1.Photoshop Elements 対 Picasa3
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毎回、イメージがコロコロと変わるAdobe Photoshop Elementsシリーズのパッケージ。バージョン8は少女が目印。

 
Photoshop Elements 8 ってなに?
どんなソフトウェアなの?

アドビシステムズ社の「Adobe Photoshop Elements 8」(以下、Elements8.0)がデビューしました。
このコーナー「フォトショップ・エレメンツ de ゴーゴー!」では、もちろんお馴染みのElementsですが、初めてこのコーナーにやってきた人の中には「Photoshop Elements 8 ってどんな特長があるの?」そう思う人がいるかもしれません。

また、Photoshop Elementsは知っている、または使っている人でもバージョン8.0はどう変わったんだろう? と興味津々の人も多いはずです。

バージョン8の新機能は「Photoshop Elements 8 公式ページ」を見れば解る…といってしまえばそれまでなので、スタジオグラフィックスではスタジオグラフィックスになりに、Elements8.0の特長と新機能をレビューしつつ、その魅力と課題を、何回かに渡って分析していきたいと思います。

そして今回は、その第一回目として、デジタルカメラで撮影した写真の整理と簡単レタッチの部分にフォーカスしてみたいと思います。あのソフトウェアと比べながら・・・

さて、「Photoshop Elements」とは、Photoshopの弟分であり、初中級クラスの画像処理&管理の定番ソフトです。Elementsを使う主な目的は3つです。

  1. デジタルカメラで撮影した膨大な写真を効率的に整理すること
  2. カラー補整やトリミング、レタッチなど画像の加工編集を行うこと
  3. 編集した画像をスライドショーやアルバム等にして活用すること

そして、Elements8.0は、有料の画像レタッチソフトの中では、イチオシの製品であることは間違いありません。

「有料の画像レタッチソフトの中では〜」と、ことわったのは、無料ソフトにはアレがあるからです。そう、スタジオグラフィックスの「Picasa3 徹底活用講座」コーナーでお馴染みの、Googleが提供する「Picasa3」です。有料と無料のソフトを比べるのはなんですが、実際に両者を活用することでユーザができることは、実によ〜く似ています。Picasa3も前述の3つの目的を達成するためにブラッシュアップされたソフトウェアと言うことができます。

だから著者は友人から相談を受けたときは、「Picasa3 は無料なんだからまずは気軽に使ってみて、機能的に物足りないと感じたら Photoshop Elements を買ったらいいんじゃない? 」とアドバイスしています。

画像A クリックで拡大
画像A Photoshop Elements 8 の整理モードは「Elements Organizer」と名付けられました。更にこの画面は「メディアブラウザー」と呼ばれています。黒を基調にした基本的なデザインはElements 7 と同様です。
2.写真の整理
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「Elements 8.0」と「Picasa3」のどちらも、写真の整理機能は、一般的なデジタルカメラ・ユーザにとっては、とても満足いくレベルのものに仕上がっています。Elements8.0から、整理機能の部分は「Elements Organizer」(エレメンツ・オーガナイザー)と呼ばれるようになりましたが、デザインや基本的な操作性はElements 7と同様です。

Picasa3 と Elements Organizer の基本的なインタフェースはそっくりです。写真はサムネイル(縮小写真)で一覧表示され、サムネイルのサイズはレバーをドラッグして自由に変更できます。

画像B クリックで拡大
画像B 一覧表示しているサムネイルのサイズは調整レバーをドラッグすることで自由に変更できます。これはPicasa3も同じです。

一覧表示は日付順に表示されますが、この使い勝手には違いがあります。
Picasa3は画面左ペインにWindowsエクスプローラのようなフォルダごとの管理画面が表示されてます。撮影した写真は旅行やイベントごとにフォルダに分けて管理している人はPicasa3のフォルダ機能はとっつき安い印象でしょう。例では、Picasa3の場合「2008年の沖縄」と「2009年の伊豆下田」はワンクリックで切り替えることができます。

画像C クリックで拡大
画像C Picasa3の整理モード「ライブラリ」画面。Elements8.0と同様、サムネイルのサイズはレバーで自由に調整できます(A)。最大の特長のひとつがフォルダ管理形態。沖縄の写真(B)か伊豆下田の写真(C)かはフォルダをクリックして切り替えます。フォルダで写真を管理することに慣れている人には解りやすいインタフェースです。

一方のPhotoshop Elements8.0にはそれがありません。
フォルダごとの管理を原則としていないので、読み込んだ画像は日付順に一元的に表示するのが特長です。また、Picasa3ではフォルダをクリックすると古い画像順、つまり撮った順番に表示されますが、Elements8.0では初期設定が「新しい日付順」になっています。撮影してパソコンに転送し、Elements8.0を起動したら転送したばかりの写真たちが先頭に表示されるので、すぐにタグやコメントを入れて整理しやすいような設計を重視しているように思います。無精の人が何枚かのメモリカード内の写真を一気にパソコンに転送したり、何日にも渡って撮りためた写真をパソコンに転送した場合は、あくまで日付順に整理をしていくことになります。

日付順の画像を探しやすいようにカレンダーから直接指定できる「日付表示」モードも用意されています。しかし、撮影を頻繁に行う人は、目的の写真を日付や月で探せるとは限らないので、写真には「タグ」を付けて管理することがElements8.0使いこなしのポイントかもしれません。

画像D クリックで拡大
画像D Elements 8は、前回までのバージョンと同様に日付順での一元管理が基本です。そこで便利なのがカレンダー風の「日付表示」機能(上)や「タイムグラフ」。撮影した日付やだいたいの月を覚えていると探しやすいのですが…

更に、日付順という仕様にも少しクセがあります。新しい日付順に表示しますが、日付の中では古い順に表示します。例えば3日間の旅行に行って撮りまくったとしたら、「新しい日付順」では最終日の朝一からの写真が並びます。最終日の夜の次に二日目の朝…という順序です。日帰りの撮影なら全く問題ありませんが、連泊の旅行の場合は新しい時間順の方が自然だと感じるユーザも多いでしょう。


3.気に入った写真の管理に「☆」マーク
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Picasa3では、気に入った写真にはご存じ「☆」マークを付けて管理します。☆マークを付けた写真だけを抜粋して表示する機能があり、そこからレタッチするなり、Webアルバムにアップロードするなり、を行います。Picasa3では、☆は付けるか付けないか、の選択のみです。

画像E クリックで拡大
画像E Picasa3でまず行うことは気に入った写真に「☆」マークを付けること!!

画像F クリックで拡大
画像F ☆を付けた画像は「スター付き画像」をクリックすると表示されます。ここでは一元管理されます。

Elements8.0では「5つの☆」」マークで管理します。
例えば、気に入った写真に☆4つ付け、特別に気に入ったものは☆5つ、レタッチ補正が必要なものには☆3つなど、☆の数で使い分けることができます。

画像G クリックで拡大
画像G Elementsでは☆は5段階に分類できます。絞り込みは「以上」「以下」「のみ」で選択できますので自分なりでもルールを決めれば、かなり便利に活用できます。

シンプルな二択か細かく5分けか、どっちがあなたの好みでしょうか。

気に入った写真にはキャプション(説明)を付けましょう。Picasa3でもElements8.0でも、特定の写真をクリックしてキャプション(説明)をキーボードから入力することができます。写真の解説になるだけでなく、キーワード検索を使って写真を探すのに便利です。このキーワード検索についてはPicasa3にクセがあります。独特のルールに注意しながらキーワードを入力する必要があります。Picasa3の検索のコツは、Picasa3徹底活用講座の「第14回 写真を素早くみつける 3つの「検索」機能」を参照してください。

ところで、面白いことに、Elements8.0でキャプションを入力すると、Picasa3でもこのキャプション(説明)が即座に追加され、Picasa3上で見たり活用することができます。

画像H クリックで拡大
画像H ElementsとPicasa3ともに、写真ごとにキャプション(説明)を入力することができます。説明はキーワード検索の対象となります。
4.Elements Organizer で管理できるファイル形式
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Elements OrganizerはPhotoshop Elements8.0だけでなく、ビデオ編集のソフトウェアPremire Elements8.0でも使用できます。

Photoshop CS4やIllustrator CS4など、プロやハイアマチュアが使用しているスイート製品「Adobe Creative Suite」には同様に、Adobe Bridgeという高機能なファイル管理ソフトがあります。JPEGやフォトショップファイル(PSD)はもちろんのこと、各種カメラのRAWデータ、BMPやGIF、PNGなどの画像ファイルだけでなく、イラストレータファイル、PDF、WMVなど、Adobe Creative Suite関連のソフトウェアが扱えるあらゆる形式のファイルを表示管理する優れものです。

画像I クリックで拡大
画像I Adobe Creative Suite 4 に同梱されているファイルブラウザ「Abobe Bride」。フォルダ内のファイルを表示し、対応しているファイル形式の場合はサムネイル表示します。例ではイラストレータ(AI形式)、イラストレータEPS、RAWデータ、Zipはアイコンで、PDF、WMVムービー、各種画像ファイル(クマノミ)、テキストとフラッシュファイルはアイコンで、表示しています。

Elements Organizer はいわば、このAbobe BrideのElements版と言えますが、表示できるファイル形式はさすがにAbobe Brideには及びません。それでもPhotoshop Elementsが扱える豊富な「画像フォーマット」各種と、Premire Elementsが扱える「動画フォーマット」各種に加えて、PDF、mp3などの音声ファイル各種も表示できます。アドビジステムズが発表している、公式に対応するファイル形式は「入出力ファイル対応形式(Photoshop Elements 8)」で確認できます。
もちろんデジタルカメラ・ユーザが気になるRAWデータも表示可能です。Adobe Camera RAWが対応している機種に限られますが、多くの最近の機種に対応しています。

画像J クリックで拡大
画像J 例としたフォルダ内をElements8.0では、クマノミの各種画像ファイル、音楽ファイル(MP3)、RAWデータ(キヤノン EOS 40D)、WMVムービーファイル、PDFの各サムネイルを表示しました。

ちなみに、Picasa3が管理できるフォーマットは少し意外な顔ぶれです。JPEG、BMP、TIFは当然管理できるとしても、インターネットでよく使われているPNGとGIFは、標準の設定では表示されません。ホームページからダウンロードする画像ファイルはあえて標準設定から外しているのかもしれません。それでいて、RAWデータやPhotoshopファイル(PSD)は表示しますので、Photoshopシリーズを意識した設定になっているとも言えるかもしれません。なお、ムービーファイルも表示されます。ちなみに、Picasa3の表示ファイル設定の変更は「オプション」画面で行えます。

画像K クリックで拡大
画像K Picasa3では、画像ファイルは、TIF、BMP、PSD、RAWを表示し、GIFとPNG、TGAが標準では非表示です。その他、ムービーファイルは表示できます。


5.Photoshop Elementsのレタッチ機能
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更に細かい整理機能はまた次回以降に解説するとして、簡単なレタッチ機能にも触れておきたいと思います。

Picasa3とElements8.0ともに、写真をひとつ選択した状態から、画像の補正作業を行うことができます。どちらも、一連のソフトウェア形態で、簡単な編集機能を行うことができますが、Picasa3の補正作業がそこまでなのに対して、Elements8.0では更に補正編集専用の「Elements Editor」に切り替えて、高機能な補正編集作業を行うことができます。

画像L クリックで拡大

画像L Photoshop Elements8.0の「Elements Organizer」の画像補正機能。補正タブをクリックすると自動補正のボタンが並びます。最も有効なのは「自動スマート機能」ですが、これで思い通りの自動補正結果が得られない場合は「Elements Editor」の出番です。

Photoshop Elementsの最大の魅力のひとつはやはり、Photoshopゆずりの豊富な画像補正機能です。そしてPhotoshopの強力な画像編集処理エンジンを搭載していること。拡大・縮小などのサイズ変更やレタッチ処理、JPEG圧縮など、あらゆる加工において画質の劣化を抑える技術は信頼できます。

画像M クリックで拡大
画像M 「Elements Editor」に切替えて、逆光と帽子で暗くなった顔を明るく補正し、沖縄らしく青い空にカラー補正した例です。
暗い部分だけを明るくする具体的な手順は、画像Lの右下「写真を編集...」をクリックして「Elements Editor」を起動し、メニューバーから「画質調整」→「ライティング」→「シャドウ・ハイライト」を選択し、「シャドウ・ハイライト」ダイアログの「シャドウを明るく」レバーで調整します。
画像N クリックで拡大
画像N 空を青くする操作方法は、メニューバーから「画質調整」→「カラー」→「色相・彩度」を選択、色相・彩度ダイアログで「ブルー系」(A)を選択して「彩度」レバーを右にドラッグ(B)します。空に限らず、青系の色が鮮やかになりますので注意しましょう。

ちなみにPicasa3で、同様の明るさ&カラー補正する具体的な操作方法はPicasa3徹底活用講座「第3回 逆光の失敗写真を明るく、青空をもっと青く補正するレタッチ術」を参照してください。

この後は、Photoshop Elements 8 の新機能にも触れながら、更に深く解説していきたいと思います。
次回からは今回紹介した「青空に補正する」方法を更に詳しく、2回に渡って解説します。
お楽しみに。

※本文内のAdobe Photoshop Elements 8 は、報道関係者向けに提供されたベータ版を使用しています。
  画面デザインや機能など、製品版とは一部、異なる場合があります。


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※Photoshop等はアドビシステムズ社の商標です。
 
初出:2009/10/28
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