夜景写真家・岩崎拓哉の夜景撮影講座
第64回 東京のジャンクション夜景スポットの撮り方入門
Photo : Takuya Iwasaki
TOPIX
お待たせ致しました!岩崎拓哉の夜景写真講座が久々の更新となります。今回は東京ジャンクション夜景の情報を更新していただきました。まだまだ新型コロナの感染に注意が必要ですが、ぜひ参考にして撮影を楽しんでいただければ幸いです。 by 編集部 |
10月に入り、今年も待ちに待った夜景撮影シーズンが近づいてきました。今回は「第32回 ジャンクション夜景の撮り方入門」の続編として、東京のジャンクション撮影スポットを10か所紹介します。季節を問わず、広角ズームレンズがあれば思う存分楽しめるジャンクションの撮影に挑戦してみませんか?
写真1 トワイライトタイムに葛西ジャンクションを写す
■ジャンクションの夜景撮影のポイント
ジャンクションの撮影は、基本的な夜景撮影テクニックを抑えておけば決して難しくありません。唯一の違いは、他のジャンルに比べて広角(ズーム)レンズを使用する機会が圧倒的に多い点ぐらいなので、初心者でも挑戦しやすいジャンルではあります。撮影テクニックを復習されたい方は「第32回 ジャンクション夜景の撮り方入門」をご一読ください。
写真2 ジャンクション撮影の雰囲気
(1)広角ズームレンズを持参する
巨大な構造物であるジャンクションを間近で撮影するため、広角ズームレンズでの撮影がほとんど。最低でも35mm換算で16mmぐらいのレンズを用意したい。シチュエーションによっては魚眼レンズも活用できる。
(2)移動手段を念入りに調べる
箱崎ジャンクションや辰巳ジャンクションのように最寄り駅から1分以内の撮影スポットもあれば、葛西ジャンクションのように最寄り駅から10分近く歩く場所もある。付近に駐車場が無い撮影スポットも多いので、移動ルートを念入りに調べておくと良いだろう。
(3)オールシーズン撮影を楽しめる
被写体との距離が近く、工場夜景と同様に季節や撮影時間帯の影響は受けにくい。ただし、1日に複数箇所を回るような場合は、日没時間が早いほうが有利なので、秋~冬がベストシーズンと言える。なお、レンズを上に向けて撮影するシーンが多いので、雨の日は避けた方が懸命。
■撮影スポット(1)箱崎ジャンクション
ジャンクションの王道とも言えるスポットで、知名度に関しては全国でトップクラス。まるでヤマタノオロチのような外観には、誰もが圧倒されるはずです。撮影において特別なテクニックは必要ありませんが、コンビニの手前あたりの歩道がベストポジションと思われます。東京メトロ「水天宮駅」から降りてすぐの場所にあり、隅田川大橋からも近いので、隅田川の夜景スポットと合わせての訪問もおすすめです(地図)。
写真3 ヤマタノオロチのようなジャンクションを写す
■撮影スポット(2)西新宿ジャンクション
各線新宿駅からおおよそ徒歩15分の場所にある比較的新しいジャンクション。東京オペラシティビルや新宿パークタワーを背景に都会的なジャンクションを撮影できるのが魅力。ただし、周辺は歩行者の通行が多いので、マナーには十分に気をつけたい。(地図)
写真4 東京オペラシティビルとジャンクションを写す
■撮影スポット(3)浜崎橋ジャンクション
1964年に供用開始された歴史あるジャンクション。どことなく古さを感じるが、西新宿ジャンクションと同様、高層ビルを背景に写すことで、都会的な夜景写真が撮れる。なお、写真5の作例以外に、東芝ビルを背景に写した作例もあるので、詳しくは「夜景INFO」も参考にして欲しい。(地図)
写真5 高層ビルとジャンクションを写す
■撮影スポット(4)両国ジャンクション
両国ジャンクションを撮影できるスポットは主に2箇所あり、1つ目は浜町公園沿いの遊歩道(地図)。もう1つは対岸の隅田川テラス(地図)。訪問しやすさでは浜町公園の方が優れ、穴場感を狙うのであれば隅田川テラスがおすすめ。作例は浜町公園側から、屋形船の光跡を入れて撮影している。水面を穏やかに見せるためにも、光跡の有無を問わず長時間露光(20~30秒)の設定が望ましい。
写真6 屋形船の光跡とジャンクションを写す
■撮影スポット(5)堀切ジャンクション
荒川河川敷に整備された緑地公園付近と堀切小橋が撮影ポイント。作例は緑地公園付近から撮影しているが、道路の分岐する部分が真正面に見える一から撮影でき、アクセントに東京スカイツリーを入れる構図も面白い。堀切小橋からは、気候が穏やかな日であれば綾瀬川に反射する道路の照明が水鏡のように映り込む。(地図)
写真7 ジャンクションを正面に写す
■撮影スポット(6)江北ジャンクション
どちらかといえば五色桜大橋の方が有名だが、河川敷からゆったりとジャンクションを楽しめ、アクセスが少々面倒な面を除けば、撮影をたっぷり楽しめる。堀切ジャンクションのように、分岐点を正面から写す構図も撮れるが、道路の真下から見上げるような構図もおすすめ。(地図)
写真8 五色桜大橋とジャンクションを写す
■撮影スポット(7)有明ジャンクション
新都橋の歩道が撮影ポイント。ジャンクションの形に大きな特徴は無いが、開放感があり、街明かりと一緒に写す構図もおすすめ。特にトワイライトタイムの空とのコラボが美しく、遠くには東京タワーが見える。(地図)
写真9 トワイライトタイムに東京タワーとジャンクションを写す
■撮影スポット(8)辰巳ジャンクション
東京メトロ有楽町線の辰巳駅から降りてすぐの場所にあり、おすすめの撮影ポイントは公園間を結ぶ渡橋(歩行者や自転車の通行に注意)。一段高い場所からジャンクションを眺められる。反対方向も撮影にはおすすめ。(地図)
写真10 渡橋(歩道橋)からジャンクションを写す
■撮影スポット(9)東雲ジャンクション
2009年2月に供用開始された比較的新しいジャンクション。角乗り橋から湾岸線を見下ろす構図が定番だが、大きなフェンスが目の前にあるため、難易度が高い。向きを変えて、見上げる構図にすれば、他のジャンクションに比べて個性的な写真が撮れる。車の通行量も多いので、光跡を入れて撮影するのも良いだろう(地図)
写真11 建設中のマンションを背景にジャンクションを写す
■撮影スポット(10)葛西ジャンクション
ジャンクションファンの間では有名な撮影ポイント。作例は荒川河口橋から撮影しているが、河川敷周辺から観覧車を入れる構図で撮影するのもおすすめ。撮影する位置によっては、東京スカイツリーが背景に映り込む。なお、荒川河口橋の歩道は自転車の通行も多いため、特に安全面には注意が必要。(地図)
写真12 東京スカイツリーを背景にジャンクションを写す