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夜景写真家・岩崎拓哉の夜景撮影講座
第32回 ジャンクション夜景の撮り方入門

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Photo : Takuya Iwasaki

TOPIX

前々月より特定のスポットについて撮影ノウハウを掲載いたしました、「 岩崎拓哉の夜景撮影講座 」。今月は夜景撮影の中でもジャンクション夜景の撮影に特化した撮影ノウハウを執筆いたしました。今月のお勧めスポットは駅から徒歩で行けるジャンクション撮影スポットをご紹介しています。それではお楽しみください。 by 編集部

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関東地方や近畿地方では7月19日に梅雨が明けましたが、ますます真夏日が続きそうです。夏は日没が遅いこともあり、夜景撮影には不向きなシーズンですが、今の時期は気象条件や空気の澄み具合などの影響が少ないジャンクション夜景撮影もおすすめ。ちょっとマニアックなジャンクション夜景を撮るためのポイントを解説します。

写真1 超広角レンズでジャンクションを見上げる

東雲JCT

[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD (Model A012) / 焦点距離:15.0mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:15秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]

超広角レンズでジャンクションを見上げの撮影は定番中の定番。右上に余白が入りそうだったので、意図的に光源を入れてみた。アクセントに左折する大型トラックの光跡も入れている。

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■ジャンクションとは?

普段から車で高速道路に乗る機会が多いドライバーなら「ジャンクション(JCT)」や「インターチェンジ(IC)」という言葉はとても馴染みがありますが、インターチェンジは一般的に高速道路と一般道路の出入り口を意味し、ジャンクションは高速道路同士を直接繋いでいる施設のことを意味します。ジャンクションは道路が複雑に入り組んでいることから、造形美や芸術性を感じる人が多く、一部の写真愛好家には絶大な支持を得ている被写体の1つとなっています。

写真2 ビルから見下ろすジャンクション

西船場ジャンクション

高層ビルの展望フロアから見下ろす大阪・西船場JCT。見る人の視点ではジャンクションは高い場所から見下ろして楽しむもので、撮る人の視点では歩道などから見上げる方が楽しめるだろう。

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■ジャンクション撮影に必要な機材

一般的な夜景撮影と異なり、被写体との距離が非常に近く、至近距離で見上げて撮ることが多いので、超広角レンズや魚眼レンズが欠かせない。目安としてフルサイズ換算で最低でも広角側が15~16mmから始まるレンズを推奨。撮影スポットによっては大型フェンスの手前でセッティングすることもあり、全高が180~200cm程度の大型三脚の持参が望ましい。

写真3 ジャンクションの撮影風景

ジャンクションに適した撮影機材

東京・辰巳JCTの撮影風景。ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD (Model A012) / 三脚:Velbon E740 + PH-275

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■ジャンクション撮影のポイント(1):焦点距離

ジャンクション撮影に超広角レンズが欠かせない理由は以下の2点の作例を見比べれば一目瞭然。被写体を部分的に撮るなら24mm前後の標準レンズでも撮影できるが、15mmで撮影した作例と比べると広がりや迫力の違いが鮮明。APS-Cセンサーを搭載したカメラなら広角側の焦点距離が8~10mm前後から始まるレンズを用意したい。

写真4 焦点距離:15mmで撮影(35mm換算)

15mmで撮影

[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD (Model A012) / 焦点距離:15.0mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:13秒 / 絞り数値:F8.0 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]

写真5 焦点距離:24mmで撮影(35mm換算)

24mmで撮影

[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD (Model A012) / 焦点距離:24.0mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:13秒 / 絞り数値:F8.0 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]

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■ジャンクション撮影のポイント(2):魚眼レンズを活用してみる

撮影するジャンクションによっては15~16mmクラスの超広角レンズでも画角が足りないことも。35mm換算で12mm前後から始まる超広角レンズもラインナップされているが用途が非常に限られるため、汎用性の高い魚眼レンズを使う手もある。

写真6 超広角レンズの作例(15mm)

超広角レンズ(15mm)

[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD (Model A012) / 焦点距離:15.0mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:13秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]

ほぼ真上に見えるジャンクション。これだけ距離が近いと超広角レンズでも思うように写し込めないことも。

写真7 魚眼レンズの作例(15mm)

魚眼レンズ(15mm)

[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:Tokina AT-X 107 DX Fisheye / 焦点距離:15.0mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:13秒 / 絞り数値:F8.0 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]

同じ15mmでも写せる範囲が劇的に広がるのが魚眼レンズ。ただし、構図によっては道路の歪みが目立って違和感が出てしまうため、歩きながら構図の変化を確認したい。

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■ジャンクション撮影のポイント(3):トワイライトタイムを狙う

一般的な夜景と同様に、トワイライトタイム(日没から20~30分後)に写すジャンクションもまた美しい。真っ青な空色を写すなら東向き、夕日の赤みがかった色合いを入れるなら西向きがおすすめ。ただし、トワイライトタイムは10分前後と短いので、日没までに構図を決めたり、カメラ設定を済ませておくと安心。

写真8 トワイライトジャンクション

東雲ジャンクション(トワイライト)

[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD (Model A012) / 焦点距離:23.0mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:6秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:100 / WB:白色蛍光灯 ]

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■ジャンクション撮影のポイント(4):光源のゴーストに気をつける

ジャンクション撮影は光源を間近で写すことが多く、特に歩道や一般道路の街灯が写り込むことも。レンズの特性や光源の入り込む位置によってゴーストが発生することもあるため、ゴーストが目立つ場合は焦点距離を変えたり移動して光源が写り込まないようにしよう。

写真9光源あり

光源あり(北港JCT)

光源が入ることで画面右上の余白が消えて構図的にはバランスが取れた。しかし、光源の光量が強いため、ゴーストが目立ってしまう。

写真10 光源なし

光源なし(北港JCT)

少し移動して、該当が写り込まない構図にした。右上の余白部分が無くなるよう、道路が写り込むよう工夫した。

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■ジャンクション撮影のポイント(5):真下から見上げる場合はパンハンドルを逆向きに

最後はセッティングの話になるが、撮影するジャンクションによってはパンハンドルを下げたときに脚に当たってしまうことも。真上に見えるジャンクションを写す時は雲台を回転させて、パンハンドルが後ろにくるようにすると、真上に見えるジャンクションの撮影も容易に。

写真11 雲台を180度回転させてパンハンドルを逆向きに
ジャンクションを見上げて撮影

大阪・北港JCTを撮影中。パンハンドルを逆にするのは簡単だが、操作には慣れが必要。

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■今月のお勧め夜景スポット「有明ジャンクション(新都橋)」

ジャンクションの撮影スポットは付近に駐車場が無かったり、駅から遠い場所も多いが、有明ジャンクションを写せる新都橋は「お台場海浜公園駅」からも徒歩圏にあり、お台場エリアから歩いてアクセスできるので初心者も訪問しやすい。超広角レンズでの撮影が望ましいが、撮影する方角や構図によっては標準レンズ(24mmクラス)でも写せるのが嬉しい。東京タワーや高層マンションを一緒に写すのも良いだろう。

有明ジャンクション(新都橋)

営業時間:終日開放
所在地:東京都江東区有明
アクセス:ゆりかもめ「お台場海浜公園駅」徒歩約7分
料金:無料
URL:新都橋(夜景INFO)

写真13 新都橋から有明JCTを写す

有明JCT

[ ボディ:CANON EOS 5D Mark2 / レンズ:EF17-40mm F4L USM / 焦点距離:22.0mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:8秒 / 絞り数値:F8.0 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]

岩崎拓哉
著者について
■ 夜景写真家 岩崎 拓哉 ■1980年生まれ。大阪府出身、神奈川県在住。法政大学経済学部卒。 2003年より夜景写真家を志し、日本全国や海外で夜景を撮影。 Webエンジニアの経験も活かし、「夜景INFO」などの夜景専門サイトを立ち上げる。カメラ雑誌の原稿執筆、夜景撮影の講師経験も豊富。総合・国内旅行業務取扱管理者の資格も持つ。 著書に「プロが教える夜景写真 撮影スポット&テクニック(日経ナショナルジオグラフィック社)」「夕景・夜景撮影の教科書(技術評論社)」。
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