Photoshop Elements 9 ではどのような機能が追加されたのでしょうか。
全体的には下記のような機能が追加されています。
【新機能・強化機能】
- Elements Organizer (写真と動画の管理機能)
- Photomerge Style Match (合成写真)
- コンテンツに応じた修復
- ガイド付きの編集の改善
- ロモ効果(トイカメラ風)
- ポップアート
- 反射
- より美しいポートレート作成
では早速、各新機能について、簡単に紹介していきましょう。
■Elements Organizer (写真と動画の管理機能)
Elements Organizerは、Photoshop ElementsとPremire Elementsで共通の管理アプリケーションです。写真と動画を一括で管理できます。
今回から待望のMacintosh対応にもなりました。顔認識機能を装備し、人物を自動で認識して選別することができます。一度登録した顔情報は他の写真の分析にも反映され、Elements Organizerが候補に挙げた名前を選択するだけで順次、追加していくことができます(以下、従来からある機能を含めてElements Organizerの特長を紹介します)。
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新しくなったElements Organizerの画面。Macintoshにも対応。従来どおり、サムネイルのサイズはシームレスに変更できる。動画ファイルがアイコンで表示されている。★マークで評価したり、旅行先名やイベント名などでタグ付けするなど、従来からある整理機能も使いやすい。 |
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顔認識機能がデフォルト(初期設定)で機能する。写真内の人物の顔を自動で認識し、名前の入力を要求する。既に過去に登録した「お姉ちゃん」や「おとうと」を自動的に識別して候補として表示する。ちなみにビリケンさんの顔は認識していない。よかった。 |
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顔認識機能を使うと、登録した「おとうと」や「お姉ちゃん」の写真だけリスト表示することができる。 |
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「大阪」というタグを作って、大阪の写真にタグをドラッグ&ドロップしているところ。後で大阪の写真だけリスト表示するのに便利。 |
基本のカラー補正やトリミング等は、Elements Organizerの画面のままで実行することができます。あまり凝ったレタッチはできないけれど、いつも自動補正を行ったりしてちょっといじっているという人には便利です。
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Elements Organizer画面のまま、カラーや明るさの自動補正やトリミングが手軽に実行できます。デジカメ写真に自動補正機能で編集を頻繁に行う人には大変便利な機能です。 |
■Photoshop Elements 9 の新機能
Photoshop Elements 9 でもっとも強化された点は「ガイド付き編集」機能の強化です。
「ガイド付き編集」とは、写真のカラー補正やトリミングなど、「ガイド」の解説に従って手順を進めていく機能です。切り抜き(トリミング)、回転、ピンボケ写真をシャープする、明るさやコントラストの調整、カラーパランスの補正など、デジカメで撮影した写真で一般的に行われる編集作業の多くが用意されていますので、初心者でも簡単に操作ができます。そう言うと、なんだか初心者向けの機能が強化されただけのように感じるかもしれませんが、もともとPhotoshop Elements 9 は高機能なツールですので、初中級者でも使いこなせるように作業に合わせてウィザードが充実した、と理解した方が良いと思います。
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Photoshop Elements 9 の「ガイド付き編集」機能。「ガイド」タブをクリックすると、やりたい作業で選べるようにリストが表示されます。この、なんてことのない通天閣の写真がオシャレな写真に変わるのでしょうか? |
なお、新機能としては「楽しい編集」に多くの特殊効果が追加されています。
ポップアート
例えば「ポップアート」を「ガイド付き編集」に沿ってボタン操作してみましょう。
ガイドで「ポップアートを作成」を選択すると「スタイルを選択」→「画像モードを変換」→「カラーを追加」→「画像を複製」するとできあがる、という手順が表示されます。
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トグルボタンや各編集ボタンを押すだけで画像が変わっていきます。 |
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「ガイド付き編集」に沿ってボタン操作(1)
「画像モードを変換」したところ |
「ガイド付き編集」に沿ってボタン操作(2)
「カラーを追加」したところ |
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「ガイド付き編集」に沿ってボタン操作(3)
「画像を複製」したところ。ポップな感じの画像ができあがりましたね(照笑)!! |
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テンプレート通りの編集ではありますが、簡単にポップアートを楽しむことができます。
また、「ポップアート」と同様に、今回の機能追加として、トイカメラ風に加工する「ロモカメラ」、被写体を反射させる「反射」、立体写真のように写真枠から飛び出した効果を狙った「枠からはみ出させる効果」などが追加されています。
ロモカメラ効果
反射効果
これはデジカメ写真より、製品写真やロゴマークなど、こんな風な素材に効果抜群。
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ロゴマークや製品写真、パッケージ写真などに最近よく見る反射効果 |
枠からはみ出させる効果
写真のフレームから被写体の一部がハミ出している写真に加工するツールです。
これもガイドのとおりに順を追って作業することができます。
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「ガイド付き編集」に沿ってボタン操作(1)
「フレームを追加」したところ。ハミ出させる部分は無視してフレーミングする |
「ガイド付き編集」に沿ってボタン操作(2)
ハミ出したい部分を選択したところ。はみ出している部分をクイック選択ツールでなぞる。 |
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「ガイド付き編集」に沿ってボタン操作(3) フレームから被写体の一部がハミ出して表示した。影を付けて立体感を演出することもできる。 |
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更に、人物写真をきれいに見せる「顔写真をきれいに」も追加されました。
「Photoshop Elements 9」内覧会では、アドビシステムズ社の広報の男性を素材に、この機能を使った補正レタッチ加工がデモンストレーションされました。
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「顔写真をきれいに」効果(Adobeのデモのプロジェクタ撮影画面) |
Style Match
好みの写真家の作風に自動編集する「Style Match」、自然なパノラマ作品を作成する「Photomerge Panorama」も新機能です。
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「Style Match」は、選択した画像(左)を参考に、色合いやカラー、コントラスト情報などを似させた画像に自動補正することができる。 |
コンテンツに応じた修復
Photoshop CS5の新機能が公開されたとき、"まるで魔法だ"と言われ、最も注目された機能のひとつが「コンテンツに応じた修復」です。ブラシで選択した部分を周囲の背景に合わせて違和感ないように削除する機能です。この機能がPhotoshop Elements 9にも導入されました。
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Photoshop Elements 9 の「コンテンツに応じた修復」。邪魔な電線をブラシでなぞって選択(左)し、コンテンツに応じて修復した。ブラシで選択した電線の部分は周囲の空で違和感なく塗りつぶされている。 |
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