1カット目の建築物にエントランスで。 モデルの感情が高まってきたことを察知し、カメラを構え、ファインダーを覗きながらの時間を過ごす。
レンズは50mm、感情をリアルな距離感でとらえたいと考えたからだ。絞りはF2。大きくボカすことで、今にも崩れそうな表情・感情など雰囲気を表現。少しずつ変わってゆくモデルの表情、瞳。その間会話は全く交わさない。余分な会話でモデルの気持ちが変わってしまうことを避ける為だ。涙が潤んだ時を待ち、数枚シャッターを切った。
モデルを中心より若干右側に配置、逆の左側には大きくグリーンのボケを見せることで構図全体のヌケをつくっている。またモデル背後のブルーがアクセントカラーになっている。 写真向って右側、やや下から煽るように白レフを1枚当てている。手持ち撮影。
背景のカラーは2色、グリーンとブルーを配置することで奥行きを作っている。モデルをセンターに配置した、いわゆる“日の丸構図”だと、型にはまりすぎて瞳の印象が強くなりすぎてしまう。すこし右にモデルを配置することで奥へのヌキをつくり、印象を優しくしている。手持ち撮影。 Canon EOS 7D トキナー AT-X 535 PRO DX 50-135mm F2.8 絞りF2.8 1/100秒 ISO400 WB:マニュアル RAW
カメラマンが見ているモデルとの自然な距離感をそのまま出す為に50mmをチョイス、対角線を意識した斜め構図にすることで、広がりと遊びを表現した。斜め構図は許される範囲での大胆さが必要で、中途半端な傾け方は避けた方がいい。
背景は洋館と判断できる程度のボカしで、状況の雰囲気を感じてもらう。またモデルの視線の先の空間(写真向って左側)を詰めることで、写真を見る者に『このような場所、彼女の視線には何があるのだろう…』と物語を想像してもらうのが目的だ。
風が吹きそうな気配だったので、待ってみた。ちょっとの髪の乱れが、写真に動きを作っている。レフ板は写真向って左から白を1枚。手持ち撮影。
夏休みでおばあちゃんのいる田舎に遊びにきている。朝の爽やかな時間帯に撮影をしたのだが、天候は生憎曇り空。夏の朝のクリアな陽射しを表現する為に、クリップオンストロボをワイヤレスで発光し、陽射しを作ることにした。 写真向って右側、モデルから3mほどの距離、高さは2m50cmほどの位置に設置。出来るだけ高くすることで、夏の角度のある逆光風の陽射しを目指す。髪のハイライトと葉に当たる光になっている。
レンズは35mm判換算で約180mm域の望遠レンズで。望遠レンズの圧縮効果で、その場の清々しい空気を閉じ込める。
優しいグリーンと白いワンピースでは淡いカラーばかりの構成で弱い印象の写真になってしまうので、アクセント代わりにあえて麦わら帽子は正面に持ってもらった。おかげで陽射し感も一層増した。レフ板は使用していない。一脚使用。
この川は富士山の湧き水でできた川で、とても冷たい。ともに川に入り、モデルとそのロケーションの雰囲気を、見た目そのままでとらえようと50mm をチョイス。 モデルを浮かび上がらせながらも、背景が分かるほどのボケ味を考慮して、絞りはF2.2を選択。 モデルにはその場で自由に動いてもらいながら、目線の指示だけをしてシャッターを切る。
天候は曇り、水は冷たいが、お互いに盛り上がることが重要。ただ水が冷たく、足元も不安定なところでの撮影では、モデルに無理強いさせず、こまめにモデルの反応を観察したい。また夢中になると自分自身の足元が見えなくなったり、滑ったりと思わぬ事故に繋がるので気をつけたい。水辺では機材が濡れないようにとの配慮も必要だ。 レフ板は写真向って左側、モデルのサイドに白を1枚。手持ち撮影。
古い農家にて撮影。 モデルが座っている奥(外)は縁側になっており、庭が広がっている。カメラは屋内、土間から囲炉裏のある板の間を挟んで、モデルには縁側に足を置いてもらい、柱を背負うように板の間と間に座ってもらった。
構図としては右上になる対角線で1/2になるように意識。下の1/2は板の間のボケと反射で冷たさや静寂を、上1/2で田舎に来ている物語を展開。35mm判換算で約200mm域となる望遠ズームで圧縮、構図の中に両面を閉じ込めた。 写真右側からファインダーに入るギリギリの位置から白レフ1枚。シャドウ部の肌や目の表情が写る明るさをキープした。銀レフだとシャドウの部分があかるくなりすぎて、モデルが変に浮かび上がってしまう。このようなカットはシャドウが命なので、レフに注意したい。三脚使用。
モデルには幼なじみが尋ねてくるのを待っているような気持ちで、とお願いする。レフはモデルの足元に白を1枚、手持ち撮影。 Canon EOS-1Ds Mark3 + シグマ 85mmF1.4 EX DG HSM 絞りF2.2 1/80秒 ISO200 WB:マニュアル RAW
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次回はスタジオで水着撮影の『テクニック編』。 モデルは纐纈みさきさん。スタジオでの撮影の肝となるレンズワークとライティングについて 水着での作例を交えながら解説していきます。 これから水着撮影に挑戦してみたい!と思っている方、必見です。