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夜景写真家・岩崎拓哉の夜景撮影講座
第43回 甲府盆地の大パノラマが美しい山梨夜景の撮り方

Posted On 20 6月 2018
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Photo : Takuya Iwasaki

TOPIX

好評をいただいております、全国各地の夜景の撮り方シリーズ第6弾です。今月の夜景写真家・岩崎拓哉の夜景撮影講座は 「 甲府盆地の大パノラマが美しい山梨夜景の撮り方 」 をお届けします。それではご覧ください。 by 編集部

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6月に入り、だんだんと梅雨入りが近づいてきました。夜景撮影も今の時期はシーズンオフになりますが、スタジオグラフィックスでも梅雨明け後、久しぶりの夜景撮影セミナーを検討しています。さて今回は、6月と関連があるテーマではありませんが、東京からでも日帰りで行ける山梨の夜景撮影スポットを紹介。撮影のコツはもちろん、甲府盆地の大パノラマが撮影できるおすすめスポットを厳選して紹介します。

写真1 ぶどうの丘からのトワイライトビュー

ぶどうの丘からの夜景

ぶどうの丘から撮影した甲府盆地。撮影する位置や高さによって、見え方の変化が楽しめる。撮影した甲州市内からは甲府市と距離があり、光量は控えめ。

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■山梨県の特徴

山梨県は人口が約82万人となっており、人口は47都道府県の中で41番目。人口の2割以上は甲府市に集中しており、市街地の周囲は山に囲まれていて、逆三角形のような形状となっている。東京からもアクセスが良く、日帰り観光スポットも充実していて、ドライブにもおすすめだが、山間部や丘陵地帯に甲府盆地を見下ろせる夜景スポットが点在し、夜景の王道と言える大パノラマが楽しめる。

写真2 山梨県の地図

山梨県の地図(甲府盆地)

地図の三角の部分が甲府盆地の中心地(厳密には甲州市や身延町方面まで広がる)。甲府盆地の中心部に人口が集中するため、人口規模の割には光量が多く感じられる。

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■山梨県の夜景撮影のポイント

山梨県内で夜景を撮影する上で、特別に難しい撮影テクニックは無く、三脚にカメラを固定して、長時間露光で撮影すれば、初心者でもきれいな夜景が撮れる。撮影技術よりもロケーション選びや気象条件の見極めが重要。俯瞰夜景の撮り方は「第3回の記事」も参考にして欲しい。

写真3 駐車場から見える甲府盆地のパノラマ夜景

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甲府盆地の周辺を車で走っていると、いたる場所から夜景が見える。

(1)秋~冬の訪問がベスト

甲府盆地の夜景は遠くから見下ろす構図が基本となるため、空気が澄んでいる秋~冬の訪問が望ましい。ただ、山梨県は全国的にも日照率が高く、雨の降る日が少ないので、天候には恵まれやすい。甘利山など撮影スポットによっては冬に登山道が閉鎖される可能性があるので、道路情報なども確認すると安心。

(2)平日と休日の光量差は少ない

都心は平日と休日でオフィスビルなどの光量差が目立つが、住宅の明かりが中心となる甲府盆地は曜日による光量の差が少ないため、曜日を気にする必要はさほどない。ただし、富士山に近い撮影スポットほど休日は混雑するので、早めの訪問を心がけたい。

(3)広角~標準レンズの使用がメイン

高台から盆地全体を見下ろす構図になるため、市街地をアップで写すようなシーンでなければ、望遠レンズを使うシーンはほとんど無い。標準ズームレンズ(広角側が35mm換算で24mm程度~)一本あれば、困ることが無いだろう。

(4)車での移動が必須

甲府駅や勝沼ぶどう郷駅周辺には徒歩圏の夜景スポットがあるが、電車の本数が少なく、山間部の夜景スポットが多いため、車での移動が欠かせないだろう。都心からのアクセスであれば、レンタカーを活用すると良いだろう。

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■撮影スポット(1):笛吹川フルーツ公園

新日本三大夜景でも知られる山梨県内で最も有名な夜景スポット。甲府盆地の夜景が美しいだけでなく、ガラスドームのライトアップなども特徴的。ガラスドームが見渡せるポイントは斜面になっているので、三脚の設置時は転倒に注意したい。噴水のライトアップなど、被写体が充実している。(地図

写真4 ガラスドームと甲府盆地を写す

笛吹川フルーツ公園

[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:EF16-35mm F4L IS USM / 焦点距離:35mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:10秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(2):みはらしの丘

夜景が見渡せる温泉として有名な「みたまの湯」の近くにある夜景スポット。道路から甲府盆地の夜景が見渡せ、北方向に視界が広がる。手前は田畑が広がるため、トワイライトタイムが最も撮影に適しているだろう。(地図

写真5 トワイライトタイムに甲府盆地を写す

みはらしの丘

[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:EF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:47mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:6秒 / 絞り数値:F9 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(3):八代ふるさと公園

笛吹市内にあり、桜の名所としても知られている。古墳の上からの見晴らしが最も優れており、甲府盆地の大パノラマが見渡せる。駐車場からも夜景が見えるので、カップルにも人気がある。長時間露光で車の光跡を入れるのも良いだろう。(地図

写真6 車の光跡と山々のシルエットを写す

八代ふるさと公園

[ ボディ:CANON EOS 5D MarkII / レンズ:SIGMA 50mm F1.4 EX DG HSM / 焦点距離:50mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:20秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(4):甘利山

富士山と甲府盆地を撮影できることから、写真愛好家に絶大な人気がある撮影スポット。特に週末や富士山が見える日は混雑するので、夕暮れからの訪問がおすすめ。作例は富士山のごく一部しか見えていないが、天気が良ければ甲府盆地の右側に富士山が見える。撮影ポイントまで真っ暗な道を歩くので、懐中電灯を忘れずに。冬~春は通行止めの時期があるので、注意。(地図

写真7 甲府盆地と雲に隠れた富士山を写す

甘利山

[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:SIGMA APO 70-200mm F2.8 EX DG OS HSM / 焦点距離:70mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:30秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(5):櫛形山

標高1400m級の夜景スポットで、山梨県内でもトップクラスの高度がある。甲府市内を中心に盆地を見渡せ、迫力もある。標準レンズで全体を写すのも良いし、70mmクラスの焦点距離で明かりの一部を切り取るのも良さそうだ。なお、周囲は熊出没の看板があるため、山奥には入らないよう気をつけた方が良いだろう。冬~春は通行止めの時期があるので、注意。(地図

写真8 甲府盆地の大パノラマを写す

櫛形山

[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:SIGMA APO 70-200mm F2.8 EX DG OS HSM / 焦点距離:70mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:25秒 / 絞り数値:F9 / ISO感度:400 / WB:太陽光 ]

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■今月のお勧めスポット「やまなしフルーツ温泉ぷくぷく」

笛吹川フルーツ公園に隣接する夜景が見える温泉。ほったらかし温泉が以前から有名だが、ぷくぷく温泉の露天風呂から見える甲府盆地の夜景もまた美しい。撮影帰りに夜景をゆっくり眺めて帰るプランもおすすめ。(営業時間や料金は2018年6月時点の情報)

営業時間:平日 AM11:00〜 PM11:00/土日祝 AM10:00〜 PM11:00
所在地:山梨県山梨市大工2589-13
アクセス:中央自動車道 勝沼I.C OR 一宮御坂I.Cより 13km 約30分
料金:860円(大人1名)
URL:https://www.puku-puku.com/

写真9 ぷくぷく温泉手前からの夜景

ぷくぷく温泉手前からの夜景

ぷくぷく温泉の入口手前から振り返ると、甲府盆地の大パノラマが広がる。階段の途中にベンチがあり、お風呂上がりに涼みながら夜景を楽しむのも良いだろう。

岩崎拓哉
著者について
■ 夜景写真家 岩崎 拓哉 ■1980年生まれ。大阪府出身、神奈川県在住。法政大学経済学部卒。 2003年より夜景写真家を志し、日本全国や海外で夜景を撮影。 Webエンジニアの経験も活かし、「夜景INFO」などの夜景専門サイトを立ち上げる。カメラ雑誌の原稿執筆、夜景撮影の講師経験も豊富。総合・国内旅行業務取扱管理者の資格も持つ。 著書に「プロが教える夜景写真 撮影スポット&テクニック(日経ナショナルジオグラフィック社)」「夕景・夜景撮影の教科書(技術評論社)」。
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