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星景写真家・北山輝泰の日本星空名所案内
第10回 中部編~ 06


Photo & Text:北山輝泰


TOPIX

新型コロナの第6波が大きな影響を与えておりますが、皆様お変わりないでしょうか。今年は寒い日が続いておりますので、お体にはご自愛ください。さて、本日の更新は星景写真家・北山輝泰氏の「日本星空名所案内」です。前回に引き続き中部編をお送りいたします。お楽しみください。 by 編集部

<本記事は 2022 年 2 月現在の情報です。現地の状況はご覧いただく時期により記事内容と異なる場合がございます。>

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皆さん、こんにちは。星景写真家の北山です。寒い日が続いておりますが、風邪など引いていらっしゃらないでしょうか?この時期の星空観察は寒さとの戦いです。星をご覧になる際には防寒の準備をしっかりして、体調を崩さないようにしてくださいね!さて、今年2回目の更新は、中部編の vol.6 ということで、山梨県の撮影スポットをご紹介します。

Index

1.山梨県の撮影スポット

今回ご紹介をするのは、山梨県南都留郡山中湖村にある「交流プラザきらら」です。山中湖の東側の静かな湖畔に位置しており、原っぱやテニスコート、野外劇場など、複合的な施設を兼ね備える交流施設になります。中部編 vol.2 でご紹介をした「長池親水公園」より、少し東南に下ったところにあります。メイン道路から一本外れたところにあるため、街灯なども少なく星空を見る環境としては申し分ありません。また、24 時間使えるトイレもあるため、長時間滞在をしながらの撮影にも適しています。

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2.交流プラザきららの撮影ポイント

まずきららに着いたら目に止まるのが、雄大な富士山でしょう。湖畔沿いには整備された遊歩道があり、どこからでも遮るものがない綺麗な富士山を見ることができます。富士山は西の方角にあるため、沈む星々と共に撮影することができます。
今の時期は、夜半過ぎに冬の星座が沈んでいきますが、ここからはオリオン座が富士山頂をかすめて沈んでいく様子を撮影することができます。

一方、夏から秋になると、天の川が沈んでいく様子を富士登山者の明かりとともに撮影できるので、ぜひその時期も訪れてみてくださいね。
遊歩道沿いはどこからでも絵になりますが、おすすめは遊歩道と平行するように作られている木道からの景色です。一段低い位置にあるため、風が吹いていない穏やかな日には、湖に反射する星空も狙えるでしょう。注意するべきところとしては、機材を誤って落下してしまうとそのまま湖にボチャンとなってしまうことです。また、冬の時期は木道が凍って滑る危険性もありますので、十分注意するようにしましょう。

写真1

カメラ: α7SⅢ 
レンズ: TAMRON 17-28mm F2.8 

シャッター速度:10.0秒 
ISO感度1600 
絞り:f2.8 ホワイトバランス:蛍光灯

写真2

カメラ: α7SⅢ 
レンズ: TAMRON 17-28mm F2.8 

シャッター速度:10.0秒 
ISO感度1600 
絞り:f2.8 ホワイトバランス:蛍光灯

写真3

カメラ: Canon 6D 
レンズ: TAMRON SP 15-30mm F2.8 G2

シャッター速度:15.0秒 
ISO感度2500 
絞り:f2.8 ホワイトバランス:蛍光灯



運の要素が強いですが、稀に湖面を泳ぐ白鳥と一緒に撮影することもできます。餌を探している時は忙しなく動いていますが、寝入るタイミングで撮影できれば、ブレの少ない写真も撮ることができるでしょう。

写真4

カメラ: α7Ⅳ 
レンズ: FE14mm F1.8 GM 
シャッター速度:1.6秒 
ISO感度6400 
絞り:f1.8 ホワイトバランス:蛍光灯

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3.交流プラザきららの撮影ポイント(2)

交流プラザきららには二つ駐車場がありますが、そのうち第一駐車場の近くから湖に向かって歩くと、左手に大きな芝生の広場があり、ここでは寝っ転がって星空を見ることができます。



写真5

東側にある街灯が多少目につきますが、十分広い範囲の星空を見ることができるため、流星観察・撮影に最適でしょう。ただし、鹿の糞があちらこちらに落ちているため、よく場所を確認しつつ、場合によってはレジャーシートなどを使用するのがよいでしょう。芝生広場の端にはおしゃれな形をした木が埋まっていますので、星景写真の構図のアクセントにするのもいいかもしれません。


写真6

カメラ: α7SⅢ 
レンズ: TAMRON 17-28mm F2.8 
シャッター速度:10.0秒 
ISO感度1600 
絞り:f2.8 ホワイトバランス:蛍光灯

写真7

カメラ: α7SⅢ 
レンズ: TAMRON 17-28mm F2.8 
シャッター速度:10.0秒 
ISO感度1600 
絞り:f2.8 ホワイトバランス:蛍光灯

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4.交流プラザきららの撮影ポイント(3)

第二駐車場付近には、子供たちが遊ぶ屋外遊具があり、この付近には富士山へ続くようにちょっとした木立があります。またその道を歩いて行くと、木道へと降りるところに桜の木が埋まっています。きららの面白いところは、芝生広場にもあるように面白い形の木が点在しているところです。遠景の風景ばかりだとつまらないと感じた場合は、このような木をアクセントにしていくのが良いでしょう。

写真8

カメラ: α7SⅢ 
レンズ: TAMRON 17-28mm F2.8 
シャッター速度:10.0秒 
ISO感度1600 
絞り:f2.8 ホワイトバランス:蛍光灯

写真9

カメラ: α7SⅢ 
レンズ: TAMRON 17-28mm F2.8 
シャッター速度:10.0秒 
ISO感度1600 
絞り:f2.8 ホワイトバランス:蛍光灯

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5.交流プラザきららの撮影ポイント(4)

ここまでは広場や遊歩道沿いでの撮影についてご紹介してきましたが、第二駐車場から北側に歩くと、砂浜に降りられる場所があります。湖に一番近づけるため、水際で撮影されたい場合にはこの場所を選ぶのが良いでしょう。NDフィルターなどを用いてシャッタースピードを長くし、湖面の揺らぎを平滑化しながら星の軌跡を撮影するのも面白いかもしれませんね。



写真10

写真11

カメラ: α7SⅢ 
レンズ: TAMRON 17-28mm F2.8 

シャッター速度:10.0秒 
ISO感度1600 
絞り:f2.8 ホワイトバランス:蛍光灯

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6.交流プラザきららへのアクセス

交流プラザきららへのアクセスですが、自家用車の場合は、東富士五湖道路の山中湖IC を東方向に出て、山中湖の北岸を道なりに進み、413 号線沿いにある「交流プラザきらら」の看板のところで右折するのが良いでしょう。駐車場は、出場する時に 300 円支払う必要がありますので注意しましょう。
 また、新宿駅南口もしくは東京駅からは、山中湖行きのバスが出ており、山中湖停留所からは「ふじっ湖号バス」という周遊バスも出ているため、日中は公共交通期間を使ってアクセスすることも可能です。きらら周辺には宿泊施設も数多くあるため、滞在しながら撮影するのも良いでしょう。

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7.まとめ

中部編 vol.6、いかがでしたでしょうか?今回ご紹介した交流プラザきららは、山中湖の端に位置していることもあり、そこまで混み合うこともなくゆっくり撮影することができます。ぜひ一度、星景撮影に訪れてみてくださいね!次回も山梨県の撮影スポットをご紹介します。乞うご期待!

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著者について
北山輝泰 星景写真家 1986年東京生まれ。 日本大学芸術学部写真学科 卒業 大学在学中、星好きだった恩師の影響で宇宙や天体写真に興味を持つようになる。卒業後、福島県鮫川村に移住をし、本物の星空に触れる生活を始める。 その後、天体望遠鏡メーカーに転職し、営業として7年勤務した後、星景写真家として独立。現在は天文雑誌「星ナビ」のライターをしながら、全国で星景写真のワークショップや創作活動を行っている。ワークショップ詳細については Facebookページ「ナイトフォトツアーズ」にて。