星景写真家・北山輝泰の日本星空名所案内
第7回 東北編~ 01
TOPIX
秋も深まり星空が美しい季節になってまいりました。さて、星景写真家の北山氏が紹介する星景写真のおすすめスポットですが。東北地方を取り上げました。今回は氏も毎年ワークショップを開催する鮫川村を取り上げております。 by 編集部
<本記事は 2021 年 11 月現在の情報です。現状は記事内容と異なる場合がございます。> |
皆さんこんにちは。星景写真家の北山です。
短い秋が間も無く終わり、寒さ厳しい冬が訪れようとしています。冬は日本本州の上空を偏西風が吹くため、星空観察の邪魔になるチリを吹き飛ばしてくれて、クリアな空が見られる季節でもあります。ぜひみなさんも星空観察に出かけてみてくださいね。さて、今回より新たに東北編がスタートです。はじめは福島県にある星空名所をご案内したいと思います。
Index
1.福島県の撮影スポット
今回ご紹介をするのは、福島県東白川郡鮫川村にある「 鹿角平観光牧場 」です。鹿の角と書いて「 かのつの 」と読みます。牧場といっても現在は牛や馬などは放牧されておらず、青々とした草原が広がる気持ちの良い場所です。牧場内には、キャンプ場やコテージ、売店、クロスカントリーコースなどが併設されています。
また、鹿角平で最も高いところには村営の天文台があり、事前に予約をすることで、星空インストラクターのユニークな話を聞きながら天体観察をすることができます。(※5名以上の団体のみ、鮫川村役場に要問合せ)
この天文台周辺は、360度視界も開けているため、星空撮影・観察に最適です。キャンプ場やコテージに滞在をしながら気軽に星空観察をすることができるため、ビギナーの方やご家族連れにもおすすめです。
2.鹿角平牧場の撮影ポイント(1)
鹿角平の天文台周辺は標高708mあり、市街地からも離れているため、晴れていれば満天の星空を見ることができます。肉眼でも天の川の存在が分かるほど空が暗く、ヘッドライトなしでは歩けないほどです。天文台は小高い丘の上にあり、車が走る道路とは隣接していないため、余計な明かりや振動に悩まされることなく撮影できるのも良い点でしょう。
被写体としては、草原の雄大な景色を撮るも良し、天文台の研修室やドームを被写体に撮影するのもおすすめです。(※通常はドームのスリットは閉じています)
360 度あらゆる方角から撮影できますので、東から昇る星座と絡めたり、北極星を中心とした日周運動と一緒に撮影するのも良いでしょう。また、流星群が見られる期間は、芝生にシートを敷いて寝っ転がっての流星観察がおすすめです。市街地で見るよりも、きっと多くの流星を見ることができるはずです。
3.鹿角平牧場の撮影ポイント(2)
天文台周辺で撮影した後、もし余裕があれば、牧場を歩き周りながら撮影するのも良いでしょう。特にクロスカントリーコースは整備されているので、歩いて被写体を探しながら撮影するのに最適です。鉄塔や、草を発酵させるためにぐるぐる巻きにしたロールも、星景の被写体にしたら意外と良いアクセントになってくれます。草原の起伏を生かして撮影するのも面白いでしょう。
クロスカントリーコースの一部からは、天文台のドームを遠くに望むことができます。西の空に沈んでいく星とドームを望遠で撮影することもできますので、発想次第では面白い写真が撮れるかもしれません。
4.鮫川村の撮影ポイント
鹿角平観光牧場周辺だけでなく、鮫川村は村内各地に魅力的な撮影ポイントがあります。中でも人気の場所が「 江竜田の滝 」です。江竜田とは地名のことで、実際には、二見ヶ滝、そうめんの滝、虹ヶ滝、青葉の滝など複数の滝が存在しています。青々とした新緑の季節や紅葉の時期などが特におすすめです。
江竜田の滝で星景撮影をする場合は、月明かりを利用して撮影を行いましょう。そうすることで、地上を明るく見せることができます。撮影する方向は北東~東になりますので、南西から月があたる時間帯に行くのがベストでしょう。
5.鮫川村へのアクセス
鮫川村へのアクセスは、東北道の白河IC から車で約1時間、もしくは常磐道の勿来IC から車で約 45 分です。村内にはコンビニなどないため、できれば市街地で食料品などを買い込んでから来るのがおすすめです。村内中心部にある直売所の「手まめ館」では、村の特産品である大豆を中心とした加工品が数多く販売されています。特に納豆やきなこなどは一度食べたら病みつきになること間違いなしです。
6.まとめ
今回は東北編のvol.1ということで福島県の鮫川村をご紹介しました。鮫川村では、毎年星をテーマにした写真のワークショップを行っていますので、ご興味ある方は村のHPをご確認いただけたらと思います。また、私のYouTubeチャンネルでは、そのワークショップの模様もVlog風にまとめていますので、よろしければご覧ください。
7.次回予告
次回は東北編 vol.2ということで、山形の撮影地をご紹介します!乞うご期待!
■ 制作・著作 ■
スタジオグラフィックス
北山輝泰