【2つのレンズ】
FinePix REAL 3D W3は、2つのレンズとCCDで、右眼用と左眼用の写真を同時に撮影。 |
【レンチキュラーシート方式】
本体の液晶はレンチキュラーシート構造で、両眼にそれぞれ別の画像が届きます。富士フイルムのホームページ提供。 |
【「焦点距離」が意味するところは?】
本体の3D液晶にはレンチキュラーシートによって2つの画像が重ねて表示されます。富士フイルムのホームページ提供。 |
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3Dのしくみは実はシンプルで左右の目で視る角度や距離の違いから生じる「両眼視差」(りょうがんしさ)を利用しています。
ヒトは目標物までの距離を右目と左目で見たときの距離のズレ(視差)から把握すると言われています。例えば、ボクサーが対戦相手のパンチでどちらかの目の上を腫らしてしまったとき、実況や解説者が「相手との距離がはかりづらいですね」とか言いますし、眼帯をした状態でモノを取るときに距離感に不便を感じたりする、のはこのためです。
すなわち、3Dテレビや3Dデジタルカメラは、両眼にそれぞれ別の画像を見せ、その視差によって視聴者やユーザは立体的に感じさせるのです。
では、どのように画像を撮って、どのように視せるのでしょうか。
富士フイルムの『FinePix REAL 3D W3』は、3Dを裸眼で立体視できる液晶を搭載したデジタルカメラとして知られています。実際、実機を手にとり、3Dで撮ってみて、3Dで再生すると画像はなるほど立体的に見えます。動画ももちろん立体的に飛び出して見えます。
FinePix REAL 3D W3の前面デザインを見ると一目瞭然なのですが、レンズが2つ付いていることに気がつきます。富士フイルムの関係者によれば、ヒトの両眼の位置を想定して離れた位置に2つのレンズを配置するのが、より効果的とのことです。
このカメラの場合は本体の両端に近い位置に2つのレンズを配置し、2つのCCDを用いて、右眼と左眼で視た角度と距離に相当する画像をそれぞれ同時に撮影しています。
そのため、3Dで撮っていても、普通の2D画像で見たければどちらか一方の画像だけ表示したり、プリントすれば良いのです。しくみ上は必ずしも撮影時に2Dか3Dかを排他的に選択する必要はありません。
両眼用にそれぞれ撮った画像を、ヒトの両眼にそれぞれ見せれば立体画像として感じます。FinePix REAL 3D W3の場合は、裸眼でも立体的に感じるように、ごくわずかに凹凸のあるレンズ状シートの液晶画面によって、右眼と左眼に別の画像を表示しています。実際にはこの「レンチキュラーシート」によって左右の眼にそれぞれ別の画像が届けられています。
両眼にそれぞれ届く画像の視差は通常はカメラが自動で視差を調整しますが、より見やすく自然な立体感を実現するために、この視差を手動で調整することで立体感を大きくしたり、違和感をなくしてさりげない立体に調整することもできます。 |