デジタルカメラを買おうとしたときに、真っ先に気になるのが画素数ですよね。デジタルカメラだけでなく、携帯電話に装備されているカメラ機能でも画素数が話題になります。わたくしも、パソコンに興味を持ち始めた知人から「A社のBってデジタルカメラ買おうと思うんだけれど、500万画素モデルと400万画素モデルがあるんだよね。値段も1万円違うんだけれどどっちがいいと思う?」なんて質問をされることがよくあります。このように、デジタルカメラの性能や画質の尺度として使われる解像度ですが、いろいろな雑誌・書籍やWebサイトなどで「画素数だけが画質を左右するわけではない」とか「高画素のコンパクトサイズのデジタルカメラは画質が悪い場合も多い」なぁんて記述も見かけますよね。画素数が多ければ、綺麗な画像が撮影できるはずなのに何故このようなことが書かれることがあったりするのは変ですよね。
では、デジタルカメラの画素数は、画質にどのような影響を与えているのでしょうか。
今回は、画素数と画質のしくみに迫ってみましょう。
デジタルカメラは、CCDを使って光をいきなりデジタルデータに変更しているわけではありません。CCDは、光をまず電荷というものに変換します。この電荷を集めて、その量によってデジタルデータとして表現できるようになるのです。このとき、CCD自体は電荷を集めてデジタルデータに変換することはできずに、CCDの電荷を増幅器という別の場所に転送する必要があるのです。そして、IT-CCD方式のCCDは、1つの画素の中に光を電荷に変換する部分と、電荷を転送する部分の両方を装備している方式なのです。つまり、IT-CCD方式のCCDは、CCDの全面を使って光を受けることはできないのです。 デジタルカメラが画像データ作り出す素は「光」です。光を多く受けることができれば、色の再現の幅(ダイナミックレンジ)も大きくなります。そして、色の再現の幅が大きいということは、一般的に画質が良いといわれるようになります。しかし、IT-CCD方式では受光面積が小さくなってしまいますから、他の方式に比べると画質は悪くなってしまいます。では、なぜデメリットがあるIT-CCD方式が現在のデジタルカメラに採用されているCCDの主流なのでしょうか。それは、受光して光を電荷に変換するための部分と電荷を転送させる部分とを物理的に分離したパーツとして構成できるので、それぞれの特性を分けて効率良く向上させる開発が行えること、そして製造コストを安くできるという利点があるからです。しかも、画質は最良にはならないとはいえ、極端に使い物にならないというほど悪くなるわけではないので、価格と画質とのバランスがよく取れているとさえいえるでしょう。このような理由から、安い価格で発売しなければいけないコンパクトサイズのデジタルカメラには、IT-CCD方式が多く採用されているのです。
ではここで、IT-CCD方式のCCDを使ったデジタルカメラの画素数を増やすことを考えてみましょう。このようなときに、CCDのサイズを大きくできればいいのですが、通常は今までの大きさのままで画素数を増やすのが一般的です。今回も、CCDのサイズは変更せずに、画素数を4倍に増やしたと仮定してみましょう。このとき、画素1つあたりの面積は、今までの画素数のときに比べてどのようになっているでしょうか。
画素数を4倍にしたということは、縦も横もそれぞれさらに半分に分割したと考えられますから、面積は1/4になりますよね。ところが、このとき画素1つあたりの面積は1/4になっても、受光できる面積は1/4ではないのです。IT-CCD方式では1つの画素の中に、受光する部分だけでなく電荷を転送するための領域を確保しておかなければいけないのですが、この転送用の領域はさほど小さくすることができず、単純に1/4にできないからなのです。転送用の領域が小さくできなかった分は、受光領域を犠牲にするしかありません。つまり、受光領域は、以前の画素数のときに比べると小さくなってしまうのです。受光領域が小さくなれば、受けられる光の量も少なくなってしまいますから、当然、色の再現の幅も小さくなってしまい、色の深みだけで比べると画素数が多い方が画質が劣って見えてしまうのです。