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夜景写真家・岩崎拓哉の夜景撮影講座
第47回 お台場以外にも撮影エリアが充実!東京ベイエリア夜景の撮り方入門

Posted On 2018 10月 19
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Photo : Takuya Iwasaki

TOPIX

全国各地の夜景スポットをご紹介するシリーズも10回目を迎えました。今回は大人気の東京ベイエリアの夜景スポットをご紹介します。しかしながら、定番である「 お台場 」を外してのご紹介です。ちょっとした穴場スポットかもしれません!ぜひ、ご覧ください。 by 編集部

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10月に入り、築地市場が豊洲市場へ移転するニュースが大きく報道されました。東京ベイエリアは東京オリンピックの開業に合わせて、大規模な工事・整備が行われており、街の景観も日々変化する一方で、新しい夜景スポットも生まれつつあります。今月は定番中の定番である「お台場」以外の夜景撮影スポットを解説します。

写真1 東京オリンピック開催に向けて変化する東京ベイエリア

オリンピックに向けた工事

晴海埠頭・豊洲のタワーマンション群を写す。晴海エリアは東京オリンピックの開業に合わせて大規模な工事が進んでいる。景観の変化も夜景撮影を通じて楽しめる。

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■東京ベイエリアの特徴

東京ベイエリアが具体的にどこのエリア(地名)を示すかは、明確には決まっていないが、一般的には港区・中央区・江東区の3つの区の臨海部を表す。東京都の「東京ベイエリアビジョン(仮称)」によると北は築地から南は青梅までがエリアに含まれている。一般的には東京ベイエリア=お台場をイメージする人がほとんどで、夜景撮影においてもメインはお台場エリアとなるが、豊洲・有明エリアを中心に公園の整備が進んでおり、ここ最近は急速に夜景スポットが増えている。逆に東京オリンピックの工事の影響で、東八潮緑道公園などが工事で立入が規制(一部)されている場所もあり、事前の情報収集が欠かせない。

写真2 東京ベイエリアの地図

東京ベイエリアマップ

東京ベイエリアでの夜景撮影はレインボーブリッジが被写体の中心となるが、ロケーションによっては東京タワーや東京スカイツリーも見渡せる。東京ゲートブリッジが撮影できる若洲海浜公園も人気がある。

(地図素材:CraftMap

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■東京ベイエリアの夜景撮影のポイント

東京ベイエリアで夜景を撮影するにあたり、特段気をつけることは無いが、1日に複数の夜景スポットを巡るなら、日没の時間に合わせてタイムスケジュールを組んだり、撮影スポットが工事などで立入禁止になっていないか、インターネット等で予め調べておきたい。撮影機材は標準ズームレンズや望遠レンズズームを使用することが多く、レインボーブリッジやジャンクションを間近で撮るようなシーン以外は広角ズームレンズの出番はほとんど無いだろう。

写真3 駐車場が整備された「豊洲ぐるり公園」

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2018年4月に全面開園した豊洲ぐるり公園には、駐輪場や駐車場が設けられていて、ゆりかもめ市場駅からも徒歩圏にある。コインパーキングなどを活用して、1日にたっぷり夜景スポットを巡るのも良いだろう。

(1)梅雨時期などを外せば年間を通じて撮影できる

関東地方は「冬晴れ」の傾向があるため、秋~冬が最も撮影に適しているが、雪の影響などはめったに受けないため、年間を通じて撮影が楽しめる。1日に長時間撮影するなら、日没の早い秋~冬がベスト。

(2)公共交通機関、車のどちらでもアクセスしやすい

電車でのアクセスが良好で、ゆりかもめに乗車すれば、多くの主要スポットを訪問できる。一日乗車券でお台場エリアも合わせて訪問するのも良いだろう。

(3)風の強い場所が多いので、安定感ある三脚が望ましい

公園など海に面した撮影スポットが多いため、風の影響を受けやすい。特に望遠レンズを使って東京タワーやレインボーブリッジを撮るようなシーンでは、丈夫で安定感のある三脚を使いたい。

(4)工事やイベントなどの情報を予め入手したい

東京ベイエリアは東京オリンピックの関係で、公園や施設の工事が行われており、立入が規制されている場所も多い。例えば隅田川に架かる永代橋や清洲橋は工事の関係で、ライトダウンしていたりと、夜景撮影への影響が大きいので、訪問する場所の情報は予め調べておくと良いだろう。

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■撮影スポット(1)豊洲ぐるり公園

2017年7月に部分開園し、2018年4月に全面開園した広大な公園。園内は東京ベイエリアを一望でき、レインボーブリッジを中心に東京タワーから東京スカイツリーまで広範囲に見渡せる。アクセスも良く、開放感ある公園からは東京屈指のベイエリア夜景が楽しめる。撮影から鑑賞まで幅広いシーンで楽しめ、雰囲気も良いので、お台場エリアと合わせて訪れると良いだろう。レインボーブリッジは距離があるので、70mm前後から始まる望遠レンズを持参すると良い。(地図

写真4 トワイライトタイムにレインボーブリッジを写す

豊洲ぐるり公園

[ ボディ:CANON EOS 6D MarkII / レンズ:EF70-300mm F4-5.6 IS II USM / 焦点距離:77mm / 撮影モード:絞り優先 / シャッター速度:8秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:100 / WB:白色蛍光灯 ]
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■撮影スポット(2)東雲水辺公園

辰巳運河沿いに整備された公園。辰巳桜橋からはタワーマンション群が見渡せ、位置によっては東京スカイツリーも遠くに見える。住宅の明かりなので、平日と休日で光量差はさほど無いが、平日は通勤帰りの会社員が多いので、休日の方がゆったりできる。(地図

写真5 広角レンズでタワーマンション群を写す

東雲水辺公園

[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:EF16-35mm F4L IS USM / 焦点距離:16mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:20秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]
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■撮影スポット(3)富士見橋

豊洲と有明を結ぶ橋で、豊洲市場が完成する前は東京スカイツリーも見渡せた。レインボーブリッジが被写体の中心となるが、東京都心のビル明かりも良く見えるので、豊洲ぐるり公園をアクセントに写す構図もおすすめ。歩道はフットライトで照らされていて雰囲気が良く、初心者でも訪問しやすい。(地図

写真6 東京都心のビル群と豊洲ぐるり公園を移す

富士見橋

[ ボディ:CANON EOS 6D MarkII / レンズ:EF70-300mm F4-5.6 IS II USM / 焦点距離:113mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:13秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]
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■撮影スポット(4)有明北緑道公園

有明エリアに整備された縦長に広大な公園で、北側は東京タワーやレインボーブリッジが見渡せ、南側は有明JCTやパレットタウンの観覧車が見渡せる。入口は少しわかりにくいが、有明スポーツセンター付近と、木村屋総本店の横に通路から公園内に入れる。立ち位置によって景観が大きく異なるので、撮影に夢中になると1時間でも全然足りないほど。歩く時間も長くなるので、時間に余裕を持って訪問したい。(地図

写真7 望遠レンズで東京タワーを中心に写す

有明北緑道公園

[ ボディ:CANON EOS 6D MarkII / レンズ:EF70-300mm F4-5.6 IS II USM / 焦点距離:143mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:20秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]
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■撮影スポット(5)晴海大橋

晴海と豊洲を結ぶ橋で、両側に歩道が整備されている。西側の歩道からはレインボーブリッジ、東側の歩道からは豊洲や晴海のタワーマンション群を中心に、ららぽーと豊洲まで見渡せる。作例は東側の歩道から撮影しており、タワーマンションの温かみある明かりが印象的。橋の歩道は大型車両の通行で揺れることがあるので、撮影時は車の通るタイミングを見極めながら、ブレに注意したい。(地図

写真8 タワーマンション群とららぽーと豊洲を写す

晴海大橋

[ ボディ:CANON EOS 6D MarkII / レンズ:EF16-35mm F4L IS USM / 焦点距離:20mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:20秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]
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■今月のお勧め夜景スポット「有明スポーツセンター」

NHK@首都圏「ひるまえほっと」でも紹介された、知る人ぞ知る穴場スポット。展望廊下からはお台場方面を中心に夜景が見渡せ、東京タワーやレインボーブリッジも見える。室内からの撮影となるため、写り込み対策をしっかりしよう。

有明スポーツセンター
営業時間:22時まで(休館日あり)
所在地:東京都江東区有明2-3-5
アクセス: ゆりかもめ「お台場海浜公園駅」約14分(駐車場あり)
料金:無料
URL:有明スポーツセンター(夜景INFO)

写真9 お台場方面を写す

有明スポーツセンターからの夜景

パレットタウンの観覧車とタワーマンションを写す。長時間露光で首都高を走る車の光跡を入れても良いだろう。

著者について
■ 夜景写真家 岩崎 拓哉 ■1980年生まれ。大阪府出身、神奈川県在住。法政大学経済学部卒。 2003年より夜景写真家を志し、日本全国や海外で夜景を撮影。 Webエンジニアの経験も活かし、「夜景INFO」などの夜景専門サイトを立ち上げる。カメラ雑誌の原稿執筆、夜景撮影の講師経験も豊富。総合・国内旅行業務取扱管理者の資格も持つ。 著書に「プロが教える夜景写真 撮影スポット&テクニック(日経ナショナルジオグラフィック社)」「夕景・夜景撮影の教科書(技術評論社)」。