萩原和幸の新製品レンズレビュー
Tokina AT-X 14-20 F2 PRO DX
ポートレート編
TOPIX
萩原和幸がお届けしている AT-X 14-20 F2 PRO DX レンズレビュー後編はポートレート。開放 F 値 2.0 という単焦点レンズ並みの描写性能を誇る広角ズームレンズで、モデル桜めいさんに迫ります。これまで敬遠されがちだった広角レンズでのポートレート。AT-X 14-20 F2 PRO DX はどこまでこのタブーに迫れるのか。お楽しみください。 by 編集部 |
■ 広角レンズはポートレートに向かない?
「 AT-X 14-20 F2 PRO DX 」は APS-C センサー機対応で、35mm 換算で約 21〜30mm 前後をカバーする。ズーム域こそ 1.5倍 と控えめに感じるが、撮影頻度が高い焦点域をしっかりと押さえた、「 実践向き 」のレンズだ。ポートレート撮影時にはボケが欲しくなることが多いが、広角レンズは被写界深度が深く、開放値近辺で撮影したくなる。しかし開放近くでの撮影は周辺光量低下や画質の安定性など、それなりのリスクと隣り合わせになるのが通常。だがこの AT-X 14-20 PRO DX は、そんな心配はどこ吹く風。広角レンズでは泣き所と言える周辺の解像性能は開放から安定し、1段絞りを与えることで不安は全て解消する。開放近くで得られるボケは美しく、なだらかでかつナチュラル。点光源の丸ボケは周辺でも歪むこと無く美しい。それを見たくてわざわざ点光源を背景にしたくなってしまうほどだ。また開放値 F2.0 の明るさで、ボケが大きくなるだけでなく、明るさゆえに低感度での設定が可能になるので、それだけ画像のクオリティを保つことができる。F2.0 の恩恵は大きいのだ。
とにかくカットをご覧いただくのが、一番の説得力。全てのカットをごらんいただいた暁には、「 広角でポートレート? 」などという疑問は払拭されているだろう。
前回に引き続き、「 AT-X 14-20 F2 PRO DX 」を今回も Canon EOS 7D MarkII に装着した。重複するが、「 AT-X 14-20 F2 PRO DX 」の焦点距離は 35mm 版換算で約 21 〜 30mm 前後になる。
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Tokina AT-X 14-20 F2 PRO DX ■ メーカーサイト ■ AT-X 14-20 F2 PRO DX |
■ ポートレート作例
本文中の 実画像 の文字をクリックするとカメラで撮影した実際の画像が別ウインドウで表示されます。容量が大きいのでモバイル端末での表示に注意してください。
■ 総評
さあ、ご覧いただいた通り! 広角レンズでポートレート? なんて疑問を抱いていた方々も、これだけの作品をご覧いただいたら納得されたはず。「 AT-X 14-20 F2 PRO DX 」はポートレートでも抜群の使いやすさだ。レンズ性能の高さはもちろんだが、使いやすい画角を備えているので、広角ポートレートをこの1本でまるまる楽しめてしまう。歪みはほとんど感じられず、ズームレンズとは思えないボケに開放から安定した画質。まるで単焦点レンズをつけているかのような描写に、私自身、とっても満足している。開放近くで撮影することが多いポートレートだが、周辺光量の減光も抑えられていて、この点も絞り開放での撮影を後押ししてくれる。F2.0 という大口径はここでも恩恵を感じた。ボケだけではく、ISO 感度の設定にも一役買ってくれた。できるだけ感度を抑えたいと考える私には、F2.0 のズームレンズは心強い。
私がこれまで出会った広角ズームレンズの中で最高と言い切れる。APS-C センサー機のユーザーは、一度は候補にしてほしい。そして一度使っていただきたい。素晴らしい画質を実感していただきたいと、心から願ってしまう。掛け値なしで、素晴らしいレンズだ。
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Tokina AT-X 14-20 F2 PRO DX ■ メーカーサイト ■ AT-X 14-20 F2 PRO DX |
■ 制作・著作 ■
スタジオグラフィックス
萩原 和幸
■ モデル ■
桜めい(ABP)
■ ヘアメイク ■
貞廣有希