萩原和幸の新製品レンズレビュー
Tokina AT-X 14-20 F2 PRO DX
スナップ編
TOPIX
広角レンズに定評のあるケンコー・トキナーから、単焦点レンズ並みの描写性能を誇る広角ズームレンズ、AT-X 14-20 F2 PRO DX が発売されました。受光部は APS-C サイズフォーマットで、マウントはニコン、キヤノンに対応。開放 F 値、2.0 を実現した新設計の広角ズームレンズを、本サイトでお馴染みの写真家・萩原和幸が2回に分けてレポートします! by 編集部 |
■ 単焦点レンズに匹敵する描写性能
ケンコートキナーが従来の開放値 F2.8 からさらに明るい F2.0 の広角ズームレンズを開発した。大口径ズームレンズでありながら、絞り開放からきわめて高性能を発揮する新設計を採用した、その第一弾が「 AT-X 14-20 F2 PRO DX 」だ。APS-C センサーサイズ機対応、単焦点レンズに匹敵する描写性能を持つこのレンズで、萩原がスナップとポートレートを撮ってみたので、今回と2回に分けて、その性能を存分にお見せすることにしよう。前編の今回はスナップ編だ。
全長 106mm、最大径 89mm、フィルターサイズ 82mm、重量 735g。今回レビュー用に用意いただいた AT-X 14-20 F2 PRO DX はキヤノンマウント。今回の撮影は全て Canon EOS 7D MarkⅡを使った。カメラにバッテリーグリップは装着せず、ノーマルボディのままでレンズを装着するとバランスが良い。やや小さい私の手にも気持ちよく収まってくれる。
トキナーレンズ伝統の、その操作性に定評のあるワンタッチフォーカスクラッチ機構は当然搭載。AF/MF の切り替えは、他のレンズにありがちな小さい ON-OFF スイッチで切り替えるよりも、レンズ鏡筒前部のフォーカスリングをスライドさせるワンタッチフォーカスクラッチの方が断然スムーズで使いやすい。AF は「 SD-M( Silent Drive-Module ) 」と「 GMR センサー( 高精度磁気センサー ) 」を搭載。自動合焦時のモーター音は静かで速く、ストレスの無いピント合わせができる。広角レンズとはいえ大口径の開放値 F2 。F2.0 まで開くとピントがシビアになるものだが、AT-X 14-20 F2 PRO DX は開放値を安心してどんどん使えるレンズなのだ。その理由は後述する。
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■ 街角スナップを撮ってみた
さっそく撮影に出かけよう。今回は Canon EOS 7D MarkⅡ に AT-X 14-20 F2 PRO DX を装着。AT-X 14-20 F2 PRO DX の焦点距離は 35mm 換算で約 21 〜 30mm 前後だ。広角レンズとして使用頻度の高い焦点距離は 24 ~ 28mm だが、AT-X 14-20 F2 PRO DX は、ワイド側テレ側ともに余裕でカバーする。AT-X 14-20 F2 PRO DX は広角スナップにうってつけの焦点距離だ。
本文中の 実画像 の文字をクリックするとカメラで撮影した実際の画像が別ウインドウで表示されます。容量が大きいのでモバイル端末での表示に注意してください。
■ 総評
AT-X 14-20 F2 PRO DX のレンズ性能の高さは特筆ものだ。まるで単焦点レンズをつけているかのような描写と明るさ。このレンズは寄っても離れても、撮影がとても楽しくなる。単焦点 24mm や 28mm での撮影の際に感じるであろう「 もうちょっと広く 」、「 もうちょっと切って 」というわがままに応えてくれる「 お得 」なレンズと考えれば正解に近いと思う。広角レンズには希な F2.0 という大口径はあらゆるシーンで恩恵を感じさせてくれる。スナップなどでは、その恩恵を多くの場面で感じた。これだけの広角ズームレンズは、過去お目にかかったことが無いと言い切れるほどの実力だ。
次回は AT-X 14-20 F2 PRO DX の実力をポートレートでお見せしたい。広角ズームでポートレート? と首をかしげる読者もいるだろうが、AT-X 14-20 F2 PRO DX の懐の深さは、そんな疑問を一蹴してくれるだろう。次回も乞うご期待!
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■ 制作・著作 ■
スタジオグラフィックス
萩原 和幸