スタジオグラフィックス プロが教えるデジタルカメラの写真撮影&レタッチテクニック 公式 Official WebSite
SGギャラリー

夜景写真家・岩崎拓哉の夜景撮影講座
第39回 ライトアップや工場が美しい北九州夜景の撮り方

Posted On 22 2月 2018
Comment: Off

iwasaki_yakei39

Photo : Takuya Iwasaki

TOPIX

前回の北海道に続き、本州を超え今回は北九州夜景の撮り方をお届けします。日本三大夜景に匹敵するほどのスケールの大きい北九州夜景。工場夜景も楽しめ多彩な夜景が撮影できるスポットです。それではご覧ください。 by 編集部

Go To Top

今年はエリア別の夜景撮影スポット解説を重視していますが、今月は福岡県北九州市の夜景撮影スポット&テクニックを解説します。全国的には工場夜景で有名なエリアですが、日本三大夜景に肩を並べるほどのスケールがある皿倉山や関門橋のライトアップなど多彩な夜景が楽しめ、夜景撮影旅行とも相性抜群のエリアと言えます。

写真1 関門橋と門司エリアの夜景

門司港レトロ展望室からの夜景

門司港レトロ地区を中心に関門橋・下関方面まで見渡せる「門司港レトロ展望室」から撮影。北九州市内では唯一の屋内型展望施設で、撮影時は上着などを使用して、写り込み対策もお忘れなく。

Go To Top

■北九州市の特徴

北九州市は1963年に当時の門司市・小倉市・戸畑市・八幡市・若松市の5つの市が合併して誕生し、人口は約95万人と多く、九州では福岡市に次ぐ2位となっている。古くから工業が栄え、以前は京浜工業地帯・中京工業地帯・阪神工業地帯と並んで、四大工業地帯と言われていた。北九州市は工業都市のイメージが強く、遠方に住んでいる人ほど夜景のイメージが沸きづらいのだが、ライトアップからパノラマ、工場まで幅広いジャンルの夜景が楽しめ、室蘭・川崎・四日市と並んで「日本四大工場夜景エリア」にも加わっている(現在は十二大工場夜景)。

写真2 福岡県の地図

北九州の地図

北九州市は九州の玄関口となっており、地図で見ると福岡市とは相当距離が離れている。

Go To Top

■北九州市の夜景撮影のポイント

北九州市内は九州地方含め全国でも屈指の夜景観光都市であり、被写体が豊富にあるため、主要な夜景スポットを巡るだけでも最低2~3泊は必要だ。夜景スポットを紹介する前に撮影や移動のポイントを押さえておこう。

写真3 北九州空港の展望デッキからスターフライヤーの飛行機を眺める

北九州空港

東京-北九州間の空路は本数が多く、飛行機でのアクセスも良い。
また、ターミナルビルの展望デッキからは眺めも素晴らしい。

(1)気象条件:春の黄砂シーズンはなるべく避ける

九州は全体的に日没が遅く、秋~冬に訪問するとたっぷり撮影ができる。夏は日没が遅いため、撮影時間がかなり短くなる。春になると中国大陸から黄砂が来る日が多く、4月頃はあまり撮影に適さない。

(2)撮影機材:広角~望遠ズームレンズと安定感ある三脚

基本的に標準ズームレンズが1本あれば、まんべんなく撮影をこなせるが、皿倉山などからの大パノラマの撮影は広角ズームレンズがあると良い。工場夜景をメインで巡るなら望遠ズームレンズも忘れずに。高台や海岸沿いなど風の強い場所が多いため、丈夫な三脚を持参すると良いだろう。

(3)訪問手段:新幹線・飛行機を使い分ける

東京からの訪問であれば飛行機が最も短時間でアクセスできるが、自宅から羽田空港が遠かったり、逆に東京駅や新横浜駅に近い場合は新幹線の方が楽に感じることも。荷物の制限や検査の手間を考えると、長時間座る必要があるが、新幹線での訪問も一利ある。なお、新幹線は片道601km以上であれば往復割引を受けられる。大阪からの訪問であれば、迷わず新幹線がおすすめ。福岡空港経由だと北九州市まで高速道路でも1時間以上かかるため、効率が悪い。

(4)移動手段:レンタカーの利用を推奨

北九州市内は交通機関が充実しているが、夜景スポットへのアクセスは電車やバスだけでは難しい場所が多い。小倉駅周辺にはレンタカー店が多いので、ネットの予約サイトで料金を比較しながら選ぶと良いだろう。安い業者を見つければ、1日あたり4,000~5,000円前後で借りれるはずだ。

Go To Top



■撮影スポット(1):皿倉山

新日本三大夜景にも選ばれた全国屈指の美しい夜景が楽しめる。標高622mの山頂に展望台があり、北九州市内を中心とした大パノラマが見渡せ、遠くには関門橋や下関方面も見渡せる。麓の山麓駅手前に車を停め、ケーブルカーとスカイリフトでアクセスできる。とにかく視界が広く、遠くの方まで夜景が見渡せるため、広角レンズの出番が多い(地図)。

写真4 広角レンズで大パノラマを写す

皿倉山からの夜景

[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD (Model A012) / 焦点距離:22mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:15秒 / 絞り数値:F10 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]

Go To Top

■撮影スポット(2):高塔山公園

皿倉山に次いで人気のあるパノラマ夜景スポット。撮影スポットというよりはデートスポットとして人気があるが、景観や地形に特徴があり、撮影も十分に楽しめる。若戸大橋や工場などの被写体を望遠レンズで写したり、広角または標準レンズで街明かりを写すのも良いだろう(地図)。

写真5 若戸大橋を中心に工業地帯と街明かりを写す

高塔山公園の夜景

[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:TAMRON SP 70-300mm F4-5.6 Di VC USD (Model A005) / 焦点距離:70mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:13秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

Go To Top

■撮影スポット(3):門司港レトロ地区

JR門司港駅周辺に残る、かつて外国との貿易で栄えた時代の建物が多く、大正レトロの雰囲気を感じながら、夜景観賞が楽しめる。建物のライトアップが充実しており、カメラを持っての夜景散歩もおすすめ。建物を近くで撮ることが多いので、広角~標準レンズの使用頻度が高い。なお、門司港レトロ展望室(レトロハイマート)から撮影する時は写り込み対策を忘れないように(地図)。

写真6 門司港レトロの街並み

門司港レトロ地区

[ ボディ:CANON EOS 5D Mark2 / レンズ:CANON EF16-35mm F2.8L II USM / 焦点距離:23mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:15秒 / 絞り数値:F9 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]

Go To Top

■撮影スポット(4):めかり公園 第2展望台

関門橋を見渡せる絶好のロケーションで、夜景スポットとしての人気が高い。関門橋を中心に下関エリア、門司エリアの街明かりも視界一面に広がり、被写体も豊富。なお、関門橋のライトアップは1日あたり3時間前後で、時期によって点灯開始・終了時間が異なる。詳細は「関門橋のライトアップ・夜景スポット」などを参考にして欲しい。車の光跡をキレイに入れるなら長時間露光での撮影をお忘れなく(地図)。

写真7 光跡と関門橋のライトアップ

関門橋のライトアップ

[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:TAMRON SP 70-300mm F4-5.6 Di VC USD (Model A005) / 焦点距離:84mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:10秒 / 絞り数値:F10 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

Go To Top

■撮影スポット(5):北九州アイアンツリー

2013年から新日鐵住金小倉製鐵所の煙突がライトアップされ、市民からの公募で「北九州アイアンツリー」と名付けられた。毎週金・土・日にかけてライトアップされ、時間ごとにカラーの変化が楽しめる。撮影できる場所は多数あるが、「末広2丁目」からは正面にアイアンツリーがキレイに見渡せる。他の工場を含め、基本的には70-300mmクラスの望遠レンズが1本あれば、撮影に困ることはないだろう(地図)。

写真8 ピンク色に照らされたアイアンツリー

北九州アイアンツリー

[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:TAMRON SP 70-300mm F4-5.6 Di VC USD (Model A005) / 焦点距離:114mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:5秒 / 絞り数値:F8.0 / ISO感度:800 / WB:白色蛍光灯 ]

Go To Top

■ 岩崎拓哉の夕景・夜景撮影 書籍出版のご案内 <PR>

「 夕景・夜景撮影の教科書 」
夕景・夜景の写真をきれいに撮るには、「気象」「場所」「機材」「技術」の4つのポイントが重要になります。本書は、この4つのポイントを軸に夕景・夜景撮影のための知識や撮影技術が学べる構成になっています。

■おすすめツアー「関門海峡ぐるっと夜景バス」

北九州市・下関市の両側から関門海峡の夜景を楽しむバスツアー。両市の宿泊施設利用客に限定されるが、バス代無料(要予約・プランによって食事代が必要)で絶景と言えるほどの美しい夜景が楽しめる。

夜景スポット名
開催日:平成29年9月2日(土)~平成30年3月31日(土)の土曜日
所在地:福岡県北九州市、山口県下関市
料金:無料(プランによっては食事代が別途必要)
URL:http://www.kanmon-yakeibus.jp/

写真9 めかり公園(北九州側)から望む下関の夜景

めかり公園から望む北九州の夜景

コースによって訪問する夜景スポットが異なるが、北九州市と下関市は距離が近く、両岸からは、それぞれ異なった景色が楽しめるのも魅力。

岩崎拓哉
著者について
■ 夜景写真家 岩崎 拓哉 ■1980年生まれ。大阪府出身、神奈川県在住。法政大学経済学部卒。 2003年より夜景写真家を志し、日本全国や海外で夜景を撮影。 Webエンジニアの経験も活かし、「夜景INFO」などの夜景専門サイトを立ち上げる。カメラ雑誌の原稿執筆、夜景撮影の講師経験も豊富。総合・国内旅行業務取扱管理者の資格も持つ。 著書に「プロが教える夜景写真 撮影スポット&テクニック(日経ナショナルジオグラフィック社)」「夕景・夜景撮影の教科書(技術評論社)」。
メルマガ登録