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夜景写真家・岩崎拓哉の夜景撮影講座
第19回:夜景撮影旅の魅力

Posted On 17 6月 2016
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Photo : Takuya Iwasaki

TOPIX

2016年2月にナショナル ジオグラフィック社より発売された「 プロが教える夜景写真 撮影スポット&テクニック 」( アマゾンにリンクしています。<PR>)。執筆のため岩崎氏は昨年10月から11月にかけて、北海道から九州まで約10,000kmに渡る夜景撮影の旅に出ました。夏休み直前にそんな夜景旅の楽しみ方を執筆頂きました。 by 編集部

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夜景撮影が写真撮影のジャンルの1つとして認知されるようになり、夜景撮影人口も大幅に増えました。普段は身近な場所で夜景撮影を楽しむのも良いですが、北海道から沖縄まで全国各地に素晴らしい夜景スポットがあるため、週末や連休などを活用して夜景撮影の旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。今回は13年間の夜景撮影旅キャリアを持つ著者が旅の魅力や楽しみ方を解説したいと思います。

写真1 期間限定ライトアップを求めて

愛媛県・亀老山展望公園付近

愛媛県今治市の「亀老山展望公園手前」から撮影。来島海峡大橋が長期連休や祝日など限られた日しかライトアップされないため、撮影地には多くの写真愛好家が駆けつけ、著者も自家用車で神奈川県川崎市からライトアップ日を狙って訪問した。

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■夜景撮影旅とは?

夜景撮影旅はその名の通り、夜景撮影のために旅をすることを意味します。旅と言っても気軽な日帰り旅から、宿泊を伴う本格的な旅まで様々。例えば日帰り旅なら東京圏を出発して山梨や静岡、北関東あたりで夜景撮影を楽しみ、夜遅くに帰路につくようなイメージです。宿泊を伴う場合は、車中泊であったり新幹線や飛行機で移動して撮影後に宿に泊まるようなイメージとなります。近場で夜景撮影を楽しむのも良いですが、地方都市でしか撮影できないような夜景を楽しんだり、普段の旅のスケジュールに1ヶ所でも夜景スポットを入れて見るのもおすすめ。

写真2 旅の途中にSAから夜景を楽しむ

富士川サービスエリアの夜景

富士川サービスエリアの展望広場から撮影。天気が良ければ遠くに富士山も見渡せる絶好のロケーション。旅の途中で気軽に立ち寄れ、営業時間中なら隣接するスターバックスのテラス席からも夜景観賞が楽しめる。

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■夜景撮影旅に適した時期

これから夜景撮影旅を始める場合、旅に出掛ける時期を見極めることが最も重要だと言えます。移動手段や移動先によって、撮影旅に適した時期が変わってきますが、大まかには1年を通して10~11月がベストシーズンと言えます。

写真3 撮影旅マップ(全国地図)

夜景撮影旅マップ

書籍に載せる夜景写真の撮影のために北海道~九州までを旅した記録。先に北海道を回り、最後に九州を回ることで、雪の影響も無くベストな気象条件で全国を回れた。

(1)北海道・東北(青森)→ 9月~10月

11月以降は多くの市区町村で山間部の通行規制が始まる。

(2)東北(岩手以南)→ 10月~11月

12月以降は雪が積もる可能性が高く、スタッドレスタイヤが必須。

(3)北陸~新潟~山陰 → 10月~11月

日本海側は冬になると降水量が増える傾向あり。

(4)その他本州・九州 → 11月~2月

年明けに大雪が降る可能性があるので注意。

(5)沖縄 → 12月~2月

11月はまだまだ気温が高い。年明けのシーズンオフが狙い目。

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■夜景撮影旅の移動手段

夜景撮影旅は訪問先や日程によって移動手段が大きく変わってくる。機材を自宅から積み込める自家用車が最も使い勝手が良いが、移動距離が長いと運転による疲労も気になるところ。自家用車にカーフェリーを組み合わせたり、旅先まで新幹線や飛行機で移動してレンタカーを借りるのも1つ。

写真4 カーフェリーの乗船待ち

カーフェリーに乗船

茨城・大洗から北海道・苫小牧まで約19時間の旅。関東から自家用車で北海道へ行くなら青森-函館間よりも移動が楽で、低コストで目的地にたどり着ける。

(1)自家用車

自宅から撮影機材を持って出発できるのが最大の強み。車種によっては車中泊ができる。
カーフェリーを併用すれば体力を温存でき、長距離の移動がよりスムーズに。

(2)レンタカー

自家用車より低コストで、新幹線や飛行機で撮影地のエリアまで移動して借りるのも1つ。夜景撮影地は場所によっては道のりが悪路になるため、車両への傷に気をつける必要がある。

(3)新幹線

飛行機と違って手荷物検査もなく、飛行機ほど重量の制限もないので夜景撮影旅に適している。

(4)飛行機

北海道や沖縄など遠方に出向くには最もおすすめ。三脚など荷物が重たくなりがちなので荷物の重量には注意したい。

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■夜景撮影旅を楽しむポイント

夜景撮影旅と言っても、夜景を撮影するばかりでなく、昼間の時間も有効に使って、観光などを楽しんだ方がその土地の風土や歴史を知ることができ、写真を撮る時にも視野が広がるはずだ。ただし、夜景撮影がメインの旅になると撮影に夢中になって、夜にご当地グルメを頂くことが困難になるので、昼間のうちにグルメを楽しむようにしたい。

(1)ご当地グルメは朝食・昼食で楽しむ

旅の楽しみと言えば誰もが真っ先に思い浮かぶのがグルメだろう。その土地でしか食べられない郷土料理やご当地グルメを楽しみたい。夜は間違い無く撮影に夢中になるので、朝ご飯やお昼ご飯でグルメを楽しもう。

写真5 小樽と言えば海鮮丼

小樽の海鮮丼

当日の夕方前に小樽市内に到着。ゆっくり観光はできなかったが、夜景撮影前に海鮮丼を美味しく頂いた。当日は雨が降っていたが、夕暮れから雨が止み、天狗山から空気の澄んだクリアな夜景写真が撮れた。

(2)撮影スポットのロケハンを念入りに

旅先ほどロケハンは入念に行っておきたい。有名観光地ならまだしも、マイナーな場所に行く場合は昼間に「現地にたどり着けるか」「視界は確保されているか」など重要なポイントをしっかり押さえておきたい。逆に有名観光地は夕暮れから混雑することが多いので、余裕を持って早めに到着し、場所の確保と機材のセッティングを進めると良いだろう。

写真6 室蘭市・みゆき町の高台をロケハン

みゆき町の高台をロケハン

室蘭市の夜景スポットと言えば測量山が有名だが、地元の人に街全体を見下ろせる高台を教えて頂いた。夜は真っ暗なので、昼間に安全面や視界を確認したおかげで、夜はスムーズに現地で撮影できた。

(3)合間に観光を楽しむ

撮影地のロケハンついでに近くの観光名所を回るのもおすすめ。観光名所を回っていると偶然にも夜景撮影地が見つかることも。

写真7 登別地獄谷を観光

登別地獄谷

登別市で最も有名な観光地。間近で眺められる火口跡の迫力に誰もが驚きの声を上げる。当日は室蘭で夜景撮影を予定していたが、日中は登別温泉に浸かって旅の疲れを癒やした。

■夜景撮影旅での車中泊方法

自家用車で車中泊をする場合、車中泊に適した場所を選びたい。一般的には高速道路のSA/PAや道の駅が適しているが、SA/PAに車中泊することでETC料金が深夜割引になるケースがあり、宿代を押さえながら高速道路料金を抑えられる。ただし、アイドリング状態の大型トラックが多いと、音が気になって眠りにくいことも。SAよりも小規模なPAの方が静かなことが多い。地方都市では道の駅が非常に便利だが、場所によっては全く人気がなかったり、標高が高くて寒い場所も多いので要注意。また、車中泊は真夏は室温調整ができず不向きで、真冬も同じ観点から避けた方が良いだろう。

写真8 便利な車中泊マット

車中泊マット

「オンリースタイル」という車中泊用品専門店で購入したマット。車に多少の段差があっても分厚いクッションでうまく吸収してくれる。

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■今月のお勧め夜景スポット「米の山展望台」

九州で新日本三大夜景の皿倉山と並ぶトップクラスの美しい夜景が見渡せる展望台。福岡市内からでも1時間程度かかるが、光量ある大パノラマが見渡せる。夜景撮影にもおすすめだが、車窓からも絶景が楽しめるため、カップルの訪問も多い。撮影場所の確保のためにも夕暮れには訪問したい。

夜景スポット名

所在地:福岡県篠栗町篠栗

アクセス:福岡ICから車で約35分

料金:無料

URL:米の山展望台

写真9 九州最大級の大パノラマ夜景を写す

米の山展望台

展望台から篠栗町中心部を写す。夕暮れに福岡市内方面を向けば、絶好のトワイライトビューが写せる。

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岩崎拓哉
著者について
■ 夜景写真家 岩崎 拓哉 ■1980年生まれ。大阪府出身、神奈川県在住。法政大学経済学部卒。 2003年より夜景写真家を志し、日本全国や海外で夜景を撮影。 Webエンジニアの経験も活かし、「夜景INFO」などの夜景専門サイトを立ち上げる。カメラ雑誌の原稿執筆、夜景撮影の講師経験も豊富。総合・国内旅行業務取扱管理者の資格も持つ。 著書に「プロが教える夜景写真 撮影スポット&テクニック(日経ナショナルジオグラフィック社)」「ゼロから学ぶ工場夜景写真術(アスペクト社)」。
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