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オヤジの夏休み 奇跡の海
第2回 オヤジの夏休み2008 〜神子元島から沖縄の美ら海へ〜
     ソニー Cyber-shot W300 で撮った沖縄の海中散歩!
 

今年の夏休みはどんな思い出ができましたか。

オヤジは新しいデジタルカメラと水中ハウジングを買って沖縄の美ら(ちゅら)海へ。

ダイビング初心者の娘を待っていたのはタイマイ(ウミガメ)が舞う奇跡の海。

ソニーのサイバーショットW300+水中ハウジングで撮った写真も多数掲載。夏を一緒に楽しもう。 (2008/08/12)

 

■神子元島にハンマーヘッドの群れが

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「おめでとうございます!! お客様の娘さん、ダイビングのライセンス取得プレゼントに当選しました!!」
「はぁ・・・」
「おめでとうございます!!」
「え!? タダ?」

コラム「第39回 オヤジの夏休み 〜置き去りにした夢〜 絶対にこの夏、ハンマーヘッド・シャークを見るにょ!」から、はや一年が経ちました。
昨年、息子がダイビングのCカード(認定証)を取得したことに触発されて、あきらめていた夢が再び鎌首もたげた…重い腰を上げたオヤジは、家族の協力もあって、ようやく伊豆の外洋で念願のハンマーヘッド・シャーク(シュモクザメ)に出会うことができた、という…まぁ、内輪話をコラムにしたものですが、「なんか元気が出た」「仕事に追われて夏休みも後回しだったので、触発された」等、暖かなご意見を頂きました。あれから一年。

実は、すっかりこの海に魅せられ、あれから何度も通っています。

神子元島。
伊豆の下田沖、弓ヶ浜や小稲湾から船で約20分の無人島。

この海の魅力も悪いところも、とてもひと言では語れないけれど、今年の初夏、7月の下旬に、いつもの神子元ダイビングサービスのガイドで潜ったその海で、すさまじい光景を見ました。
これは私の経験の中でも間違いなく最高で、至極の1本でした。

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今年も神子元島では7月にハンマーヘッド・シャークの群れが見られ、このときの光景は生涯最高の1本と呼べるものになった。(Cyber-shot W200)。(写真提供:神子元ダイビングサービス)

潜行してから浮上するまで、巨大なハンマーヘッド・シャークが約50尾の群れになったり、それ以上の群れが出たりと、何度も何度も眼前に現れました(右写真)。

ゆっくりと悠然と、時には頭上を、時には私たちと同じ高さを、太陽の光を受けて身体を輝かせながら泳ぐ姿は神々しささえ感じます。

水の透明度も抜群で、サメたちの目の動きまで見えました。(写真提供:神子元ダイビングサービス。ホームページの 「ダイビングログ」 ではハンマーヘッド出現情報が見られます)

神子元島はハンマーヘッド・シャークが群れで見られる数少ないポイントとして知られています(日本国内では冬の与那国島と夏の神子元島が有名)。特に神子元島では昨年と今年にかけて、6月から9月に高い確率で見ることができ、ベテランダイバーを中心に話題になっています。もちろん、ハンマーヘッド・シャークが見られないことも多いのですが、それでもメジロザメやトビエイ、回遊魚等が見られ、他に類を見ないほどの魚影の濃さは必見です。(私は沖縄の海も大好きですが、たくさんのポイントがある沖縄ケラマにも、これほど魚影が濃く、大物が頻繁に見られるダイビングポイントはありません)

ところで、ダイビングで使うコンパクトカメラを買い換えました。この至極の1本の潜行直前にハウジングの中でバッテリーがはずれて( ! )、せっかくの時にカメラが使えなかったことが発端でした。

今まで富士フイルムの『FinePix F30』を水中ハウジングに入れて頑張っていました。このバッテリー事故でF30の不満な点が気になり始めました。連写にセットしても電源を落とすと通常撮影に戻ってしまうとか、なにより中層にいる大物を撮ったときに、画像が破たんする限界点がとても近く、表現力に満足できなくなっていたのです。

遠目の被写体のエッジがぼやけるのは、撮像素子の画素数が少ない(F30は630万画素)ことも影響するでしょうし、なにより中層を浮遊しながらシャッターボタンを押す場合は、手ぶれ補正機能が物を言います。そういう意味でも、比較的新しい手ぶれ補整機能付きのカメラ機種と比較するのは酷ですが、こと中層の大物を狙うにはF30は向いていないと思えるのです。

なにせコンパクトカメラは機種も豊富で、性能がよいのに安い機種もゴロゴロあります。F30も十分に使い倒したことだし…というわけで新たに買ったのがソニー『Cyber-shot W300』。神子元ダイビングサービスのガイドさんがW200で高精細な写真を撮っているのも理由の一つで、同じダイビングでF30で撮った写真とガイドさんのW200(1240万画素)を見比べると進化の度合いがよくわかりました(下の写真は上とは別の日に撮影したもの)。

上がFinePix F30、下がCyber-shot W200の画像。一昨年の沖縄ではきれいに撮れたF30も、中層の描写力では、上位ランクのW200とは大きく差をつけられてしまう。条件の厳しい中層ではF30は被写体がすぐに黒く潰れて、シルエットになってしまい、エッジもぼやけている。
上がFinePix F30、下がCyber-shot W200の画像。なんでサメを右下に配置した構図なのかというと、画面中央から上部まで、回遊魚(ワラサ)が群れている(上の写真ではほとんど描写できていない)。トーンカーブやヒストグラムでみても、明らかに上は情報量が少ない。

で、ソニー『Cyber-shot W300』ってどんなデジタルカメラ?
ということになりますが、有効画素数1,360万画素CCD。・・・って、こんなちっちゃいクセに、私のデジタル一眼レフカメラの愛機キヤノンの40Dより画素数(1,010万画素CMOS)多いじゃないの。
まぁ、単に「画素数が多い」ではデジタルカメラの性能は測りにくいのですが、「CCDのサイズが大きくて(1/1.7型)、画素数が多い」というのは、やはり注目したい特長と言えるでしょう。F30を買ったときも撮像素子のサイズが大きい(こちらも1/1.7型)点が気に入っていた。CCDのサイズは高解像度画像を描写するのにとても重要なポイントです。更に、いざとなればISO-6400まで対応し(6400は使わないだろう)、ノイズリダクションも付いてりゃあ、中層の大物をしっかり描写、してくれるに違いないス!!

またハウジングにもワイドコンバージョンや外付けストロボなどのオプションが用意され、今は要らないけれど、将来欲しくなったときに買い足せる、というのもうれしい点です。
(ちなみにフラッシュ拡散板は標準装備ですが、神子元の潮流に白い板だけかんたんに飛ばされましたので、購入する人は拡散板の白い板は接着剤などで固定した方が良いようです。)

W300には、顔検出とか、スマイルシャッターとか、面白い機能も付いているけれど、今回はそれはさておき、水中撮影ということで(笑)。

■ W300と水中ハウジング
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海洋実習 沖縄

W300本体をハウジングに入れて、側面のレバーをパックリと閉めるだけ。なんとも簡単。シリカゲルも使っていません。

よっしゃ、W300を買うぞ、と決め、Yカメラ店で値切り倒して本体3万円、ハウジングが1.8万円、液晶画面に貼るケンコーの保護フィルムを買っても予算の5万円にスッポリ納まりました。

さっぱり使っていなかった4GBのメモリースティック PRO デュオを装着して準備完了。

おっとハウジングをセットしないと。
本体の体積は同等ですが(F30が少し小さく厚い)、ハウジングはひと回り大きくて重量感があります。ただ、重量がある分、ハウジングはややマイナス浮力の設定なので、水中でプカプカ浮いちゃう心配はないのが良いところです。

装着は緊張感がないほど簡単。

スイッチ類に気を配る必要もなく、つまり何も考えずにただカメラ本体をハウジングに納めて蓋を閉めるだけ。実にシンプルな設計です。乾燥剤(シリカゲル)も同梱されてません…つまり要らないの?

買ってから既に10ダイブ以上使っていますが、今のところハウジング内部は曇ったことはありません(冬はどうでしょう?)。

ようし、準備ができたので沖縄に出発ーっ。
頑張ってくれよ、カールツァイス・レンズ(笑)!!

え?
なんで沖縄なんだって?

 

■ 沖縄 美ら海への誘い
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今年の春、池袋で開催された「マリンダイビングフェア2008」に出かけた際、10歳の娘がとある沖縄のダイビングセンターのブースで、ダイビングの認定証が当たるプレゼントに応募したらしいのです。

ラッキーなことにそれが当選し、冒頭の電話があったというわけなんです。電話の主はダイビングショップの主賓の方でした。

「わたし、池袋のマリンダイビングフェアで島草履をたくさん展示していたブースにいた者で、
 怪しい者ではありません」
「島ゾーリ? あぁ・・あのときの・・で?」
「おめでとうございます!! お客様の娘さん、ダイビングのライセンス取得プレゼントに当選しました!!」
「はぁ・・・」
「おめでとうございます!!」
「え!? タダ?」
「はい!! マリンダイビングフェアで娘さんが応募された懸賞に当たったんですよ!!」
「な・・なんですと!?」

海洋実習 沖縄
海洋実習 沖縄

沖縄到着3日後に、娘はダイビングの認定証を無事にゲット!!私も沖縄本島のダイビングポイントを見直す機会になった。

と、いうわけで、マンガみたいな話ですが、昨年の息子に続いて、娘も今年、ダイビングの認定証をゲットすることになったのです。

しかも無料で。
なんてラッキーなこと。

こうして神子元に通ういつものワイルドな装備から、沖縄のマッタリした海用の装備に変えて、新品のデジタルカメラW300を試すために、オヤジは娘に同行して、一路那覇へと旅だったのでした。

ダイビングの認定証にはいくつかの種類がありますが、娘が当たったのはオープンウォーター(OW)という入門用で、2日間の講習や学科試験が必要です。

台風が石垣島を直撃するなか、比較的穏やかな沖縄本島の島影ポイントで、世界有数の澄み切った透明度の海で10歳の少女が講習に頑張ってました。いつかイルカと泳ぐ日を夢見ているに違いありません。

透視度30mオーバーの海は世界屈指と言われています。しかし、本島ではなかなかそんなきれいな海が体験できなくなりました。が、優しいウミンチュの船長さんに連れて行ってもらったのは20年ぶりの真栄田岬ボートポイント。水はとても澄んでいました。

それにしても娘のラッキーは当選だけにとどまりませんでした。

講習中にもでかいツバメウオの大群が挨拶にやって来たり、ケラマ諸島では海亀のタイマイと並んで泳いだり、巨大なマダラトビエイ(イーグルレイ)が悠然と泳いだり…。最初からこれでは海の中が大好きになるに決まってますよね。

さて、W300の水中での使い心地ですが、4GBのメモリースティックなら腹いっぱい撮れるだろうと連写しまくり。そしたらなんと3ダイブでメモリー残量ゼロ、バッテリーは2ダイブもちませんでした。連写を使うと電池は著しく消耗しますので、バッテリー1個で長い撮影をする場合は、通常撮影と連写の使い分けが必要です。

1360万画素は、最高画質の13Mモードでは、JPEG圧縮後の実容量で1枚撮影すると5MB弱になります。760枚も撮れるのですが、連写がストレスなく行えるので、例えば4枚ずつ撮影すると20MBずつ消費していきます。沖縄の美しい海は撮るものが多すぎます。

海洋実習 沖縄

真栄田岬のボートポイントでダイビングの認定証を取得。とてもきれいです。海洋実習中にもわざわざ横切って存在感をアピールする、ひょうきんなツバメウオ。

と、言いつつも3日めの午後に那覇入りした家族と合流、今度は沖縄の離島や無人島で家族みんなでマッタリしたダイビングを楽しみました。お世話になったダイビングショップは、去年に引き続き那覇の BLUE ZONE 。国際通りから歩いて行けるところにお店があり、ケラマには一日コース、チービシ(本島に近い無人島)には午前/午後と船便を出しています。

特に面白かったのは前述したケラマ諸島での海亀との遭遇。ベッコウ目当てに乱獲されたため、今では数が減ってしまったタイマイの若亀が、潜行してまもなく現れて、ず〜っと並んで泳いでくれました。娘は水中で何度も触ったり、クルクルと回したり。信じられないほど素敵な時間を過ごしました。

素晴らしい時間を家族で楽しんだオヤジですが、まだ少し物足りない様子。マ〜ッタリしたダイビングはそれはそれで良いのですが、さすがに血が騒いだオヤジは、家族みんなのダイビングが終了した後で、ガイドさんとふたりで外洋の流れがガンガン当たるドリフトダイビングの名所「男岩(うがん)」へ。

蒼く透明な海で、ガッツリとドリフトダイビングを堪能し、魚群を楽しんできました。

今回の沖縄旅行、W300で撮影した画像でその様子の一部を紹介しますので、カメラ選びの参考にご覧ください。ちなみに特筆している写真以外はトリミングや簡単なレタッチ調整を行っています。

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本島の恩納村。真栄田岬のツバメウオは健在。10〜20の群れで現れ、手からエサを食べてくれる。(※W300の高画質モードで撮影した画像をそのままリンクしています。大容量(4MB弱)なのでご注意ください、またIE7では表示しません)
沖縄を代表する写真と言えば、やはり癒し系のコーラルフィッシュ。太陽が十分に届く浅瀬の珊瑚礁で、クマノミを見つけたら必ず撮っておきたい。(※トリミングとサイズ調整だけでカラー補正はしていません)

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イソギンチャクやテーブルサンゴに群れるコーラルフィッシュも是非、撮っておきたい。

青い空と蒼い海。楽園への架け橋。本島とは違う澄み切ったビーチがある。

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小さなドロップオフ沿いに現れた巨大なマダラトビエイのペア。ダイバーに気付かないのか、しばらくイチャイチャしながら行ったり来たり・・

すごく長いしっぽが印象的。翼を拡げると2m超。ゆっくりと悠然と泳ぐ姿は格好いい。ダイバーに気付くとすごいスピードで距離をとった。

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ミノカサゴのキッズ。ユラユラと癒し系。可愛くても毒の棘を持っていますので触ってはダメ。

ケラマにはウミガメの楽園があります。こんなに近くに寄っても大丈夫。もちろん野生。

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出会ってから長時間、ダイバーの周りを並んで泳いでくれたタイマイの若亀。

中学生になって一年ぶりの沖縄ダイビングとなった息子。

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水泳が大好でダイビング初心者の娘を迎えてくれた沖縄ケラマの海。海の奇跡を感じるタイマイとの光景。海の不思議、生命の不思議がそこにあります。

オヤジは締めくくりにガイドさんとマンツーマンで「男岩」に挑む。流れの中に飛び出して回遊魚と一緒に泳ぐドリフトダイビングは最高(この写真のみW300ではありません BLUE ZONE)。

>> 続編こちら
オヤジの夏休み2010 〜神子元島ダイビング〜
ハンマーヘッドシャーク 奇跡の大行進編 (1) 
連日のハンマーヘッドの大群に沸く南伊豆神子元島。
オヤジはコンデジでハンマーヘッドシャークの大行進の
撮影に挑む。果たして思い出の一枚は撮れたのか?

神子元島でハンマーヘッドシャークの大行進

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