萩原和幸の新製品レンズレビュー
Tamron SP 45mm F/1.8 Di VC USD
TOPIX
発売前から注目度の高かったタムロンの新 SP シリーズレンズ。外観デザイン、機能性、操作性を全面的に刷新した、新SP( Super Performance )シリーズの第一弾として発売された、手ブレ補正機構を搭載したフルサイズ対応の大口径標準レンズ「 SP 45mm F/1.8 Di VC USD ( Model F013 )」を、本サイトでお馴染みの写真家・萩原和幸がレポートします! by 編集部 |
■ あと一歩寄れる標準レンズ
これまで多くのカメラファンを魅了してきたタムロン「 SP シリーズ 」が一新され、その新モデルとしてリリースされたのが、「 SP 45mm F/1.8 Di VC USD 」と「 SP 35mm F/1.8 Di VC USD 」だ。これまでタムロンレンズの外観デザインとは大きく変わったが、萩原個人的にはとても洗練された印象を持った。デザインだけではない。昨今のデジタル一眼レフカメラは 5000 万画素を越える機種も登場してきてるわけで、こうした高画素化への対応をすべく、新 SP シリーズは高い性能とそれに見合う高品質化が図られている。常に業界をリードしてきているタムロンの「 SP シリーズ 」だからこそ、この新シリーズに大いに期待せずにはいられない。今回レポートするレンズは「 SP 45mm F/1.8 Di VC USD 」、新 SP シリーズの先鋒的な役割を担う単焦点標準レンズだ。
「 SP 45mm F/1.8 Di VC USD 」は、フルサイズ対応の焦点距離 45mm という、一般的に「 標準レンズ 」と言われる 50mm よりもやや広角寄りのレンズだ。開放値は F1.8。このクラスのレンズでは開放値が F1.4 のものも多いが、実用では F1.8 で充分すぎるほどの明るさが得られる。レンズの各収差の抑制や最短撮影距離の短縮、解像力、レンズの大きさといった性能やデザインを含めたバランスを考慮した結果、ベストの開放値が F1.8 だったのではないかと思われる。現に開放 F1.8 からシャープで非常に品のある描写を提供してくれ、満足できる。
「 SP 45mm F/1.8 Di VC USD 」の最短撮影距離は 0.29m。一般的な「 標準レンズ 」が 0.5m 前後であることを考えると、頑張ってくれた! と素直に拍手したい。標準レンズで物足りなかった一つである近接撮影、「 あと一歩寄りたい 」のジレンマはこのレンズであれば解消できる。それと、手ブレ補正効果 3.5 段の手ブレ補正機構も搭載。これは本当にありがたい。光が乏しいシーンでの手持ち撮影を、低感度でおこなえるだけでなく、高画素時代ゆえの、目立つカメラブレによる画質低下を抑えることができるからだ。レンズ構成は8群 10 枚。2枚のガラスモールド非球面( GM )レンズと異常低分散( LD )レンズ1枚を採用し、各収差を良好に補正している
「 標準レンズ 」と考えると大きく感じられるかもしれないが、昨今、標準レンズも大きなものが増えており、私は特に違和感はなかった。実際、手ブレ補正機能を搭載していることを考慮すれば、ある程度は大きくならざるを得ない。それよりもカメラとのバランスの方が重要で、その点ではキヤノン EOS 5D MarkⅢ とのバランスは良好だ。フィルター径は 67mm。
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■ SP 45mm F/1.8 Di VC USD 作例による解説
ここからは作例をお見せしながら、SP 45mm F/1.8 Di VC USD の解説をしていこうと思う。キヤノン EOS 5D Mark III に SP 45mm F/1.8 Di VC USD を装着し、スナップ撮影に出かけよう。冬の光を探しながら、ぶらぶらと思いのままにシャッターを切ってみた。今回のレポートでは、いつもの絞り比較などは割愛した。それよりも実際に撮影した作例をお見せしたり、撮影時の感触を述べた方が、より読者の皆様のお役に立てると考えたからだ。
本文中の 実画像 の文字をクリックするとカメラで撮影した実際の画像が別ウインドウで表示されます。容量が大きいのでモバイル端末での表示に注意してください。
■ タムロン SP 35mm / SP 45mm が試せるポートレートセミナー情報 ■
■ 総評
「 SP 45mm F/1.8 Di VC USD 」は非常にポテンシャルの高いレンズだ。開放時から高いコントラストにキレのある描写を提供してくれる。シャープな写りではあるが、無理に引っ張ったようなカリカリしたエッジの立ち方ではないので、開放近くで撮影することの多いポートレートにも向いている。45mm という画角に躊躇する方もいらっしゃるだろうが、標準レンズを手にするお気持ちで問題ない。使った途端に、「 標準らしい 」面とそうでない面がシーンごとに見え隠れする。この1本で、標準域での撮影のこれまでの概念が変化するのではないか……とも思えるほど面白みが感じられるレンズなのだ。標準レンズを複数本所有している方も、是非「 新・標準レンズ 」としてこの1本も加えてもらいたい。とても完成度の高い、期待感に溢れる1本だ。
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■ 制作・著作 ■
スタジオグラフィックス
萩原 和幸