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武石 修のレンズフィルターレビュー
KANI製 Cinema Diffusion Filter を試す!


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Model:深沢さえ Photo : Osamu Takeishi


TOPIX

2021年最後の更新は武石修のレンズフィルターレビューをお届けいたします。最近、ポートレート撮影愛好者で流行しているブラックミスト系のフィルターをレビューいたしました。今回はKANI製 Cinema Diffusion Filterをお借りしレビューいたしました。今回、モデルは深沢さえ さんに依頼いたしました。ポートレートでその描写をご覧ください。 by 編集部

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Index

1.最近人気の ” 映画風 ” ソフトフィルター

ここ数年来、フィルター界隈では1つ流行のアイテムがある。それが ” ブラックプロミスト ” 系のソフトフィルターだ。従来のソフトフィルターに比べて、白っぽくなりにくいことから、映画のような効果が得られると人気になっている。

同様の効果を謳うフィルターは幾つかあるが、今回はロカユニバーサルデザインが扱う KANI(カニ)ブランドの「 Cinema Diffusion Filter 」( 以下、CDF )を試すことにした。

KANI は、国内で販売され始めたのが比較的最近の新しいフィルターブランド。中国のメーカーだが、作りが良く国内でもユーザーが増えているようだ。KANI はどちらかといえば角形フィルターが有名だが、今回の CDF は円形フィルターとして用意されている。

対応口径は 49/52/58/62/67/72/77/82/95mm。それぞれ効果の強さ別に「No.0.5」「No.01」「No.02」「No.03」の4種類がラインナップされ、数字が大きくなるほどソフト効果が強くなる。価格は、82mm 径が税込 7,780 円などとなっている。

効果の強さ別に4種類ある

効果の強さ別に4種類ある

フィルター自体はしっかりした作りで、ねじ込みのスムーズさも問題無い。価格に見合った作りの良さだと感じた。特長としては、低反射コーティングになっているとのこと。今回、強めの逆光になるシーンもあったが、フィルターが原因の目立ったゴーストやフレアは見られなかった。

作りもしっかりしていた

作りもしっかりしていた

一般的なソフトフィルターを使った写真を今見ると、やや古風というか回想シーンのような印象を受けてしまい、なかなか使いどころが難しい。その点 CDFフィルターは古くさいイメージにならないので、常用も可能なフィルターとなっている。

今回は、ポートレート撮影でどのような効果が得られるのかをテストした。また、ナンバーの違いでどれくらい写りが変わるのかも確認した。カメラは α7 III、レンズは EF50mm F1.2L USMを使用。RAW で撮影し、Lightroom Classic で現像している。

KANIの「Quick ring」を併用した。これを使うと、スポンジ状の接点により素早くフィルターの着脱ができる

KANIの「Quick ring」を併用した。これを使うと、スポンジ状の接点により素早くフィルターの着脱ができる

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2.日中編

まずは、日中の屋外でフィルター無し~No.3 までの違いを見てみた。効果の違いはなかなか絶妙。最弱の No.0.5 なら隠し味的なソフト効果で常用もできそうだ。No.02 からはソフト効果が顕著になり、かなりふわっとした画面になる。しかし、嫌らしい感じはせず、むしろモデルの雰囲気を高めてくれた。

共通設定:1/200秒 / F2 / ISO100

フィルター無し

フィルター無し

No.0.5

No.0.5

No.01

No.01

No.02

No.02

No.03

No.03

続いては、CDFを使ってスナップ的に撮り歩いた作例を掲載する。

No.0.5 1/200秒 / F2.5 / ISO250

No.0.5
1/200秒 / F2.5 / ISO250

歴史ある建物を背景にしたショット。No.0.5はソフト効果を強調したくないが、コントラストを少おだやかにしたときに向く。

No.01 1/200秒 / F1.8 / ISO125

No.01
1/200秒 / F1.8 / ISO125

No.01になると、効果がはっきりと出るようになる。CDFは画面に不自然さが無く、確かに映画のワンシーンのような描写になった。

No.02 1/200秒 / F2 / ISO500

No.02
1/200秒 / F2 / ISO500

光がフラットな場所では、効果は少し弱めになるようだ。ここではやや強めとなるNo.02で程よい効果になったと思う。

No.03 1/320秒 / F2 / ISO100

No.03
1/320秒 / F2 / ISO100

最も効果の強いNo.03だが、シーンによってはポートレートによく合う。光の滲みとコントラストの低下が合わさって、ちょっと別世界のような画面を演出できた。

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3.夜編

次にナイトシーンでの描写を見てみた。まずはそれぞれのナンバー別に効果を確認した。夜は街中の光の拡散が狙えるので、CDF フィルターは相性が良い。No.01 くらいを常用に使っても良さそうな仕上がりである。No.03 は ” ドリーミー ” といった描写だが、ピント位置の芯はしっかりしているのがわかる。

共通設定:1/60秒 / F2 / ISO2500

フィルター無し

フィルター無し

No.0.5

No.0.5

No.01

No.01

No.02

No.02

No.03

No.03

続いてナイトシーンの作例を2点掲載する。

No.01 1/200秒 / F2 / ISO125

No.01
1/200秒 / F2 / ISO125

程よくコントラストが弱まり美肌効果も生まれた。背後の電飾にもうっすらソフト効果が掛かって、人物によく馴染んでいると思う。

No.01 + Star Effect 6X 1/60秒 / F4 / ISO4000

No.01 + Star Effect 6X
1/60秒 / F4 / ISO4000

映画を意識して横長にトリミングしてみた。KANIのクロスフィルターを組み合わせてみたところ、綺麗な光条が現れた。「フィルター2枚重ね & 強い逆光」という悪条件だが、ゴーストなども出ず画面がとてもクリアだ。

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4.総評

フィルターというと余計な反射が画面に影響するという面もあるが、今回試用した限り CDF はその点で安定していて画面がスッキリしていた。またピント位置の解像感も特に問題は無く、安心して使えそうだ。

CDF は効果の強さが4種類と多めにラインナップされているので、最適なものを選べるのもメリットだろう。ただ、同じナンバーであっても光の状態や被写体までの距離、露出や絞り値などによって効果は変わってくる。このあたりは、各自でどれが良いのかある程度試す必要はありそうだ。

今回試したとおり、CDF は人物や夜景では特に相性が良い。これからの季節は各地でイルミネーションが行われるが、そうしたシーンでも活躍してくれそうなフィルターである。

(以上)

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武石修
著者について
ライター・フォトグラファー 1981年生まれ。2006年からインプレスのニュースサイト「デジカメ Watch」の編集者として、カメラ・写真業界の取材や機材レビューの執筆などを行う。2018年からフリー。カメラ系Webサイトやカメラ誌などで活躍中。
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