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大浦タケシのレンズフィルターレビュー
~ H&Yフィルターの革新的構造を解説

大浦さんH&Yレビュー

TOPIX

今回のレンズフィルターのレビューはスタグラ初登場のH&Yフィルターをレビューします。日本市場には 2020年に参入した新進のレンズフィルターメーカーですが、特徴ある製品構造から瞬く間にユーザーの支持を集めました。今回は大浦タケシ氏に人気の秘密をレビューしていただきました。それではご覧ください。 by 編集部

H&Yフィルター ジャパン 公式サイトへ

Index

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1.H&Yフィルターの歴史

「H&Yフィルター」は香港に本社を置く光学フィルターの専業メーカーだ。創業は 2006 年。当初は OEM メーカーとして日本をはじめとする諸外国のカメラ、アクセサリーメーカーのフィルターなど製造を請け負っていた。大きな変化があったのが 2017 年である。現在に至る同社ブランドのフィルター「 Kシリーズ 」の発売を開始する。

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製品は角形フィルターや PLフィルター、およびそれに付随するフィルターホルダーなどのアクセサリー類を展開した。欧米や中国を中心に販路の拡大を図り、2019 年には英国のカメラ誌が行った市場に流通する主要 15 ブランドの比較レビューで最も優れた角型フィルターと紹介され、一気に人気に火が着く。日本での展開は昨年 2020 年からでネット通販をメインに一部のカメラ専門店で取り扱いを開始した。ちなみに現在国内アクセサリーメーカーや中国メーカーのフィルターが多数発売されているが、その多くはサプライヤーによる製造と言われている。

H&Yは部材の調達を除けば自社製造に徹底してこだわる数少ないフィルターメーカーで、そのメリットを活かし他社にない高品質でユニークな商品を、価格を抑え展開している。

H&Yフィルターのレンズフィルター生産ライン(写真提供:H&Yフィルター ジャパン)

H&Yフィルターのレンズフィルター生産ライン(写真提供:H&Yフィルター ジャパン)

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2.H&Yフィルターの特徴

現在主軸となるのが角形フィルターとその関連アイテムである。日本では従来なかなか普及しなかった角形フィルターであるが、インスタグラムなど、SNS で映えのある写真の撮影方法が人気となり、またグローバル化の波を受け欧米の写真愛好家が撮影した写真の影響などで急速に人気が上昇しているアイテムである。そのH&Yフィルター製のフィルターの注目は大きく3つだ。

アメリカ・コーニング社の「ゴリラガラス」を採用する角形GNDフィルター。割れにくくキズも付きにくい。フィルターの外周はベゼル仕様となっており、指や掌を傷つけてしまうようなこともない。

アメリカ・コーニング社の「ゴリラガラス」を採用する角形GNDフィルター。割れにくくキズも付きにくい。フィルターの外周はベゼル仕様となっており、指や掌を傷つけてしまうようなこともない。

一つ目が GND フィルターに用いている使用するガラス材だ。キズが極めて付きにくいアメリカ・コーニング社の「ゴリラガラス」を採用する。角形フィルターはマグネットによる着脱を行うため、万一の落下のときなどそのメリットは大きい。メンテナンスも含め取り扱いは安心して行うことができる。加えてガラスの平面度が極めて高いことも特徴。フィルターによる画像の歪みなどは皆無としている。角形フィルターのなかにはアクリル製のものも見受けられるが、精度から言えばガラスに勝るマテリアルはないだろう。さらにH&Y社独自のナノコーティングがフィルター表面には施されており、有害な光の乱反射を抑え、高い透過率を誇る。何よりゴリラガラスを角形フィルターに使用しているのはH&Y製のみで、こだわりある角形フィルターと言える。なお、ホルダーからはみ出る面積の少ない 100 × 100mm の NDフィルターやドロップインイン CPL、同じく CPL / ND は通常の光学ガラス( Schott B270 )を使用している。

角形フィルターのホルダーへの装着はマグネットとしている。フィルターの位置移動も速やかにできるので撮影では重宝するはずだ。なお、ホルダーはフィルターを動かないよう固定することもできる。

角形フィルターのホルダーへの装着はマグネットとしている。フィルターの位置移動も速やかにできるので撮影では重宝するはずだ。なお、ホルダーはフィルターを動かないよう固定することもできる。

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二つ目が角形フィルターのホルダーへの装着は、フィルターのベゼルにマグネットを内蔵しておりワンタッチで行えることとなるだろう。通常角形フィルターはホルダーに挟むタイプがほとんどだが、装着後フィルターの微細な移動が難しいことがあったり、さらに力を入れて動かしたときなど誤ってフィルター表面に指紋をつけてしまったりするようなこともあった。このマグネットの方法では位置の移動も簡単で、ホルダーへの取り付け取り外しも手間がかからない。また、フィルター外周はプラスチック製のベゼルで囲まれているため、フィルターの角で指先や掌などを傷付けるようなこともがないのも嬉しい部分と言える。フレームがあることで角型フィルターの手持ち撮影もできてしまうのもポイントが高い。

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そして三つ目の特徴としては角形フィルターホルダへのドロップインCPL が Kシリーズの特筆すべき部分。ホルダーへの着脱が簡単かつ速やかに行うことができる。角形マグネットシステムやレボリングと同様 H&Y が考案した特許でもある。さらに CPL に NDコーティングの施された CPL / ND というフィルターも展開している。従来なら2枚のフィルターを重ねなければならかったのが1枚で済むためシステムをコンパクトにできるほか、解像感やフレアの抑制でも有利だ

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3.REVORING (レボリング)~ 可変式ステップリングとは

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「レボリング」機構は、対応するリングを回すと絞り羽根のように羽根が閉じていき、その状態でレンズに装着する。レンズに装着していない状態では羽根は開いて枠のなかに収まっている。

かつてない円形フィルターを装着する可変式ステップリング構造も同社の大きな特徴だ。同社独自の「レボリング」機構を搭載しており、1つのフィルターを複数の口径のレンズに取り付けることができる。現在発売されているのは、φ37mm から φ49mm まで/ φ46mm からφ62mm まで/ φ52mm から φ72mm まで/ φ67mm から φ82mm まで/ φ82mm から φ95mm までの6種類。装着に一手間必要なステップアップリングを不要としており、ワンタッチで速やかにホルダーをレンズに装着することができる。機構的には、レンズの絞り羽根のようにホルダーのレボリング用のリングを指で回すと羽根が閉じていき、指を離すとスプリングにより絞りが開きそのテンションでフィルター枠に固定されるのである。思いのほか強力に固定されるので、ちょっとした反動などで外れてしまうようなことなどはない。

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このような機構を持つリングがこれまで無かったことが不思議に思えるほど便利な機構である。昨年の日本での発売を開始するにあたりクラウドファインディングで募集行なったところ、多くの応募があったことからも理解できるように注目のアイテムと述べてよいだろう。ちなみにレボリングとはレボリューションとリングを組み合わせた同社の造語とのことである。なお、レボリングには2種類があり、可変ステップリングのみのものと、可変 ND3 – ND1000 とCPL が一体化した「 REVORING Vari ND3-ND1000 CPL 」である。サイズ展開はREVORING(枠単体)と異なり5種類。サイズも微妙に異なる。商品ラインナップは下記の通り。
* REVORING Vari ND3-ND1000 CPL 37-49mm
* REVORING Vari ND3-ND1000 CPL 46-62mm
* REVORING Vari ND3-ND1000 CPL 58-77mm
* REVORING Vari ND3-ND1000 CPL 67-82mm

同社独自の「レボリング」機構を搭載した可変式ステップリング。写真はφ67mmからφ82mmまで対応するリングだ。レンズの口径に応じたフィルターを揃える必要がなく経済的だ。

同社独自の「レボリング」機構を搭載した可変式ステップリング。写真はφ67mmからφ82mmまで対応するリングだ。レンズの口径に応じたフィルターを揃える必要がなく経済的だ。

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4.まとめ

フィルターは、自分の思うような仕上がりに追い込んだり、新たな表現を楽しんだりするためのとても大切なアクセサリーだ。H&Y社のKシリーズはそんな撮影者の思いを高精度、高品質で具現化する頼もしいアイテムである。自社製造にもこだわる同社のフィルターでぜひ新たな表現に挑戦してみてほしい。

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大浦 タケシ
著者について
■大浦タケシ(おおうらたけし)■宮崎県都城市生まれ。大学卒業後、雑誌カメラマン、デザイン企画会社を経てフォトグラファーとして独立。以後、専門誌および一般誌、Web媒体を中心に多方面で活動を行う。写真展としては、「Expression 〜生き物たちの肖像〜」(2013年4月エプサイト)、「蒼き刻 Ink Blue Tokyo」(2015年10月キヤノンギャラリー銀座ほか)などがある。公益社団法人日本写真家協会(JPS)会員。一般社団法人日本自然科学写真協会(SSP)会員
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