萩原和幸 流
サムヤンレンズ使い倒し術 第10回
SAMYANG 24mm F1.4 ED AS IF UMC
TOPIX
本サイトでお馴染みの写真家・萩原和幸が、高コストパフォーマンスで写真好きの耳目を集め始めているサムヤンレンズをトコトン使い倒す「 萩原和幸流サムヤンレンズ使い倒し術 」。豊富なラインナップを誇るサムヤンレンズから、萩原氏がお気に入りの一本を選んでスナップ、ネイチャー、ポートレートなどなどで使い倒した生々しいレビューを月1でお届けしています。今回取り上げたのは開放絞り F1.4 のフルサイズ対応超広角 24mm 単焦点マニュアルレンズ「 SAMYANG 24mm F1.4 ED AS IF UMC 」です。それではお楽しみください。 by 編集部 |
Index
■ 手に入れやすい画角 24mm 大口径 F1.4 レンズ
今回は「 SAMYANG 24mm F1.4 ED AS IF UMC 」を使ってみた。このレンズはフルサイズフォーマット用としてデザインされた単焦点広角マニュアルレンズだ。従来から標準ズームレンズのワイド側のスタートは 28mm だったが、近年は 24mm スタートが増えたため、「 24mm 」という画角に慣れ親しんでいるユーザーも少なくない。身近になった画角だけに、この画角で攻めてみたい! と思うユーザーもいるはずだ。そうしたユーザーなら、SAMYANG 24mm F1.4 ED AS IF UMC のフィルター径 77mm、開放絞り F1.4 という大口径の明るさを一度は試してみたいと思うのではないだろうか。F1.4 という開放値はボケをコントロールすることによる表現の幅の広がりと、光が乏しいところで余裕がある。
このレンズのレンズ構成は 12 群 13 枚。うち4枚が低分散レンズ( ED )で、2枚が Glass 非球面レンズ( AS )だ。フレアとゴーストを最大限に抑えるウルトラコーティング仕上げも施している。絞り羽根は8枚。フィルター径は 77mm だ。
マウントは、ニコンF、キヤノン EF、ペンタックスK、ソニーAマウントがラインナップされている。今回はキヤノン EF マウント用レンズを選び、カメラは Canon EOS 5D Mark III で撮影した。
SAMYANG 24mm F1.4 ED AS IF UMC はカメラとのバランスが良好。F1.4 のスペックを考えると質量 580g は軽い部類だろう。私は EOS 5D Mark III に縦位置フォルダーを付けずに撮影したが、それでも持ちやすかった。フォーカスリングのトルク感はやや重め、マニュアル絞りは 1/2 段クリックで、最大絞りは F22。ただし F1.4 ~ 2 の間にはクリックがない。個人的にはぜひ欲しかった。
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■ メーカーサイト ■ SAMYANG 24mm F1.4 ED AS IF UMC |
■ スナップで試してみた
さて、早速撮影に出かける。今年度のお礼参りも兼ねて、伊勢地方に行くことにした。その道中にシャッターを切る。先述通り、24mm という画角は多くのユーザーに馴染んでいる画角。ただ、スナップ撮影としては、一歩近寄るフットワークが鍵となる。24mm という画角はナチュラルに遠近感を誇張してくれるので、一見するととてもおとなしい画になってしまいがちなところを、どう変化付けるかが面白みの一つとなる。
本文中の 実画像 の文字をクリックするとカメラで撮影した実際の画像が別ウインドウで表示されます。容量が大きいのでモバイル端末での表示に注意してください。サムネイル画像をクリックするとリサイズした画像がポップアップ表示されます。
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■ 総評
24mm 単焦点で開放値 F1.4 という大口径広角レンズは手の届きにくい高価なものがほとんどで、それだけに憧れの対象でもある。この SAMYANG 24mm F1.4 ED AS IF UMC は、憧れのスペックを満たしていながら、即実用へと敷居を低くしてくれている。ここにもコストパフォーマンスの良さが光るわけだが、24mm にして F1.4 の世界は、そのスペックを持つレンズでしか味わうことができないわけで、丁寧に使い込んでいけば、価格以上の写真の面白みを感じることができるはずだ。SAMYANG 24mm F1.4 ED AS IF UMC は、寄り引きの変化だけでなく、絞りによるボケのコントロールの幅が大きいというアドバンテージが、24mm という画角での表現を大いに広げてくれるだろう。
■ 制作・著作 ■
スタジオグラフィックス
萩原 和幸