萩原和幸 流
サムヤンレンズ使い倒し術 第2回
SAMYANG 12mm F2.0 NCS CS
TOPIX
本サイトでお馴染みの写真家・萩原和幸が、高コストパフォーマンスで写真好きの耳目を集め始めているサムヤンレンズをトコトン使い倒す新連載「 萩原和幸流サムヤンレンズ使い倒し術 」。豊富なラインナップを誇るサムヤンレンズから、萩原氏がお気に入りの一本を選んでスナップ、ネイチャー、ポートレートなどなどで使い倒した生々しいレビューを月1でお届けしています。今回取り上げたのは APS-C 対応 12mm 単焦点レンズ「 SAMYANG 12mm F2.0 NCS CS 」です。それではお楽しみください。 by 編集部 |
Index
■ 12mm F2.0 NCS CS はどんなレンズ? ■ 第一印象は? ■ ミラーレス機+マニュアルレンズのメリット ■ ■ 超広角レンズだから撮れるもの ■ SAMYANG 12mm F2.0 NCS CS の作例 ■ 総評 |
本文中の 実画像 の文字をクリックするとカメラで撮影した実際の画像が別ウインドウで表示されます。容量が大きいのでモバイル端末での表示に注意してください。サムネイル画像をクリックするとリサイズした画像がポップアップ表示されます。
■ 12mm F2.0 NCS CS はどんなレンズ?
高コストパフォーマンスで評判の SAMYANG レンズを使い倒して萩原流に紹介する本連載、その第2弾は単焦点 12mm の「 SAMYANG 12mm F2.0 NCS CS 」。このレンズは APS-C センサーサイズのミラーレス機専用に開発されたマニュアルレンズ。レンズ自体の焦点距離は 12mm だが APS-C 機に装着した場合、35mm 板換算で 18mm 前後に相当するレンズで、超広角レンズと言われる部類になる。( ただしマイクロフォーサーズ機装着時は 24mm )
レンズ構成は 10 群 12 枚。複合非球面レンズ( H-ASP )と Glass 非球面レンズ( AS )の2種の非球面レンズを採用。その他に低分散レンズ( ED )も採用し、各収差を良好に補正している。またネーミングにも付いているナノコーティング( NCS )が施され、反射率の低減やコントラストの再現化を図っている。絞り羽根は6枚ながら、円形に近い。フィルター径は 67mm。
前回に引き続き、今回もソニー E マウントに対応したレンズをご用意いただいたので、カメラは α7RII にした。α7RII は APS-C ではなくフルサイズのセンサーを採用しているが、APS-C にクロップ( トリミング )できる機能を搭載しているので、本レンズでも問題なく装着できる。
■ 第一印象は?
このレンズの第一印象は、「 小さくて軽い 」。基本フレームは高硬度アルミ合金なので軽いのは想像つくだろうが、実際に持って見ると驚くほどに軽い。重さは 245g( ソニーEマウント )と、コンパクトさが大きなメリットになっているミラーレス機にはピッタリだ。付属の花形フードは逆さにも装着できるので、コンパクトに収納できる。
α7RII に装着してのバランスはいいが、不思議と α7RII が大きく見えてしまう(笑)。やや細身で、ピントリングはやや重め。前回紹介した「 SAMYANG 35mm F1.2 ED AS UMC CS 」もそうだったが、サムヤンのこの一連のシリーズのピントリングは、やや重めに設定しているのかもしれない。この方が慎重なピント合わせにはちょうどいい。絞りは 1/2 段クリックで F22 まで。
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■ ミラーレス機+マニュアルレンズのメリット
オートフォーカスに対応していない本レンズはピント合わせが大変なのでは? と思う向きもあるかもしれないが、前回も紹介したように、α7RII を含む EVF ( 電子ファインダー )を搭載した最近のミラーレス機にはフォーカスのピーキング機能が搭載されているので、意外にもマニュアルフォーカスでのピント合わせがとても楽なのだ。ピーキング機能とは、ピントの合っている部分に色をつけて EVF 内に表示する機能で、ピーキング機能をオンにしていれば、ピントリングを回して変化するピントの合っている箇所を一目で確認できる。また、ピントを合わせたい箇所を拡大表示する機能を搭載した機種もある。またミラーレス機は常に実絞り( ファインダー内で被写界深度が確認できる )で表示されるので、絞りに即した被写界深度がリアルタイムで確認できる。
写真5のようにガラスへの映り込みがあったり、主題そのものが AF でのピント合わせが難しい撮影では、実はミラーレス機のピーキング機能を使ってマニュアルフォーカスで撮影した方が素早くイメージ通りの画が撮れるのだ。
■ 超広角レンズだから撮れるもの
さて超広角の部類となる 12mm 画角( 35mm 板換算で 18mm )となるこのレンズ。APS-C センサーサイズ機で多く使われる標準ズームレンズのワイド側は 18mm ( 35mm 板換算で約 24mm )なので、それに比べてパースペクティブの強調された画が期待できる。
私自身、広角レンズといえば 14mm、20mm、24mm あたりの単焦点レンズは普段から使用しているが、18mm という画角は、16-35mm のズーム内で無意識に使っている画角というのが本音。18mm という焦点距離を単体で意識したことはこれまでなかったので、SAMYANG 12mm F2.0 NCS CS を使っての撮影はとても楽しめた。
SAMYANG 12mm F2.0 NCS CS の描写は、開放に近い絞りではやや柔らかさを持ち合わせているが、全体的にはシャープな印象。でも太い感じのシャープさではなく、繊細だ。解像感は、中央部については開放から満足でき、f4.0 を過ぎたあたりから画面全体に高まっていく。ピークは f5.6 から f8.0 あたりだ。
■ SAMYANG 12mm F2.0 NCS CS の作例
さて、それでは SAMYANG 12mm F2.0 NCS CS を使って撮ったスナップ作例をご覧いただくとしましょう。
本文中の 実画像 の文字をクリックするとカメラで撮影した実際の画像が別ウインドウで表示されます。容量が大きいのでモバイル端末での表示に注意してください。サムネイル画像をクリックするとリサイズした画像がポップアップ表示されます。
■ 総評
SAMYANG 12mm F2.0 NCS CS は開放F値 2.0 なのにコンパクト。この明るさのレンズなら、夜の街中スナップや星空でも活躍が期待できる。カメラバックにポンと入れておくだけで、心強さを感じる1本だ。コストパフォーマンスに優れるサムヤンレンズの中でも、さらにハイコストパフォーマンスを実感させてくれる。ミラーレス機ユーザーなら持っていて損はない1本だ。
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■ メーカーサイト ■ SAMYANG 12mm F2.0 NCS CS |
■ 制作・著作 ■
スタジオグラフィックス
萩原 和幸