夜景写真家・岩崎拓哉の夜景撮影講座
第31回 レインボーブリッジ・ライトアップ夜景入門
TOPIX
前回の「 隅田川ライトアップ夜景入門 」に多数のアクセスをいただきましてありがとうございました。今月の夜景写真家・岩崎拓哉の夜景撮影講座も前月に引き続き、被写体をテーマにした撮影ノウハウを解説しております。今月はやはり夜景撮影では人気の高い 「 レインボーブリッジ 」を取り上げております。それではご覧ください。 by 編集部 |
第30回の「隅田川ライトアップ夜景編」に続き、今回のテーマは東京のランドマークとして親しまれているレインボーブリッジ。レインボーブリッジに特化した撮影テクニックやスポットを解説します。一般的には”レインボーブリッジ=お台場”と誰もが想像しがちですが、お台場エリア以外にもレインボーブリッジを撮影できるスポットがたくさんあります。今回は様々な角度から撮れるレインボーブリッジの作例をお楽しみ下さい。
写真1 シンボルプロムナードから撮影したレインボーブリッジ
■レインボーブリッジ入門
撮影の話に入る前に、まずはレインボーブリッジについて解説したいと思います。港区の芝浦地区と台場地区を結ぶ吊り橋として1993年に開通しました。開通してから既に25年近く経っており、東京の夜に彩りを添えます。2つある主塔がライトアップされ、2005年からはレインボーカラーのライトアップも楽しめます。レインボーブリッジを撮影できる場所は豊富にあり、様々な角度から撮影できるため、写真愛好家にも人気の被写体です。
(1)ライトアップは原則24時まで
季節や曜日を問わず、原則として日没から24時までライトアップされる。年間を通じて同じライトアップデザインと思われがちだが、4月~10月と11月~3月で主塔の色味が変化することは意外と知られていない?
写真2 24時を過ぎてライトダウンしたレインボーブリッジ
(2)冬はレインボーカラーに輝く
冬になると期間限定で「ミレニアムライトアップ」という名のレインボーに輝くレインボーブリッジが眺められる。このレインボーカラーは道路公団から民営化された時の記念行事として始まったようだ。
写真3 レインボーカラーのレインボーブリッジ
(3)歩道は夜間も無料開放されている
レインボーブリッジの両側に歩道があり、北ルートは東京タワーなど東京都心方面、南ルートはフジテレビなどお台場方面が見渡せる。ただし、歩道は三脚の使用が禁止されているため、手持ちでの撮影が基本。歩道の揺れもあるため、撮影の難易度はかなり高い。詳しい開放時間はページ下部の「今月のお勧め夜景スポット」を参考にして欲しい。訪れるときは時間に余裕を持つこと。
写真4 レインボープロムナード
■レインボーブリッジ撮影のポイント1:画角
レインボーブリッジを撮影する上で、特別なテクニックは必要無いが、撮影地から見た焦点距離の見極めは非常に重要だ。レインボーブリッジの撮影スポットとしてはお台場が最も定番だが、お台場からは意外と距離が離れているため、広角レンズでの撮影には不向き。標準~望遠の画角が最も適している。ただし、芝浦ふ頭などでは逆に広角レンズが必須となるため、予めレインボーブリッジと撮影地間の距離間をしっかり押さえておきたい。
写真5 広角レンズの作例(16mm)
写真6 望遠レンズの作例(175mm)
■レインボーブリッジ撮影のポイント2:露出
レインボーブリッジは特に主塔が周囲の建物に比べて明るいため、露出に悩むことがある。風景として街明かり全体を写すなら基本的に±0で問題無いが、主塔をメインで写す場合はマイナス補正にした方が、主塔のディテールがキレイに表現できることがある。
写真7 露出補正±0の作例
写真8 露出補正-1の作例
■「有明」の夜景撮影スポット
ここからお台場以外の撮影スポットを紹介していきたい。台場と違った角度でレインボーブリッジを撮影できる有明エリアは、富士見橋が代表的。西向きに明かりが広がるため、夕景~トワイライトにかけての撮影もおすすめ。新たに開園した「有明北緑道公園」は東京タワー方面も視界が広がる。
写真9 富士見橋
写真10 有明北緑地公園
■「芝浦」の夜景撮影スポット
レインボーブリッジを最も間近で撮影できるエリア。芝浦南ふ頭公園は眼下から見上げるようにレインボーブリッジを撮影できるが、超広角レンズの持参がおすすめ。定番のループ橋を写すなら、最低でも15mm以下(35mm換算)の焦点距離のレンズを忘れずに。埠頭の中は立入禁止なので、手前のフェンス前からの撮影になるが、とても高さがあるため、撮影の難易度は高い。
写真11 芝浦南ふ頭公園
写真12 芝浦ふ頭(ループ橋)
■「晴海」の夜景撮影スポット
晴海エリアも人気の夜景撮影スポット。晴海ふ頭ターミナルが代表格だが、隣接する晴海ふ頭公園からは水面に反射したレインボーブリッジを写せる。穴場としては晴海大橋がおすすめだが、撮影時は足元の揺れに注意したい。いずれも標準~望遠レンズでの撮影がおすすめ。
写真13 晴海大橋
写真14 晴海ふ頭公園
■「台場」から冬のレインボーブリッジを撮影
最後に台場を紹介するが、台場で最も撮影に適しているのは台場公園。お台場海浜公園やアクアシティ付近に比べて、レインボーブリッジとの距離感が近く、角度的にも東京タワーも一緒に写しやすい。夕暮れ~トワイライトも美しい。また、冬には短い時間だが花火が打ち上げられる日もあるので、バルブ撮影で花火とレインボーブリッジを一緒に写してみて欲しい。
写真15 レインボーカラーのレインボーブリッジ(台場公園)
写真16 レインボーブリッジと花火
■今月のお勧め夜景スポット「レインボープロムナード」
冒頭でも紹介したレインボープロムナードは三脚は禁止されているものの、主塔からの見晴らしが抜群。台場エリアも東京都心エリアも素晴らしい夜景が写せるので、高感度+手持ち撮影(手ブレ補正ON)にはなるが、散歩感覚で手軽に撮影を楽しむのも良さそうだ。
レインボープロムナード
利用時間:4〜10月 9:00〜21:00/11~3月 10:00〜18:00
(いずれも最終入場は30分前・休館日あり)
所在地:東京都港区海岸
アクセス:ゆりかもめ「芝浦ふ頭駅」徒歩6分(入口まで)
料金:無料
URL:レインボープロムナードの夜景
写真17 レインボープロムナードからループ橋を見下ろす