<特集>カメラマン・木村智哉( Toshiya Kimura )が撮るポートレート
~ タムロンEマウント用レンズ編
Photo : Toshiya Kimura
model : Nozomi Inoue
TOPIX
今回の特集はタムロン製 Eマウントレンズ2製品 「 28-75mm F/2.8 Di III RXD( Model A036 )・ 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD ( Model A071 )」をスタジオグラフィックス on the Web では初登場となる木村智哉( きむらとしや )氏に試写していただいた。コロナ禍で海外旅行もままならない中、海外リゾート風演出しつつ、モデルの いのうえのぞみ さんをハウススタジオ・白ホリスタジオ・屋外にて3日間に渡り撮影した。ぜひご覧ください。 by 編集部 |
Index
1.カメラマン・木村智哉(きむらとしや)の系譜
初めまして木村智哉です。スタジオグラフィックス on the Web初、いや、Webメディアに寄稿したのが初かもしれないので、自己紹介を兼ね経歴についてまず語りたい。
プロでありながら、この 10 年 あまり1台のカメラと1本のレンズだけで仕事をしてきた。
ずっとソニーの α900 とカールツァイス24 ~ 70 mm( Vario‑Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS )の組み合わせがその信頼できる仲間だったが、3年前からは α9と24 ~ 70 mm 2.8( FE 24-70mm F2.8 GM )を使っていて今に至る。( α900 とカールツァイス24 ~ 70 mm は予備として同行してる。)
以前は撮っていたコンサートなら望遠とか必要かも知れないが、女性タレント・モデル等のグラビアやカレンダー、ジャケ写、宣材など目の前で指示して撮る仕事なのでそれで成り立ってきた。
思えばサンゴーからエイトバイテンを使い分けていたフィルムの時代、飛行機ロケは35(ミノルタ ~ コニカミノルタ)と6 × 45(ペンタ)、車で行けるロケはそれに6 × 7(マミヤ)が加わり、白ホリ等の箱スタは6 × 6(ハッセル)で人物等身大以上や高画質が求められる仕事は4 × 5(リンホフ)、8 × 10(ディアドルフ)を持って行った。これにそれら用の大量のフィルムとポラロイドが加わるわけだから準備も運ぶのも何よりも現場が大変だった。
どのカメラサイズ、どのレンズ、どのフィルムかを考えるだけでなくポラロイドを撮ったり番記( 現像用に1本づつの絞り、シャッタースピードを記録する )をしたり戦場のようだったのが昨日のことのようであり嘘のようでもある。その興奮に比べて今の楽さもいいがどこか物足りなさを感じないこともない。
さて、自己紹介はこの辺にして本題に入ろう。
2.ポートレート撮影にあたり
さて、ポートレートを撮影するにあたり今回使用するレンズだが、このところ充実してきたEマウント用レンズの中でも興味を持っていたタムロン社の2本のレンズ 28-75mm F/2.8 Di III RXD( Model A036 )と 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD ( Model A071 )を使わせてもらえる有難い機会をいただいた。久々に交換レンズ選択のわくわく感が味わえる。
レンズを受け取って驚いたのはそのコンパクトさと重さである。今使っているレンズは長さ136 mm に重さが 886g もあるのに比べ、28-75mm F/2.8 Di III RXD が長さ 117.8 mm に重さ 550g、28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD が 117 mm に重さ 575 gしかない。(フィルター径はソニー製レンズの 82 mm に対して両レンズとも 67 mm と細い。写真のように見分けのつかない大きさ。)
この軽さの有難みは最初は落ち着いて三脚で撮り始めても結局手持ちになって腕が疲れてしまう現状を考えるととても助かる。実際、今回の撮影でも最後まで楽だった。
さて、そんなレンズを与えてもらっての折角の貴重な機会、テスト・実験のような撮り方というより普段の仕事・グラビア実践さながらに楽しむことにした結果、撮影には3日かけた。街角ポートレートに和風スタジオ、普通の児童公園をそれぞれ別日、そしていわゆる白ホリのスタジオ( 通称箱スタ )をそのうちの2日で使用した。
このコロナ禍の中、海外へ行くこともままならず写真上だけでもと とある場所を早朝にロケハンして(道に面したスタジオの外観のみ)、写真集のオープニングにあるような海外街角( 風 )のスナップポートレートに挑んだ。
3.作例解説
最初は日陰の楽な目のまぶしくないところから、扉や柵、ひじ掛けなどシチュエーションを生かして撮っていく。自分の場合、自然光の時は今回の絞り4が珍しいくらいで常用は5.6から8くらい背景生かしで撮るのが好きなので開放ボケとかはほぼない。
目も慣れたところで日の当たる場所に座ってもらう。写真 9 と写真 10 はレフ板を使用している。
写真5 ~ 写真 10 までは、この 10 年の習性( 望遠でも 70 mm まで )からか一番遠くて 57 mm だったので望遠を意識したが 75 ㎜だった。レンズが同じような大きさだったのでどちらをとかも意識せず、交代で使っていたのだがこれは 28-75mm F/2.8 Di III RXD(Model A036)だったのだろう。全身写真はレフを使用している。
別日に外国風とは真逆の日本家屋のスタジオを借りた。14 時頃の逆光でレフ使用。今回の一連の撮影で一番望遠を意識して133 mm 相当で撮った。尚、この日は室内と衣装を変えて撮っている。こちらは近く別の機会に発表させてもらいたい。
何気ない街中の児童公園。結構有名なアイドルや女優、声優など( AKB48 時代の前田敦子、指原莉乃、女優の武井咲など 10 人近く)をここで撮ってきた。特に真ん中に座った子が売れる縁起のいい遊具だ。
時刻は 17 時くらい、軽くストロボをたいている。後ろにブランコがあり子供が大勢来たので3枚しか撮れなかった。
他のプロカメラマンと比べても圧倒的に自分が使うことの多い白ホリスタジオで撮ってみる。箱スタはアマチュアはもとよりプロでも差が出やすいが、レンズの比較には光や時間帯にも左右されないのでうってつけだ。結果、当然問題のない仕上がりで普段は 70mm までで自分が動き回って撮っているのだが、28 ~ 200mm のおかげで全身立ちのあとすぐに寄れたりとかいつもと違うタイミング、角度、画角で撮れたりして新鮮だった。
4.タムロンレンズに関する感想
2本とも取り回しが楽で短く細く軽くて疲れない。
充分な明るさだし、いつもの 70mm から75mm までのわずかな違いだけでも大きいが、200mm まであるならこのところ考えようともしなかっただけで色々幅が広がるのは間違いない。また最短撮影距離もいつもの 38cm に比べ 19cm なので花などのマクロ撮影とかに良さそうだし、フィルター径 67mm 共通なのも親切。そして何よりの売りはこの性能で 10 万前後の比較的お手頃な金額( 今自分が使ってるレンズの3分の1)にある。
5.あとがき
最後に今回のモデルには写真業界界隈で著名な いのうえのぞみ さんにお願いした。
彼女との出会いは 17 歳高2の時に箱スタで水着で撮ったのが最初で、それから 16 年後になる今から4年前に当時所属の事務所を知ってたことから再会して、以降何度か売り込み用の宣材や SNS 用の写真、カレンダー(自主制作)、作品撮り(グラビア想定)など数えたら今回の3日間の撮影で計 17 日になっていました。
ちなみにその4年前から去年までの写真の中から彼女選りすぐりの 50 点(水着、コスプレ、ランジェリー等)をまとめたデジタル写真集が小学館のサイト < ビジュアルウェブS > から2021 年5月 12 日発売予定です。公開され次第 いのうえさんのツィッター にてご案内がございますのでツイッターをフォローしてください。
いのうえのぞみ Twitter : https://twitter.com/nononononozomin
東京生まれ。日大芸術学部写真学科在学中より広告会社に入社、その後写真家・小澤忠恭氏に師事して独立。女性写真中心に活動中。
木村智哉プロフィール http://yes-pr.jp/toshiyakimura
木村自分記録用ツィッター(初公開) https://twitter.com/toshi62914973
■ 制作・著作 ■
スタジオグラフィックス
木村智哉
いのうえのぞみ