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コ・ボーグ36ED活用のススメ
第2回:柔軟性と拡張性に優れた
コ・ボーグ36ED

Posted On 20 1月 2015
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TOPIX

トミーテックの「 コ・ボーグ36ED 」は、異なるメーカーのカメラでもレンズを共有できるメリットがあります。また、システムを拡張することで、描写力や表現力を向上できる柔軟性も兼ね備えています。そこで、今回は、複数のデジタルカメラとの組み合わせや、絞り機構を追加したときの描写力を見ていくことにしましょう。by 編集部

■複数のカメラで共有できるコ・ボーグ36ED

本サイトの読者であれば、異なるメーカーのデジタル一眼レフやミラーレスを複数所有する人も少なくないだろう。とくにフィルムとは異なり、デジタルではメーカーや機種によって絵づくりにも違いがあり、さらにイメージセンサーのフォーマットサイズも多彩であるため、複数カメラがあれば表現の幅が広がりやすい。そのような楽しみ方ができるのもデジタルならではだからだ。

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コ・ボーグ36ED
望遠レンズセット(BK)

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ただし、メーカーの異なるカメラを複数所有すると、交換レンズを揃えるのがたいへんだ。フランジバックの長い一眼レフ用の交換レンズであれば、マウントアダプターを介してミラーレスに装着することは可能だが、一眼レフ用の交換レンズをほかのメーカーのデジタル一眼レフに装着したり、ミラーレス用の交換レンズをデジタル一眼レフに装着したりすることは不可能である。だが、諦めないでほしい。前回紹介した「 コ・ボーグ36ED望遠レンズ 」はカメラマウントの交換できるシステムレンズ。このレンズであれば、装着できないデジタル一眼レフ、ミラーレスはないに等しい。

コ・ボーグ36ED望遠レンズのカメラマウント交換は驚くほどカンタンだ。しかも迅速な交換を可能とするので苦にならない。コ・ボーグ36ED望遠レンズセットをデジタル一眼レフおよびミラーレスに装着する手順は次の通り。

 

カメラアダプターはほとんどのデジタル一眼レフ、ミラーレスが用意されている。所有するカメラに応じて揃えたい。

カメラアダプターはほとんどのデジタル一眼レフ、ミラーレスが用意されている。所有するカメラに応じて揃えたい。

 

デジタル一眼レフの場合、コ・ボーグ36ED望遠レンズセットに「 M42P1→M49.8AD【7843】 」を装着した上に、使用するカメラに合わせてカメラマウントを装着する。フランジバックの短いミラーレスでは、コ・ボーグ36ED望遠レンズセットに「 M42延長筒S【4531】 」( 白は【4530】 )を継ぎ足したあと、「 M42P1→M49.8AD【7843】 」とカメラマウントを装着する( ペンタックスQを除く )。デジタル一眼レフとミラーレスでコ・ボーグ36ED望遠レンズセットを共有する場合、それぞれのカメラマウントとミラーレス用として「 M42延長筒S【4531】 」があれば使い回すことができるというわけだ。

また、周辺像がコマ収差などで乱れることを抑える「 スリムフラットナー1.1×DG【7110】 」装着している場合では、次のような組み合わせとなる。

 

スリムフラットナー1.1×DGの構成

スリムフラットナー1.1×DGの構成

 

デジタル一眼レフの場合、コ・ボーグ36ED望遠レンズセットのM42延長筒Mを「 M42延長筒S【4531】 」に交換。それにスリムフラットナーのスペーサーAを除いたレンズセルのみをカメラ側に組み込んだマウント7110を装着し、さらにカメラマウントを装着する。

一方、ミラーレスではコ・ボーグ36ED望遠レンズセットに「 M42延長筒S【4531】 」を継ぎ足した上でレンズ側にスペーサーAとレンズセルを組み込みこんだマウント7110を装着。その次にカメラマウントを装着する(ペンタックスQを除く)。文字で書くと一見複雑なように思えるが、いずれも場合も慣れるのにそう時間はかからないはずだ。一眼レフ、ミラーレスとも図表を掲載するので確認してみてほしい。

キヤノンEOS 7Dにコ・ボーグ36ED望遠レンズセットを装着した様子。フード+36ED対物レンズ+M42ヘリコイド+M42ドロチューブ+M42回転台座+M42延長筒S+スリムフラットナー1.1×DG+カメラマウント(EOSマウント)とする。

キヤノンEOS 7Dにコ・ボーグ36ED望遠レンズセットを装着した様子。フード+36ED対物レンズ+M42ヘリコイド+M42ドロチューブ+M42回転台座+M42延長筒S+スリムフラットナー1.1×DG+カメラマウント(EOSマウント)とする。

マウント7110の後方側(カメラ側)にスリムフラットナー1.1×DGを組み込み、カメラマウントを装着したところ(EOSマウント)。

マウント7110の後方側(カメラ側)にスリムフラットナー1.1×DGを組み込み、カメラマウントを装着したところ(EOSマウント)。

 

ソニーα7にコ・ボーグ36ED望遠レンズセットを装着した様子。フード+36ED対物レンズ+M42ヘリコイド+M42ドロチューブ+M42回転台座+M42延長筒M+スリムフラットナー1.1×DG+カメラマウント(Eマウント)とする。

ソニーα7にコ・ボーグ36ED望遠レンズセットを装着した様子。フード+36ED対物レンズ+M42ヘリコイド+M42ドロチューブ+M42回転台座+M42延長筒M+スリムフラットナー1.1×DG+カメラマウント(Eマウント)とする。

ソニーα7で使用する場合は、マウント7110の前方側にスリムフラットナー1.1×DG+スペーサーを組み込む。

ソニーα7で使用する場合は、マウント7110の前方側にスリムフラットナー1.1×DG+スペーサーを組み込む。

 

オリンパスOM-D E-M5にコ・ボーグ36ED望遠レンズセットを装着した様子。フード+36ED対物レンズ+M42ヘリコイド+M42ドロチューブ+M42回転台座+M42延長筒M+スリムフラットナー1.1×DG+カメラマウント(マイクロフォーサーズマウント)とする。

オリンパスOM-D E-M5にコ・ボーグ36ED望遠レンズセットを装着した様子。フード+36ED対物レンズ+M42ヘリコイド+M42ドロチューブ+M42回転台座+M42延長筒M+スリムフラットナー1.1×DG+カメラマウント(マイクロフォーサーズマウント)とする。

オリンパスOM-D E-M5で使用する場合は、マウント7110の前方側にスリムフラットナー1.1×DG+スペーサーを組み込む。

オリンパスOM-D E-M5で使用する場合は、マウント7110の前方側にスリムフラットナー1.1×DG+スペーサーを組み込む。

 

コ・ボーグ36ED望遠レンズセットとスリムフラットナー1.1×DGを組み合わせたシステム構成

コ・ボーグ36ED望遠レンズセットとスリムフラットナー1.1×DGを組み合わせたシステム構成

なお、コ・ボーグ36ED望遠レンズセットのイメージサークルはAPS-Cサイズまでをカバーする。したがってフルサイズのデジタル一眼レフ、ミラーレスで撮影する場合はクロップ機能を使うか、撮影後トリミングするとよいだろう。ちなみに掲載したα7の作例は、撮影後画像ソフトでクロップしたものである。

実際にオリンパスOM-D E-M5、キヤノンEOS 7D、ソニーα7で撮影を行なってみた作例は以下のとおりだ。いずれもピントの合った部分は鋭いキレが得られ、色のにじみもない。どのデジタル一眼レフ、ミラーレスで使用しても文句のつけどころのない描写だ。

オリンパスOM-D E-M5

作例1:オリンパスOM-D E-M5

キヤノンEOS 7D

作例1:キヤノンEOS 7D

作例1:ソニーα7

作例1:ソニーα7

 

オリンパスOM-D E-M5

作例2:オリンパスOM-D E-M5

キヤノンEOS 7D

作例2:キヤノンEOS 7D

ソニーα7

作例2:ソニーα7

■絞り機構の追加で表現力アップ

前回のテキストの中で、絞り機構があれば描写はさらに向上するかもしれないと記したが、今回「 絞りM42P1【9421】 」も借りられたので、装着してみた。同絞り機構の絞り羽根は12枚。距離計用のオールドレンズ並みの絞り羽根を持つ。ほぼ円形に絞られるため、ボケ味も期待できそうである。さらに絞り値の代わりに絞りの周囲に絞り径を表す数字、開放の37に始まり30、25、20、15、10、5までが指標として鏡筒にプリントされているので、撮影時の目安となるのも便利なところといえる。コ・ボーグ36ED望遠レンズセットへの装着に関しては、対物レンズのすぐ直後に置くのがベストだ。

今回使用した「絞りM42P1【9421】」。絞り羽根は12枚と多く、絞り込んでもほぼ円形となる。外周の数字は絞り径の直径で、開放絞りが37、最小絞りを5とする。

今回使用した「絞りM42P1【9421】」。絞り羽根は12枚と多く、絞り込んでもほぼ円形となる。外周の数字は絞り径の直径で、開放絞りが37、最小絞りを5とする。

コ・ボーグ36ED望遠レンズに「絞りM42P1【9421】」を装着したところ。絞りは、対物レンズのすぐ直後に装着するようにする。

コ・ボーグ36ED望遠レンズに「絞りM42P1【9421】」を装着したところ。絞りは、対物レンズのすぐ直後に装着するようにする。

「 絞りM42P1【9421】 」を装着したときの描写については、開放でも十分な解像感が得られたが、絞り込むとさらに向上。コントラストも増し、より締まった描写が得られる。ちなみに作例を見るかぎり、描写のピークは絞り指標で25前後と思われる。もちろん絞りによって被写界深度のコントロールも可能となるので、より多彩な表現を楽しみたいユーザーや、描写にこだわりたいユーザーなら、絞り機構の追加は必須といえるだろう。

なお、オリンパスOM-D E-M5で「 絞りM42P1【9421】 」を使用した比較作例は以下のとおり。

開放絞り( 絞り直径37 )でも不足のないシャープネスだが、少し絞るとさらに増す。描写のピークは、絞り直径25前後。被写界深度も絞り込むほど深く変化していることが分かる。

作例3:絞り指標 37(開放)

作例3:絞り指標 37(開放)

作例4:絞り指標 37(開放)

作例4:絞り指標 37(開放)

作例3:絞り指標 30

作例3:絞り指標 30

作例4:絞り指標 30

作例4:絞り指標 30

作例3:絞り指標 25

作例3:絞り指標 25

作例4:絞り指標 25

作例4:絞り指標 25

作例3:絞り指標 20

作例3:絞り指標 20

作例4:絞り指標 20

作例4:絞り指標 20

作例3:絞り指標 15

作例3:絞り指標 15

作例4:絞り指標 15

作例4:絞り指標 15

作例3:絞り指標 10

作例3:絞り指標 10

作例4:絞り指標 10

作例4:絞り指標 10

コ・ボーグ36ED望遠レンズは、一見するとスポッテイングスコープのように見え、これで撮影を楽しむことを好ましく思わない方もおられるかもしれない。しかし、その高い描写特性とシステム化されたアクセサリー、何よりボディ( マウント )を選ばないレンズであることを知れば、それが大きな間違いであることが分かる。さらにリーズナブルなプライス設定がなされているのも魅力で、手軽に望遠撮影を楽しむにはこれ以上の交換レンズはないといってもよい。コ・ボーグ36ED望遠レンズはマニュアルフォーカスでじっくりと被写体と対峙したいひとにオススメできるレンズである。

■実画像ギャラリー

本記事の作例として紹介した写真の実画像をご覧になりたい方は、以下の文字をクリックするとカメラで撮影した実際の画像が別ウインドウで表示されます。容量が大きいのでモバイル端末での表示には注意してください。

作例1:ソニーα7              
作例2:ソニーα7             
大浦 タケシ
著者について
■大浦タケシ(おおうらたけし)■宮崎県都城市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、雑誌カメラマン、デザイン企画会社を経てフォトグラファーとして独立。以後、カメラ誌および一般誌、Web媒体を中心に多方面で活動を行う。写真展としては、「盆地〜もうひとつの記憶」(2006年3月コニカミノルタプラザ)、「Expression 〜生き物たちの肖像〜」(2013年4月エプサイト)などがある。公益社団法人日本写真家協会(JPS)会員。2006年よりカメラグランプリ選考委員。
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