萩原和幸 流
サムヤンレンズ使い倒し術 第4回
SAMYANG 135mm F2.0 ED UMC
TOPIX
本サイトでお馴染みの写真家・萩原和幸が、高コストパフォーマンスで写真好きの耳目を集め始めているサムヤンレンズをトコトン使い倒す「 萩原和幸流サムヤンレンズ使い倒し術 」。豊富なラインナップを誇るサムヤンレンズから、萩原氏がお気に入りの一本を選んでスナップ、ネイチャー、ポートレートなどなどで使い倒した生々しいレビューを月1でお届けしています。今回取り上げたのはフルサイズ対応 135mm 単焦点レンズ「 SAMYANG 135mm F2.0 ED UMC 」です。それではお楽しみください。 by 編集部 |
Index
■ 望遠入門機 SAMYANG 135mm F2.0 ED UMC
本連載の第4弾は、「 SAMYANG 135mm F2.0 ED UMC 」。このレンズは 35mm 版フルサイズフォーマット用としてデザインされた単焦点中望遠のマニュアルレンズだ。レンズ構成7群 11 枚。低分散レンズ( ED )を採用し、各収差を良好に補正しつつ、フレアとゴーストを最大限に抑えるウルトラコーティングで仕上げることで、高画素カメラに応えてくれる。絞り羽根は9枚で、円形絞りとは謳わないものの、円形に近い綺麗なボケを楽しむことができる。フィルター径は 77mm。
マウントは、ニコン F、キヤノン EF、ペンタックス K、ソニー A/E、キヤノン M、富士フイルム X、マイクロフォーサーズ、とほとんどのマウントが用意されている。今回はキヤノン EF マウントを Canon EOS 5D MarkIII に装着してみた。
以前は望遠レンズの入門的な焦点距離として扱われていた 135mm。一般的な 135mm の単焦点レンズはポートレートでも使いやすいレンズだ。この焦点距離は望遠系に属するが、200mm ほどモデルとの距離をおく必要はないし、また単焦点レンズだから開放値も F2 前後の大口径が揃っていて、大きなボケの中でモデルを浮かび上がらせることができる。私はこれまで他社の 135mm を長年愛用してきたが、その理由は明るく、取り回しが楽だからだ。
SAMYANG 135mm F2.0 ED UMC も開放値 F2 の大口径。ボケの楽しみを念頭に、今回はポートレートとスナップで試してみた。
SAMYANG 135mm F2.0 ED UMC のマウントには電子接点が無い。つまりコンピュータを内蔵していない完全なマニュアルレンズなので、AF もないし、絞りも鏡胴についている絞りリングで操作する。( 電子設定が無いのでレンズ情報は Exif に記録されない )コンピュータを内蔵していない分、鏡胴は細い。いや、昨今のレンズの鏡胴は太いものが多いので、細く感じると言った方が正確かもしれないが、この細さは手のひらに気持ちよく収まる感じだ。ピントリングは適度に重いトルク感がいい感じだ。大口径中望遠レンズだからこそ丁寧にピント合わせをしたいので、このトルク感は丁度いい。
SAMYANG 135mm F2.0 ED UMC は開放から素晴らしい描写性能を見せてくれ、清々しいほどのキレに驚かされる。全体的にはシャープな印象だが繊細さを併せ持つ描写だ。
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■ メーカーサイト ■ SAMYANG 135mm F2.0 ED UMC |
■ ポートレートで試してみた
SAMYANG 135mm F2.0 ED UMC で、まずはポートレートを撮影してみた。前述した通り、135mm レンズは普段から使っているので、135mm ならではの「 間 」が撮影では大いに役立つ。ボケの大きさはもちろん、モデルとの実際の距離の取り方など、そこそこ引きのある場所なら、85mm よりも使い勝手が良いように思えることもしばしばだ。
■ スナップで試してみた
次は、SAMYANG 135mm F2.0 ED UMC でのスナップ撮影。135mm はブラブラしながら見つけた光景の一場面を切り取るにはうってつけの焦点距離。割り切りのいい画角で、目の前の光景から主題を前面に押し出すような画作りが得意だ。
■ 総評
望遠効果はしっかりと体感でき、開放値 F2 という大口径。135mm という焦点距離の単レンズをなかなか積極的に手にする機会がなかったユーザーも多いはず。85mm か、それ以上は 200mm クラスのズームといったところだろう。でも 135mm という画角は、もっともっとスポットライトが当たってもいい、とても使いやすい焦点距離で、冒頭でも書いたが、望遠レンズの入門的位置付けであったことを踏まえると、多くのユーザーに使い込まれてほしい焦点距離だ。ただ、これだけのレンズは、純正はもちろん、サードパーティ製でも、高価なのがネックだった。サムヤンは財布にも優しいのも売りの一つ。「 135mm 」の入門として SAMYANG 135mm F2.0 ED UMC はうってつけだと思う。まずはこの画角の虜になってみてはどうだろう。
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■ メーカーサイト ■ SAMYANG 135mm F2.0 ED UMC |
■ 制作・著作 ■
スタジオグラフィックス
萩原 和幸
■ モデル ■
モデル:こいずみさき( ABP )