コンパクト広角ズームレンズでポートレート撮影例

第2回の今回もまた、「AT-X 17-35 F4 PRO FX」で撮影した写真を紹介しながら解説を進めたい。
まずはポートレートを撮影してみた。
狭い空間で撮影をし、ポップな感じを求めてみた。

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　撮影実画像を表示しますが10MBを超えるものもあります。(縦横向きも実際のものです)
　なお、ダウンロードに長い時間がかかる場合があり、 回線の混雑時には正常に表示できない場合があります。
　ブラウザの設定によっては自動で縮小されて表示されます。

作例01 撮影データ／Canon EOS5D Mark2 23mm　 絞り優先AE（1／125秒 F5.0）　ISO200　ストロボ使用

AT-X 17-35 F4 PRO FXはコンパクトなので、モデルと動きながら、気持ちよく撮影ができた。
AFはシャッターボタンを半押ししている間、ピントを合わせ続けるAIサーボを選択した。

作例02 撮影データ／Canon EOS5D Mark2 23mm　 絞り優先AE（1／125秒 F5.0）　ISO200　ストロボ使用

大きな動きをお願いしたので、AFよりもMFの方が向いていると判断する場面も。その際はAT-X 17-35 F4 PRO FXのワンタッチフォーカスクラッチ機構で、即座にMFに切り替えた。手にしているフォーカスリングから、手を離すことなくピント合わせに移行できる。この動作に対してのストレスレスは、撮影がスムーズに進むポイントとなる。

作例03 撮影データ／Canon EOS5D Mark2 23mm　 絞り優先AE（1／125秒 F5.0）　ISO200　ストロボ使用

広角レンズでのポートレート撮影では、歪みが気になるもの。上手にお付き合いすることが成功のコツ。四隅に極力顔を置かないように注意し、ダイナミックさを求める。また広角レンズでアップを撮影する為には、どうしてもモデルに近づかなければならない。ある程度度胸も必要だ。

モデル：林恵理（シェリーズ・エンタテインメント）

ファッションショーのステージ撮影例

私が講師をしている専門学校のファッションショーで、「AT-X 17-35 F4 PRO FX」を使って撮影を行った。
広角レンズなので、ステージギリギリのポジションで撮影に挑む。

作例04 撮影データ／Canon EOS5D Mark2 29mm　 絞り優先AE（1／500秒 F4.0）　ISO1600

ステージ上の様々なものが入り込んでくるので、逆に活かすことにした。
天からのライトをどう入れるかで構図を決めてゆく。
正面から撮影せずにサイドにポジションを置くことで、臨場感あふれるカットをねらった。

作例05 撮影データ／Canon EOS5D Mark2 35mm　 絞り優先AE（1／400秒 F4.5）　ISO1600

ステージは登場しているモデルだけではなく、ライト等を含めた空間全てで出来上がっていると、広角レンズを使うことで改めて感じる。「AT-X 17-35 F4 PRO FX」は17mm〜35mm、その場の雰囲気を、思うがまま切り取ることができる画角だ。

作例06 撮影データ／Canon EOS5D Mark2 35mm　 1／50秒 F4.0　ISO1600

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「AT-X 17-35 F4 PRO FX」と「AT-X16-28 F2.8 PRO FX」の違い

「AT-X 17-35 F4 PRO FX」と「AT-X16-28 F2.8 PRO FX」の大きな違いは、フィルター取り付けが可能かどうか、だ。AT-X16-28 F2.8 PRO FX はフィルター取付けを犠牲にする代わりに、大きな前玉になり、開放値 F2.8 と16mm、レベルの高い描写を実現している。AT-X 17-35 F4 PRO FX は開放値F4で17mmに抑える代わりに、フィルター取り付けを可能にしている面がある。

広角レンズに限らず、前玉の傷や汚れが気になる方は、レンズ保護フィルターを装着したいはず。その点でもAT-X 17-35 F4 PRO FX は安心だ。また数多くのフィルターが発売されているので、表現や意図に合わせて選択する面白さにも応えてくれる。

作例07 撮影データ／Canon EOS5D Mark2　30mm　1／160秒　F11　ISO200 kenko PRO1D C-PL SUPER SLIM 使用 (PLフィルター)

PLフィルターは、反射を除去し、コントラスト向上が期待できるフィルター。17mmから35mmまでの画角をもつAT-X 17-35 F4 PRO FX なら、空を大きく取り入れた構図のカットが得意。青空を青くスッキリと写すのに役立つアイテムだ。作例07 でもクッキリとした青空、洋館の外壁の反射が抑えられ、コントラストが高く出ていることが分かる。また窓ガラスの反射も抑えられるので、余分な写り込みも排除できる。
広い範囲を切り取る広角レンズでは大いに役立つ。

作例08 撮影データ／Canon EOS1Ds Mark3　 20mm　 絞り優先AE（1／200秒 F4.0）　ISO200

28cmまで寄れる利点を生かし、背景をボカし、桜の花そのものを捉える。
点光源が丸くボケる様はとても綺麗だ。コントラストも高く、カワヅザクラの桜色をきれいに再現している。

作例09 撮影データ／Canon EOS1Ds Mark3　 17mm　 絞り優先AE（1／3200秒 F4.0）　ISO200

絞り開放で、一枝の桜のみにピントを合わせ、あとはボカすことでイメージっぽいカットを目指す。開放値F4でもよくボケるし、開放値でありながら、高い描写性能が見てとれるカットになった。

寄って良し、引いて良し、開けて良し。

AT-X 17-35 F4 PRO FXはフィールドへと持って出掛けたくなるレンズとして、満足できる1本だ。

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萩原 和幸 (はぎわら かずゆき) 1969年　静岡県出身　東京工芸大学写真技術科卒業、静岡大学人文学部法学科卒業。写真家・故今井友一氏師事。独立後、K&S Photograph∞を設立。 フリーランスのフォトグラファーとして雑誌での撮影・執筆や広告撮影などで活動中。 公益社団法人　日本写真家協会（JPS）会員。静岡デザイン専門学校非常勤講師。 スタジオグラフィックス「萩原和幸の グラビア写真集＆ポートレート撮影術」連載。 > ホームページ 萩原 和幸