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ベルボン新三脚・レビュー<前編>
ギヤ式エレベータ&新システムVロック
Pro Geo V640 でコンポジット撮影に挑戦!

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Photo & Text:薮田織也


TOPIX

革新的で使いやすい三脚関連製品を提供するベルボン社から、新システムを採用したプロ用三脚+雲台が発売されました。重量のあるカメラを乗せたまま楽々稼働できるギヤ式エレベータと、脚の伸縮に新しい使い勝手の「 Vロック 」システムを採用した最新カーボン&マグネシウム製三脚「 Professional Geo V640 」。さらに、パン方向独立ストッパー&トルク調整機構を装備した自由雲台。これら新三脚と新雲台を組み合わせて、本誌写真家・薮田織也が光景写真撮影に挑みました。信頼性の高い三脚がなければ実現できないコンポジット( 合成 )写真撮影の方法と、新しい三脚の使いかたをご紹介します。   by 編集部

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■ 軽くて丈夫な三脚は夜のネイチャーフォトに欠かせない

■写真1 三脚無しでは撮れない夜桜のコンポジット写真
桜の背後にライトスタンドに乗せたクリップオン・ストロボを3灯配置。さらに別のクリップオン・ストロボ1灯を手持ちにして3~8秒の露光の間にオープンフラッシュで任意の場所に発光して撮影。背後のストロボには、シアンとマゼンタのカラーフィルターを装着し、撮影毎に入換えた。撮影後4枚をピックアップして Photoshop で比較(明)合成。  Nikon D800 + Tokina AT-X 16-28 F2.8 PRO FX ストロボ×4灯(1台は手持ちでオープンフラッシュ ) 焦点距離:16mm f/16 ~ f/18 ss:3 ~ 8sec ISO:800 ~ 1600

桜の背後にライトスタンドに乗せたクリップオン・ストロボを3灯配置。さらに別のクリップオン・ストロボ1灯を手持ちにして3~8秒の露光の間にオープンフラッシュで任意の場所に発光して撮影。背後のストロボには、シアンとマゼンタのカラーフィルターを装着し、撮影毎に入換えた。撮影後4枚をピックアップして Photoshop で比較(明)合成
Nikon D800 + Tokina AT-X 16-28 F2.8 PRO FX ストロボ×4灯(1台は手持ちでオープンフラッシュ ) 焦点距離:16mm f/16 ~ f/18 ss:3 ~ 8sec ISO:800 ~ 1600

■写真2 三脚「 Professional Geo V640 」
今回使った三脚は、「 Pro Geo V640 」。重量機材に対応できる軽量化ギヤ式エレベータ採用のカーボン+マグネシウム製三脚と、新開発のパン方向独立ストッパーが採用された雲台「 QHD-G6Q 」。V640 は縮長 485mm に4段で収納できるタイプ。この他に縮長 600mm に3段で収納できる V630 がある

今回使った三脚は、「 Pro Geo V640 」。4kgまでの重量機材に対応できる軽量化ギヤ式エレベータ採用のカーボン+マグネシウム製三脚と、新開発のパン方向独立ストッパーが採用された自由雲台「 QHD-G6Q 」。V640 は縮長 485mm に4段で収納できるタイプ。この他に縮長 600mm に3段で収納できる V630 がある

数年前から「 光景写真 」と称して夜間のストロボ・ネイチャー写真を撮っている薮田だが、これらの写真を撮るときに欠かせないアイテムが「 信頼性が高く軽い三脚 」だ。光景写真は人気のない山や谷に入り、数時間粘ってストロボ撮影をしなければならない。安定かつ軽い機材でなければ、ひ弱な薮田はすぐにへこたれてしまうため、光景写真においては当初より軽くて丈夫なベルボン社のカーボン+マグネシウム製三脚を愛用している。今年も夜桜の光景写真を撮ろうと思っていたところ、ベルボン社から新しいプロ用三脚と雲台が発売されるというので、さっそくお借りして試してみることにした。

■写真3 雲台「 QHD-G6Q 」
新開発のパン方向独立ストッパーとトルク調整機構が採用された自由雲台「 QHD-G6Q 」

新開発のパン方向独立ストッパーとトルク調整機構が採用された自由雲台「 QHD-G6Q 」

八王子にある某寺の境内に咲く桜の枝振りが気にいったので、ご住職に撮影許可をいただいて深夜の撮影にのぞむことにした。携行したのは、Nikon D800( バッテリーグリップ付き ) と超広角ズームレンズの Tokina AT-X 16-28 F2.8 PRO FX。さらにクリップオン・ストロボを4灯。三脚は「 Pro Geo V640 」+自由雲台「 QHD-G6Q 」、という組み合わせだ。三脚に乗せるのは合せて2kg超のカメラとレンズ。この他にも、以前に本サイトで薮田が紹介したベルボン社のリボルビング雲台「 PHD-66Q 」も用意したが、今回の被写体は動かないし、ヨコイチ構図をイメージしていたので「 PHD-66Q 」はカメラバッグから出すことなく、結果的に自由雲台「 QHD-G6Q 」のみ使った。

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Velbon Pro Geo V640

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■ Pro Geo V640 とアクセサリの紹介

冒頭の夜桜撮影の詳細は後述するとして、まずは Pro Geo V640 と、今回携行した三脚用アクセサリの紹介をしておこう。

■写真4 Pro Geo V640 + QHD-G6Q
脚部 Pro Geo V640 に 自由雲台 QHD-G6Q を装着した状態

脚部 Pro Geo V640 に 自由雲台 QHD-G6Q を装着した状態

脚部 Pro Geo V640 と 自由雲台 QHD-G6Q を組み合わせた外観が写真4だ。堅牢で安定感のある三脚を山間部などへのロケ撮に持って行く場合、やはり重さと大きさが重要になるわけだが、Pro Geo V640 は脚部が4段式で収納できるので、雲台を除いた収納時の高さが 485mm となる。そして脚部単体の重量は 1710g だ。さすがにカーボンファイバー製だけのことはあり、4kg の重量物を乗せられる三脚としては軽く、そしてコンパクトだ。外観の見た目も、見栄っ張りな薮田が他人に見せびらかしたくなる高級感を持っている。

■写真5 ギヤ式エレベータ
ハンドルを回転させてエレベータを上下させる。楽に素早くも微妙にも調整できる

ハンドルを回転させてエレベータを上下させる。楽に素早くも微妙にも調整できる

Pro Geo V640 の特筆すべき事はたくさんあるが、最大の特徴はエレベータの駆動にスクリューギヤを採用( 写真5 )したことだ。普及クラスの三脚でよく使われている、ネジでエレベータをサイドから固定する方式に比べて、重量物装着時でもエレベータの上下動が簡単で、微妙な上下操作ができるのがギヤ式エレベータの利点だ。特に Pro Geo V640 のスクリューギヤは、操作時にギヤハンドルから手を離しても急速に落下することがないので、大切なカメラを乗せた状態でも安心して操作できる。細かなポイントになるが、センター EV ストッパーと呼ばれる、エレベータを固定するストッパーを三脚の中央に配置したことで、エレベータを固定するときにおきやすい微妙な画角のズレを最小限に抑えられるようになっている。エレベータ部のストッパーは固く締めがちで、緩めるのが大変になることがあるが、このセンター EV ストッパーは大きく掴みやすい形状なので、比較的に楽に操作できるのも嬉しい。

■写真6 脚の伸縮が簡単・新ロックナット
脚部を伸ばすときはロックナット部をひねって開放する。従来のロックナット式に比べ、新型のロックナットは、小型・軽量で握りやすいデザインが採用され、ほんの少しひねるだけでロックが解除される

脚部を伸ばすときはロックナット部をひねって開放する。従来のロックナット式に比べ、新型のロックナットは、小型・軽量で握りやすいデザインが採用され、ほんの少しひねるだけでロックが解除される

Pro Geo V640 の脚部は4段式で収納できる。収納時に使われるロック機構は、ベルボン製品ではお馴染みのナットを回転させて施錠・解除するロックナット式。筆者はベルボン製品ではエル・ロックというレバー式の方が好みだが、Pro Geo V640 で採用された新型ロックナットは、施錠・解除時のナットの回転角度が約 90 度と小さくなり、とても使いやすくなっている。また、ナット部には回り止めが付いているので、緩めすぎて脚が抜けるような心配はない。脚部のメンテナンスを怠らず、ゴミや埃が付着していない状態であれば、写真6のように解除すると自然に脚が伸びてくれるほど、伸縮時の負荷が軽減されている。

■写真7 Pro Geo V640+QHD-G6Qの全高と最低高
身長 153cm の女性と Pro Geo V640+QHD-G6Q。エレベータを使った全高は 1550cm、最低高は 410mm。脚部を開いた場合はエレベータを少し上げる必要がある

身長 153cm の女性と Pro Geo V640+QHD-G6Q。エレベータを使った全高は 1550cm、最低高は 410mm。脚部をフル開脚した場合はエレベータを少し上げる必要がある

■写真8 3段階に開脚できるセミオートラチェット式開脚機構
開脚調整ノブを引き上げると開脚の角度をフル、セミ、標準の3段階に開脚できる。それぞれの脚で個別に開脚角度を設定できるので、不整地でも三脚を立てられる

開脚調整ノブを引き上げると開脚の角度をフル、セミ、標準の3段階に開脚できる。それぞれの脚で個別に開脚角度を設定できるので、不整地でも三脚を立てられる

写真7の右端のように、脚部をフル開脚すると三脚の高さを最低にできる。フル開脚するためには、写真8のように、開脚調整ノブを引き上げてから脚を開く。開脚はフル→セミ→標準の3段階で調整できる。

開脚調整ノブを引き上げてフル開脚まで開き、脚部を畳んでいくと開脚調整ノブが1段ずつ落ちていく機構になっているので、セミ開脚で使いたいときは、一度フル開脚まで開いてから、ゆっくりと畳んでいけばいい。

開脚調整はそれぞれの脚で個別に調節できる。この機能と脚の長さをそれぞれの脚で別々に調節すれば、通常開脚では三脚を立てにくい不整地などでも、安定した状態で設置できるはずだ。

■写真9 開脚キャンセルボタン
誤って開脚調整ノブを引き上げてしまったときのための開脚キャンセルボタン

誤って開脚調整ノブを引き上げてしまったときのための開脚キャンセルボタン

セミオートラチェット式開脚機構は大変便利なものだが、従来のベルボン製三脚に採用されていたこの機構は、誤って開脚調整ノブを引き上げると、元に戻すにはいったんフル開脚しなければならなかった。Pro Geo V640 では、このわずかではあるが現場では煩わしく感じるこの手間を回避するために、開脚キャンセルボタンが採用された。小さな改良ではあるが、ベルボンがユーザーの声を製品に反映させている証左だろう。

■写真10 付属のストーンバッグ
屋外で三脚を安定させたいときは、付属のストーンバッグを三脚に取り付けて、中に石を入れるとよい

屋外で三脚を安定させたいときは、付属のストーンバッグを三脚に取り付けて、中に石を入れるとよい

写真7の左端で三脚に取り付けているものが気になる読者のために紹介しておこう。これはストーンバッグ( 付属 )といい、三脚に取り付けてから中にストーン( 石 )などの重いモノを入れて使うバッグで、三脚を安定させるための道具だ。風が強い場所や、三脚が少しでも揺れて欲しくない夜間の撮影などで使うといいだろう。

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■ 高性能な自由雲台 QHD-G6Q

■写真11 自由雲台 QHD-G6Q
今回の撮影に使った自由雲台 QHD-G6Q。水平( パン )方向の動きだけ限定して止められる独立したストッパーと、トルク調整機構が付いたボールヘッドの動きだけを調整するボールヘッドストッパーを装備

今回の撮影に使った自由雲台 QHD-G6Q。水平( パン )方向の動きだけ限定して止められる独立したストッパーと、トルク調整機構が付いたボールヘッドの動きだけを調整するボールヘッドストッパーを装備

一般的な自由雲台はボールヘッドと呼ばれる球体が組み込まれており、ひとつしかないストッパーを解除することで、カメラの向きを自由自在に変えられる。パンハンドルとサイドティルトハンドルのある雲台に比べて、ヘッド部がコンパクトであることと、カメラの向きを変える際の操作が簡単で自由度が高いのが自由雲台のメリットではあるが、時としてその自由さが不便になることもある。たとえば、カメラの仰角や傾きは固定して、水平方向のみ変更したいときだ。ストッパーがひとつしかない自由雲台でエレベータを使っているとき、この操作はまずできない。

今回使った雲台は、ベルボン製自由雲台の QHD-G6Q だ。この雲台にはストッパーが2つ装備されている。ひとつはボールヘッド用のストッパー。そしてもうひとつがパン( 水平 )方向独立ストッパーだ。パン方向のみ独立してストッパーを解除できるので、カメラの仰角や傾きを固定したまま水平方向を変えられる。また、ボールヘッドストッパーには、トルク調整機構が装備されていて、これを調整することで機材の重量に合せた操作時の重み( トルク )を変化させられるのだ。重量のある機材を乗せている場合、トルクが軽いと予想以上にボールヘッドが動いてしまうことがあるが、この機構のおかげで微調整がやりやすくなる。

■写真12 便利なクイックシュー
ベルボンの多くの雲台で共通して使える薄型シュープレートをカメラに装着しておけば、カメラの雲台への着脱がワンタッチでできる

ベルボンの多くの雲台で共通して使える薄型シュープレートをカメラに装着しておけば、カメラの雲台への着脱がワンタッチでできる

以前、PHD-66Q というユニークなリボルビング雲台を本サイトで紹介したときも書いたが、ベルボンの雲台で筆者がもっとも気にいっているもののひとつが「 クイックシュー( QRA-35L ) 」だ。

82(W) × 50(D) × 10(H)mm、重量 50g のマグネシウム製のシュープレートは、カメラに装着したままでも邪魔にならず、雲台への着脱も簡単で確実だ。筆者は横着なので、使っているカメラの台数分だけ QRA-35L を買い足して、すべてのカメラに付けたままにしてある。 ( と、1年前の文章をそのまま掲載(笑) )

■写真13 限定販売セットに付属する専用ケース
あると便利、質感もなかなか上質な専用ケース

あると便利、質感もなかなか上質な専用ケース

さて、ここまでが新しい三脚と自由雲台の紹介だったが、ベルボンでは 2016 年6月中に、「 プロフェッショナル・ジオ V シリーズ 発売記念限定セット 」と称して、Pro Geo V640、または Pro Geo V630 そして、雲台に QHD-G6Q と PHD-66Q の各2タイプの三脚・雲台を組み合わせた4セットの限定販売を行なう予定だそうだ。このセットにはすべて専用ケースがおまけで付いてくるのだが、これがなかなかの代物なのだ。三脚は便利な撮影機材ではあるがむき出しで持ち運ぶとなるとなかなか大変で、混雑した電車などでは周囲の迷惑になることもある。そんなときに専用ケースがあると安心だ。ベルボン三脚を購入予定であれば、6月が狙い目だ!

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■ Pro Geo V640 と QHD-G6Q で夜桜を撮ってみた

■写真14 同じ桜を4通りの光と露出で撮影
露出設定とストロボのカラーフィルターを変えながら撮った4枚の夜桜写真。無風の夜ではあったが、安定した三脚無しでは設定変更時に微妙にズレてしまう恐れがある

露出設定とストロボのカラーフィルターを変えながら撮った4枚の夜桜写真。無風の夜ではあったが、安定した三脚無しでは設定変更時に微妙にズレてしまう恐れがある

今回の撮影で考えていたのは、画角は変えずに、露出設定やストロボに付けるカラーフィルターの色を変えながら撮った数枚の写真を、フォトショップで合成して一度では撮れない夜桜写真に仕上げることだった。そのためには無風の天候条件と、安定して使える三脚が必要だ。なぜなら数枚の写真とも1ピクセルも桜がぶれて欲しくないからだ。

まずは三脚、Pro Geo V640 に自由雲台の QHD-G6Q を付け、桜を見上げて撮影できる位置に設置。カメラは Nikon D800、レンズは Tokina AT-X 16-28 F2.8 PRO FX を付け、枝と花の広がりを強調したかったので焦点距離はワイド端の 16mm を選択。周囲はまっくらなので、LED ライトで桜を照射しながらフォーカスを合わせる。

次にストロボの設定。桜の背後、左右にライトスタンドに乗せたクリップオン・ストロボを3灯配置。このうち、真後ろのストロボにはカラーフィルターを付けたり外したりしながら撮影。使ったカラーフィルターはシアンとマゼンタ。さらに別のクリップオン・ストロボ1灯を手持ちにして、長秒露光中に必要と思われる箇所にオープンフラッシュで発光して撮影することに。

露出設定は f/16 ~ f/18 ss:3 ~ 8sec ISO:800 ~ 1600 の間を使って、カラーフィルターを変えながら4枚ほど撮影。もちろん、桜の背後に置いた3台のストロボの光量も都度変更。いろいろ変更しながら撮ったのは、合成時にいいとこ取りできるようにするため。こうして撮った4枚が写真14 だ。もうちょっとさまざまなカラーフィルターを使って撮れば、一目で一度で撮れない写真だと感じてもらうこともできただろうが、画全体として統一性のあるものにしたかったので、マゼンタとシアンという相反色のカラーフィルターだけに留めることにした。

■写真15 4枚の写真を Photoshop で比較(明)合成
4枚の写真をレイヤー毎に重ね、描画モードで「 比較(明)」合成を使う。最上段のレイヤーだけ「 ソフトライト 」を使用。全体を見ながらそれぞれのレイヤーの不透明度を変えて調整

4枚の写真をレイヤー毎に重ね、描画モードで「 比較(明)」合成を使う。最上段のレイヤーだけ「 ソフトライト 」を使用。全体を見ながらそれぞれのレイヤーの不透明度を変えて調整

仕上げは Adobe Photoshop CC 2015 を使ってピックアップした4枚を合成する。自分の作品としてはレイヤーマスクを使って部分的に合成することも考えたが、今回は三脚の重要性を訴えるのが主な目的なので、一番簡単な方法で合成を試みた。それはレイヤーの合成方法を決める「 描画モード 」を使うことだ。今回は撮影時から「 描画モード 」の「 比較(明)」を使うことを考えていた。これは、下のレイヤーとの合成方法で、明るいピクセルだけを残して表示させる描画モードだ。最上段のレイヤーだけは「 ソフトライト 」という描画モードを使っている。こうして完成したのが下の写真だ。

■完成写真
桜の背後にライトスタンドに乗せたクリップオン・ストロボを3灯配置。さらに別のクリップオン・ストロボ1灯を手持ちにして3~8秒の露光の間にオープンフラッシュで任意の場所に発光して撮影。背後のストロボには、シアンとマゼンタのカラーフィルターを装着し、撮影毎に入換えた。撮影後4枚をピックアップして Photoshop で比較(明)合成。  Nikon D800 + Tokina AT-X 16-28 F2.8 PRO FX ストロボ×4灯(1台は手持ちでオープンフラッシュ ) 焦点距離:16mm f/16 ~ f/18 ss:3 ~ 8sec ISO:800 ~ 1600

桜の背後にライトスタンドに乗せたクリップオン・ストロボを3灯配置。さらに別のクリップオン・ストロボ1灯を手持ちにして3~8秒の露光の間にオープンフラッシュで任意の場所に発光して撮影。背後のストロボには、シアンとマゼンタのカラーフィルターを装着し、撮影毎に入換えた。撮影後4枚をピックアップして Photoshop で比較(明)合成
Nikon D800 + Tokina AT-X 16-28 F2.8 PRO FX ストロボ×4灯(1台は手持ちでオープンフラッシュ ) 焦点距離:16mm f/16 ~ f/18 ss:3 ~ 8sec ISO:800 ~ 1600

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■ 総評

数え切れないほどある撮影機材の中で、重要であるにも関わらずおざなりに選ばれがちな機材、そのひとつが三脚だと筆者は考えている。写真の画の質に直接関与しない機材であるために感心が薄いのだと思うが、今回の作品のように撮ろうとする画によっては、間接的にではあるが三脚の質が大きく関与するのだ。そのため、プロの写真家は携帯の利便性を捨て安定性を重視して持ち運びが困難な重い三脚を使うことがある。今回のベルボン製三脚 Pro Geo V640 と自由雲台 QHD-G6Q は、安定性と携帯性が両立するようにバランス良く造られた三脚だと感じる。カーボンとマグネシウムを使った軽くて丈夫な長く収納性の高い脚。操作時にぶれにくいギヤ式エレベータ。狙いたい方向へ自由に向けられ確実に止まる雲台。そして見た目の質感の高さ。一般的なカメラ店で購入する三脚としては少々値が張ると感じるだろうが、持っていて損のない製品だと思う。

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著者について
■ 薮田 織也( Oliya T. Yabuta )人物・光景写真家 ■  1961 年生まれ。テレビ番組制作会社、コンピュータ周辺機器メーカーの製品企画と広告制作担当を経て、1995 年独立、人物写真家に。2000 年よりモデルプロダクションの経営に参画し、モデル初心者へのポージング指導をしながらポージングの研究を始める。2008 年「モテ写: キレイに見せるポージング」を共著で上梓。2003年か らStudioGraphics on the Web の創設メンバーとして活動。近著に「 美しいポートレートを撮るためのポージングの教科書 」( MdN 刊 )、監修書籍に「 ちょっとしたコツで10倍かわいく見える モテ[写]の教科書。」(MdN 刊)がある。公益社団法人 日本広告写真家協会 正会員