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夜景写真家・岩崎拓哉の夜景撮影講座 第83回 高知夜景の撮り方

Posted On 2024 12月 06
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Photo : Takuya Iwasaki

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今月の「 岩崎拓哉の夜景撮影講座 」は「 高知夜景 」をお届けします。空気が澄む夜景撮影に最適な季節となりました。お出かけの際の参考としてください。 by 編集部
<本記事は 2024 年 12 月現在の情報です。訪問した時期により状況が記事内容と異なる場合がございます。>

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本記事では高知県の夜景スポットの撮影ポイントについて解説します。他県に比べて夜景のイメージはさほどありませんが、県内で最も有名な五台山や、知る人ぞ知るマニアックな工場夜景スポットまで詳しく解説します。

写真1 高台から高知市内の住宅地を写す

[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: CANON RF14-35mm F4L IS USM / 焦点距離:14mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:30秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■高知県の夜景撮影のポイント

高知県は四国四県の中で最も面積が広い一方、人口は67万人と最も少ない。夜景が見えるエリアは、高知市内が中心で、他の市町村にも夜景が見える場所があるものの、光量が相当少なくなる。そのため、四国旅行の中で夜景撮影を楽しむのであれば、高知市内周辺で1日確保すれば十分だろう。なお、工場夜景メインで撮影をするのであれば、本記事では紹介していないが、工業のまちとして知られる「須崎市」がおすすめ。撮影のポイントは、特に注意する点は無いが、以下の3点を参考にして欲しい。

写真2 五台山の駐車場から写す

五台山駐車場からも夜景が見える。最前列であれば、車を停めて車内から夜景を楽しむことも可能。

(1)温暖な気候のため、年間を通じて撮影がしやすい。

四国の中でも温暖で、平地は年間を通じてほとんど雪が降らない。とはいえ、年間降水量は1位とされているので、季節的な要素より、天候の影響を受けやすい。

(2)車移動が基本

市街地で夜景を撮影できる展望施設等はないため、車移動が基本となる。レンタカー等もうまく活用したい。

(3)交換レンズは標準・望遠レンズを持参

広角レンズは使用する機会が少なく、標準・望遠ズームレンズがあると望ましい。山間部は風の影響を受けやすいので、なるべく上部で安定感ある三脚を持参したい。

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■撮影スポット(1)五台山

高知県で最大級のスケールを誇る夜景スポット。展望台が老朽化によって解体された後、新たに木造の展望テラスが設けられ、高知市街地を中心に180度以上の眺望が広がる。方角によって、港から街明かり、工場まで様々な表情の撮影を楽しめる。一日に複数の夜景スポットを巡るのであれば、五台山から撮影をスタートするのがおすすめ。(地図

写真3 高知港を中心に写す


[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: CANON RF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:35mm / 撮影モード:絞り優先AE / シャッター速度:30秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

写真4 鏡川を中心に写す


[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: CANON RF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:65mm / 撮影モード:絞り優先AE / シャッター速度:20秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

写真5 太平洋セメントの工場を写す


[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: CANON RF100-400mm F5.6-8 IS USM / 焦点距離:200mm / 撮影モード:絞り優先AE / シャッター速度:10秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:640 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(2)筆山公園

五台山の次に有名な夜景スポット。駐車場から手軽に夜景を楽しめる環境だが、木々がやや視界を遮っているため、広角レンズでの撮影には不向き。市街地との距離が近いこともあり、標準ズームレンズで一部を切り取り、写真7のように樹木を極力映さない構図が望ましい。なお、駐車場の南側には「志鵬台展望所」があるが、駐車場より眺望が狭いため、撮影目的であれば訪れなくて良いだろう。(地図

写真6 高知市内中心部を写す


[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: CANON RF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:28mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:15秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

写真7 はりまや橋方面を写す


[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: CANON RF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:65mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:8秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(3)桟橋通

高知市内では珍しい工場夜景スポット。対岸には、程よい距離感の位置に太平洋セメントの工場があり、工場を広範囲に見渡せる。標準ズームレンズでも迫力ある写真が撮れるが、200mm前後まで対応した望遠ズームレンズがあると、より個性ある工場夜景写真が撮れるはずだ。なお、撮影時は23時を過ぎていたが、23時40分頃に工場の明かりが落ちたため、遅すぎない時間に工場夜景を楽しみたい。(地図

写真8 セメント工場の全景を写す


[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: CANON RF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:56mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:13秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

写真9 セメントタンカーを中心に写す


[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: CANON RF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:72mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:15秒 / 絞り数値:F9 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

写真10 工場の照明が点灯中に撮影(23:30頃)


[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: CANON RF100-400mm F5.6-8 IS USM / 焦点距離:135mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:10秒 / 絞り数値:F10 / ISO感度:640 / WB:白色蛍光灯 ]

写真11 工場の照明が落ちた後に撮影(23:40頃)


[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: CANON RF100-400mm F5.6-8 IS USM / 焦点距離:135mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:30秒 / 絞り数値:F9 / ISO感度:640 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(4)龍河洞スカイライン

香南市と香美市にある一般道路で、高知平野の視界が開けることから、夜景スポットとしても知られている。地図の位置は駐車スペースとなっており、南国市を中心に広範囲に眺望が広がる。広角レンズで正面を写すと寂しい写真になりがちなので、標準レンズで写すか、夜空を中心に写すような構図もおすすめ。(地図

写真12 南国市の街明かりを写す


[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: CANON RF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:45mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:25秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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著者について
■ 夜景写真家 岩崎 拓哉 ■1980年生まれ。大阪府出身、神奈川県在住。法政大学経済学部卒。 2003年より夜景写真家を志し、日本全国や海外で夜景を撮影。 Webエンジニアの経験も活かし、「夜景INFO」などの夜景専門サイトを立ち上げる。カメラ雑誌の原稿執筆、夜景撮影の講師経験も豊富。総合・国内旅行業務取扱管理者の資格も持つ。 著書に「プロが教える夜景写真 撮影スポット&テクニック(日経ナショナルジオグラフィック社)」「夕景・夜景撮影の教科書(技術評論社)」。