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大瀬崎ダイビングで水中撮影編
デジカメダイバー★リアルレポート 大瀬崎ダイビングで水中撮影編
第一回 EOS 5D MarkIIで水中マクロ撮影 2010/06/30
 

一眼レフで陸フォトしてる人も、もう既に海フォトはじめてる人も、コンパクトデジカメで海フォトしてる人も、一緒に水中散歩を楽しみましょう。「水中写真の達人は海中で実際にどのように撮っているんだろう?」…そんな疑問をスタジオグラフィックス流に解決します。

  水中写真が気軽に楽しめる時代に このページのトップへ  

 

コンパクトデジタルカメラの水中ハウジング
写真A コンデジでも簡単に水中写真
多くの機種がメーカー・オプションで水中ハウジング(防水ケース)が用意されています。ワンタッチで装着できます
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写真B EOS 5D Mark II セッティング
キヤノンのEOS 5D Mark IIを水中ハウジングにセッティングしているところ。さすがにド迫力。

以前、ニコノス(NIKONOS-V)に代表される水中ダイビング用のフイルム式カメラは高額で、扱いも難しかったので、初中級ダイバーが気軽に手にできるものではありませんでした。

しかし、時代は変わってデジタルカメラが主流になり、今では、ダイビングでも使用できる本格的なコンパクトカメラ用の水中ハウジング(防水ケース)が、メーカーから普通ぅ〜に純正オプションで市販されるようになりました。

こうしてダイバーなら誰もが気軽に水中カメラを手にできるようになったのですが、水中カメラを持ったからと言って、きれいな水中写真が撮れるか、といえばそれはまた別のはなし…。

スタジオグラフィックスでも「水中写真テクニック講座」で海の中の素晴らしい写真の世界を紹介していますが、それは多くのダイバーの方々が

「なかなか思い通りに写真が撮れない」
「プロの撮影技術を覗いてみたい」
「一眼レフとコンパクトデジカメってどの程度違うのかな」

といった悩みや疑問があったからです。

また、陸上で通常の一眼レフ撮影を楽しんでいる方々にとっては

「水中での一眼レフ撮影ってどんななんだろう」

って興味津々ですよね。

そこで、スタジオグラフィックスでは水中写真の世界を広く、より深く知って頂くため、数回の短期集中企画としてこの特集を組みました。水中デジカメダイバーの初心者も、水中一眼レフユーザーも、陸上での一眼レフユーザーの方までもが楽しめる記事を目指しました。

水中写真テクニック講座を担当してくれた中野誠志さんにガイドをお願いするとともに、水中撮影する様子を見せて頂き、更にインタビューも敢行することにしました。

迫力の EOS 5D Mark II

中野さんが愛用する一眼レフカメラはご存じ「キヤノン EOS 5D Mark II」。約2110万画素のフルサイズCMOSセンサーを搭載した、陸上でももちろん人気の一眼レフです。陸上ではお馴染みの一眼レフが、水中写真ではどんなクオリティを見せてくれるのか。興味津々ですね。

また、水中撮影の達人がどんなことを考え、どんな点に注意しながら水中撮影をしているのかを聞き、水中写真の実際を、より鮮明に理解していこうと思います。


  達人のマクロ撮影を見せてもらおう このページのトップへ  

 

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写真C 西伊豆 大瀬崎
夏は海水浴客でも賑わう大瀬崎。梅雨入りしたばかりだったので人影はまばら。
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写真D 大瀬崎の外海 一本松ポイント
早速、1ダイブめにGO!! 中野さんがマクロ撮影する現場を見せてもらいます

さて、舞台は西伊豆で人気のダイビングスポット「大瀬崎」(おせざき)。日本を代表するダイビングスポットのひとつです。

週末はダイバーで賑わい、夏は海水浴客もたくさん訪れる大瀬崎ですが、梅雨入り直前のこの日は人影もまばら。天候は快晴、海況も上々です。

今回編集部が持って行ったカメラはコンパクトデジタルカメラ、いつもの「ソニー DSC-W300」。有効1360万画素の1/1.7型CCDを搭載したモデルです。

まずは中野さんにマクロレンズを装着してもらい、マクロで海の小さな生物たちを撮る様子を、実際に見せてもらうことにしました。

1ダイブめは、大瀬崎の外海、一本松というポイントです。ブリーフィングを終え、カメラを含めてダイビング器材をチェックした後、早速、水中にでかけましょう。
このポイントは外海に面して、なだらかに深くなっています。まずはサカナや生物などの被写体を探します。

一眼レフとコンデジで、ある意味、撮り比べ?

編集部のコンパクトデジタルカメラには水中ハウジングにワイドレンズ(ワイドコンバーター)を装着してみました(ストロボなし)。

中野さんが一眼レフでアレコレ設定して撮影したマクロ写真と、コンパクトデジタルカメラでシャッター押しただけの瞬撮写真とで、どれくらいの差が出るのかもやってみたいと思います。

早速、中野さんが被写体をみつけたようです。
黄色いイソギンチャクでしょうか。
ユラユラ揺れていてきれいです。


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写真E

生物や状況を確認
水底の生物や海草などがないことを確認して着底し、構図をみている様子。身体を安定させることが重要。ダイビングの基本スキルですね

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写真F カメラを構えて撮影
中野さんの水中ハウジングには筒型のファインダーが付いていて、これを覗き込んで光学ファインダーでピントや構図を確認しながら何枚か撮ります
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写真G

水中を写真で確認して設定変更
何枚かシャッターを切って、撮った写真をすぐに確認し、ピントを確認したり、設定を変更したりします。

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写真H

マクロの世界
こうして撮れた写真がこれ。
おや!? イソギンチャクの中に何かがいるの?


撮った写真を水中で見せてもらったのが写真Hです。周囲から見ている様子とは全く違う、まさにマクロな海の世界が写っていました。画像のEOS 5D Mark IIの液晶画面では、黄色いイソギンチャクがずいぶん赤く見えていますが、その理由はわかりません(実際の水中ではこれほど赤くは見えていません)。

さて、このとき、中野さんが撮った写真がコレ。下の写真です。
黄色いイソギンチャクの中には小さなエビが生活していたんですね。

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  【中野さん撮影01 : EOS 5D Mark II】
スナイソギンチャクと、そこに住むハクセンアカホシカクレエビ
[撮影データ]
シャッタースピード : 1/200秒、レンズ絞り値 : F9.1、ISO感度 : 200、レンズの焦点距離 : 90.00(mm)
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写真I コンデジで撮影
次は、同じ被写体を編集部がコンデジで撮影。エビは・・どこ!?
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写真J レタッチしてトリミング
エビの姿がなんとか見えてきましたが、光量不足は歴然。やはりストロボなしはつらいのか?

ここのエビは「ハクセンアカホシカクレエビ」。
体長わずか1cm程度の小さな命です。
それにしても写真は被写体にジャスピン!!

水中でこんなに小さな被写体に、ピントがよくこうもバッチリ合うものですね。

「よしっ!!」ということで編集部もコンパクトデジタルカメラで撮影してみました。
コンパクトデジカメのなかでも高性能・高画質な部類に入るソニーの「DSC-W300」にワイコンを装着。マクロレンズじゃないのではなから困難な道のりですがそれでも果敢にトライ!! …でパチリ!!

うーん、明るさも寄りも足りなくて、エビの存在さえもよく解りません。一生懸命、生きているハクセンアカホシカクレエビに怒られそう…(汗;)。

編集部が撮った写真はちょっと残念な写真(汗;)になってしまいました。敗因はコンバクトデジカメというより、マクロレンズではないことと、ストロボなしではやはり光量不足ということでしょう。

しかし、それであきらめたらスタジオグラフィックス魂がすたるというもの。頑張ってレタッチで明るさとカラー補正、更にエビに寄せてトリミングして、見栄えを整えてみました!!

どうだ!?
す、少しはよくなったかしらん?
…玉砕です(汗;)。

もちろんレタッチ作業はダイビング後にオフィスのPhotoshopで補正しました。

ちなみにこのスナイソギンチャク、きれいですが毒があるので触ってはいけません。


  露出とシャッタースピードで写真が変わる このページのトップへ  

そうこうしているうちに、次は砂地で中野さんがまた被写体を見つけたようです。先ほどより、少し水深が深く、太陽光はより届きにくくなります。被写体はウチウラタコアシサンゴとウミウチワです。動かない被写体なのでじっくり撮ってもらいます。露出やシャッタースピードを変更したり、構図を変えながらいろいろなパターンを撮ってもらうようお願いしました。
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写真K

潮の下流から被写体に近づく
砂地での撮影では、潮の流れを読んで、砂を巻き上げないように下流から被写体に近づいて撮ります。

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写真L カメラを構えて撮影
被写体は、ウチウラタコアシサンゴとウミウチワ。写真の絵作りの楽しさを見せてもらうことに。
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写真M

設定を変更すると写真が変わる
スタジオグラフィックスのために、カメラの設定を変更していろんなパターンの写真を撮ってくれています。

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写真N

構図を考えて
浮きながらただパチリではなく、いろんな格好でいろいろな構図を試すのも達人のワザ。


日頃からマクロ撮影を経験している人は、中野さんと被写体との距離はけっこう離れているのに、写真はずいぶんと"寄って"撮れているなぁ、と感じると思います。これは、小さな生物を撮影するために、レンズには1.4倍のテレコンバーターが装着されているためです。ちょっとした工夫ワザですが中野いわく「水中ではできればもっと寄りたい」とのこと。

こうやって撮ってもらった中野さん撮影の写真は、どんなものか楽しみですが、その前に…

まずは編集部が撮った写真をどうぞ。
おおっ、コンパクトデジカメでも、スロトボなしでも、なかなかキレイに撮れているじゃないですか。

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写真L

編集部がコンデジで撮影

 

では次に、中野さんが撮った写真を見てみましょう。
まずは 同じ被写体を撮った2枚の写真を見てください。

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  【中野さん撮影02 : EOS 5D Mark II】 
ウチウラタコアシサンゴとウミウチワ
[撮影データ]
シャッタースピード : 1/125秒、レンズ絞り値 : F4.0、
ISO感度 : 400
 
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  【中野さん撮影03 : EOS 5D Mark II】 
[撮影データ]
シャッタースピード : 1/200秒、レンズ絞り値 : F11、
ISO感度 : 200
 

中野さんは私たちのリクエストに応えて、露出やシャッタースピード等の設定によって写真が変わるという、とても解りやすい写真を撮ってくれました。

1枚めは背景を明るくして撮った写真。海の透明度が上がったかのようなクリア感。被写体が水中で身体を伸ばしている様子まで伝わってきます。

2枚めは、まったく同じ被写体をシャッタースピードと絞り値を変えて背景を暗く落として撮った写真です。まるで被写体が発光しているようにも見える、落ち着いた美しさを感じる写真になりました。

そして更に超マクロ。
被写体の触手がはっきりと見えます。

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  【中野さん撮影04】 
[撮影データ]
シャッタースピード : 1/125秒、レンズ絞り値 : F4.0、ISO感度 : 400、レンズの焦点距離 : 90.00(mm)

同じ被写体でも、まったく異なるイメージで撮影できること、構図によってテーマが生まれることがよく解りました。

さて、今回の特集、第一回目はいかがでしたでしょうか。
陸フォトの一眼ユーザーには水中写真の様子や魅力が少し解って頂けたのではないでしょうか。また、われわれ編集部のダイバー連中は、今まで何気なくスルーしていた被写体も撮り方によっては魅力的な被写体に変わること、そこにマクロな生命が息づいていることを実感しました。

次回以降も引き続き、中野さんのマクロ撮影を見せてもらったり、中野さんのインタビューを通して撮り方の手順やカメラ設定などの極意を探りたいと思います。

水中写真の魅力をリアルに伝えますよ。お楽しみに。


>> NEXT  第2回 達人インタビュー 露出を変えて撮る 魔法の水中写真テクニック

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初出:2010/06/30
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