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夜景写真家・岩崎拓哉の夜景撮影講座 第84回 徳島夜景の撮り方

Posted On 2025 2月 07
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Photo : Takuya Iwasaki

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今月の「 岩崎拓哉の夜景撮影講座 」は「徳島夜景の撮り方」をお届けします。 by 編集部<本記事は 2025年2月現在の情報です。訪問した時期により状況が記事内容と異なる場合がございます。>

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今回は、昨年末に訪問した徳島県の夜景スポットを解説します。徳島県内を代表する眉山はもちろん、橋のライトアップや工場など幅広いジャンルの夜景が楽しめるので、四国旅行の際の夜景撮影の参考になれば幸いです。

写真1 ライトアップされた大鳴門橋を写す(時期限定)

[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: RF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:70mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:13秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■徳島の夜景撮影のポイント

写真2 レンタカーを借りて夜景スポットへ訪問

徳島県内の夜景スポットは、徳島市内に多く集中するが、鳴門市・吉野川市・小松島市等にも夜景スポットが点在する。基本的には山や高台から見下ろす夜景が中心ではあるが、期間限定で大鳴門橋がライトアップされたり、阿南市のように工場夜景が見渡せるエリアもある。そのため、想像以上にバリエーション豊かな夜景が楽しめる。

(1)夜景スポットへの移動は車移動を推奨

眉山や新町川などは公共交通機関だけで訪問できるケースもあるが、効率良く夜景スポットを巡るのであれば、自家用車やレンタカーを活用したい。

(2)工場夜景以外は広角&標準ズームレンズの持参を推奨

街明かりを見下ろせる場所からの撮影が中心となり、標準ズームレンズの使用頻度が最も高い。大鳴門橋の撮影には、広角ズームレンズがあると良いだろう。工場夜景も撮るなら70-300mmや100-400mm相当(フルサイズ換算)の望遠ズームレンズがあると安心。

(3)安定感ある三脚を持参

都心に比べると街明かりが少なく、長時間露光が前提となるため、できるだけ安定感ある三脚を持参したい。

(4)秋~冬がベストシーズンだが、年間を通じて撮影を楽しめる

山間部を除けば、雪が降る確率が低いため、年間を通じて夜景撮影が楽しめると思って良い。とはいえ、空気が澄んでいる秋~冬は降水量も少なく、最もおすすめしたい。

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■撮影スポット(1)眉山

標高290mの眉山には展望広場が整備されており、徳島市内の街並みを一望できる。期間限定でロープウェイも運行しており、時期によっては公共交通機関でアクセスできる。眺望は広いが、街明かりとは少し距離があるため、広角レンズよりも標準レンズの方が撮影に適している。(地図

写真3 徳島市内を広範囲に写す


[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: RF15-30mm F4.5-6.3 IS STM / 焦点距離:30mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:13秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

写真4 新町川を中心に写す


[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: RF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:63mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:5秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(2)日峯神社

日峯大神子広域公園の西側にある神社で、駐車場からは視界を遮ることなく、小松市街地を見渡せる。街との距離が近く、想像以上に見応えのある夜景が観賞できる。標準ズームレンズがあれば、画面全体に街明かりを収められる(地図

写真5 小松市街地を写す


[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: RF15-30mm F4.5-6.3 IS STM / 焦点距離:30mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:15秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

写真6 小松港を中心に写す


[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: RF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:61mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:15秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(3)津田海岸町

徳島市内では珍しい工場夜景スポット。道路から徳島津田バイオマス発電所の全景を見渡せる。工場との距離は比較的近いため、標準ズームレンズでも全景を写せるが、望遠ズームレンズも念のため持参しておくと良い。なお、阿南市にもあ発電所があり、津峯スカイラインには工場夜景が見渡せるポイントがあるようだ。(地図

写真7 標準レンズでバイオマス発電所を写す


[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: RF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:77mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:5秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

写真8 望遠レンズでバイオマス発電所を写す


[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: RF100-400mm F5.6-8 IS USM / 焦点距離:118mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:3.2秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(4)千畳敷展望台

鳴門公園には、大鳴門橋を見渡せるポイントがいくつかあるが、中でも千畳敷展望台は最も近い位置から観賞できる。標準ズームレンズ1本で撮影できるが、月明かりが見える時間帯であれば、広角ズームレンズで夜空を大きく入れるのも良いだろう。(地図

写真9 ライトアップされた大鳴門橋を写す


[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: RF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:50mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:20秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

写真10 大鳴門橋と月明かりを写す


[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: RF15-30mm F4.5-6.3 IS STM / 焦点距離:15mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:30秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(5)新町川水際公園

水都徳島のシンボルである新町川沿いにある公園で、夜にはふれあい橋がライトアップされる。ライトアップは時間帯ごとにカラーが変わるので、シャッターを切るタイミングに注意したい。作例のように、シャッタースピードは2~3秒以内に押さえると、意図したカラーのライトアップが撮影できるはずだ。(地図

写真11 ライトアップされたふれあい橋を写す


[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: RF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:105mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:1.6秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

写真12 ふれあい橋と遊歩道を写す


[ ボディ:CANON EOS R6 / レンズ: RF15-30mm F4.5-6.3 IS STM / 焦点距離:22mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:2.5秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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著者について
■ 夜景写真家 岩崎 拓哉 ■1980年生まれ。大阪府出身、神奈川県在住。法政大学経済学部卒。 2003年より夜景写真家を志し、日本全国や海外で夜景を撮影。 Webエンジニアの経験も活かし、「夜景INFO」などの夜景専門サイトを立ち上げる。カメラ雑誌の原稿執筆、夜景撮影の講師経験も豊富。総合・国内旅行業務取扱管理者の資格も持つ。 著書に「プロが教える夜景写真 撮影スポット&テクニック(日経ナショナルジオグラフィック社)」「夕景・夜景撮影の教科書(技術評論社)」。