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ブツ撮りカメラマン高崎勉のつぶやき vol.2

Posted On 29 1月 2020
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Photo : Tsutomu Takasaki

TOPIX

2016 年3月に ” ネットショップのための商品撮影講座 ”の連載を終了して以来4年ぶりに高崎勉さんの連載を先月より開始いたしております。当社の主催するセミナー後のアンケートでも、学びたい分野に必ず入ってくる ” 物撮り ” 。今回は日記風のコラムにくわえ読者の方からいただいた質問にご回答いたしました。サングラスの撮り方に関しての解説です。ぜひ、参考にしてください。 by 編集部

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■メインコラム:アマチュアフォトグラファーが広告写真を依頼されたら

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僕が主宰を務める Abox Photo Academy には「 商品撮影講座 」のほかに「 アートフォト講座 」があります。商品撮影講座の受講生からは、当たり前にコマーシャル撮影の相談を受けるのですが、「 アートフォト講座 」の受講生からも「 私の作品をご覧になった方から、広告用の撮影の依頼が来たんですがどうすればいいでしょう? 」と相談を受けることがあります。

依頼なさった方は、その作品に惚れ込まれたのでしょうね。せっかくのお話だし、何事も経験なので「 条件に納得できれば、やってみたら。」と答えることにしています。ですが、実は我が子を千尋の谷に落とす気持ちです。撮影後、「 面白かった、またやってみたい。」という方と「 もうやりたくない。」という答えは半々です。
後者の気持ちも、とてもよく分かります。だって、好きな撮影も仕事となると面倒なことばかりですからね。

僕はどちらか一方が正解だとは思いません。皆様の中にもご自身の作品や SNS にアップした写真を見た方から「 写真を撮って欲しい。」と頼まれた方、いらっしゃるんじゃないでしょうか、、、。

” アマチュアこそ撮影依頼を受けるときは仕事を選ぶべき ”

例えばあなたの静物写真の作品をご覧いただいた方からお仕事を受けたとします。あなたは自分の作風を「 持ち味は構図なんだよな。」とお考えで、強いこだわりをお持ちかもしれません。その際にクライアントが、「 画面の中に会社名や説明文を入れたいから、空間をたっぷりとって欲しい。」と言われたら、あなたはどうしますか?

素直に受け入れられるか、もしくは「 それでは自分の写真じゃないから。」と断るのか?そういった話は構図に限った話じゃありません。写真の明るさ、色調、コンントラスト、ピントの合わせどころ&外しどころ、、、、様々な要因で意見が合わないことが出てきます。

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この場合、写真に関しての知識を持たない方にちゃんと解るように丁寧に説明して、相手の意向を汲み取って、最終的にクライアントの利益につながる写真に着地させることができるかどうか?
それが「 お金をいただいて写真を撮る 」ということなのです。
どんなことでも挑戦する精神は大切ですが本当に自分に向いた仕事なのか、よく考えてから返事をしましょう。

一番いけないのは、撮影が進行した後で「 お金は要らないから好きに撮らせて。」と言うこと。

広告写真に限った話ではありませんが、色んな方々が関わって動き出した企画を撮り手の勝手な気持ちで現場を混乱させてはいけません。何より、制約の中で依頼された写真を仕上げる歓びを味わって欲しいのです。そして好きなことを仕事にして手にする報酬の魅力を。
自分の写真家( カメラマン )としての技量、コミュニケーション力、忍耐力、それらと、照らし合わせて出来るようでしたら、どんどんチャレンジすべきだと思います。

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■ サブコラム:ブツ撮り質問箱

高崎勉さんによる「 ブツ撮り質問箱 」もスタートいたしました。早速、読者の方よりご質問をいただいたので、ご回答編を作成いたしました。

● ご質問内容 ●

サングラスが好きで集めていましたが視力が低下したため、度付きのサングラスに変えていくことにしました。コレクションを販売サイトで売ろうと思うのですがアップするための写真を撮ろうとしても上手くいきません。撮影用のライトを買う気もないので、窓辺で簡単に撮る方法があればアドバイス願います。
大阪府にお住いの Y・Sさんからご質問をいただきました。


< 高崎勉 回答編 >
僕はネットで一般の方から商品を買うことがないのですが、時々サイトを見ることがあります。
中には良い写真もありますが、「 これじゃあ実際の商品がわからないな。。。」と思うものが大半ですね。勝手にネットから作例を拾うわけにはいかないのでダメな例も撮ってみました。

Camera : Nikon D800 Lens : Nikkor 24~70mm(70mm使用) 露出モード:A(±0) ISO:800 1/30 sec.f2.8

Camera : Nikon D800 Lens : Nikkor 24~70mm(70mm使用)
露出モード:A(±0) ISO:800 1/30 sec.f2.8

まあ、だいたいこんな感じの写真ががメイン画像になっているケースが多いようですね。
ネットの良いところは説明的に数カットの画像が掲載できること。1枚で全てを語ろうとしなくても構いません。でもしっかり商品の特徴を伝えるには以下のことに注意しましょう。
・色
・形
・素材感
今、ネットには雑多な写真が氾濫しています。
少しピントが甘くても、、とか、どうせ PC の環境で色が違うから、、とか考えてしまうと、商品が埋もれてしまうことになります。
上記の3点に留意すれば人に伝わりすやすい写真になるでしょう。上の悪い作例は、適正露出が出ていない暗い画像です。まず最初に適正な明るさを保つことを心がけてください。色や形にこだわるのはその後の作業です。露出モードオートで撮っていますので、露出補正ダイヤルで「プラス1.5 に 」設定します。そしてこのとき、少しピントが甘いなと感じたので絞りを開放のf2.8 から 5.6 に絞りました。

Camera : Nikon D800 Lens : Nikkor 24~70mm(70mm使用) 露出モード:A(+2) ISO:800 1/4 sec. f5.6

Camera : Nikon D800 Lens : Nikkor 24~70mm(70mm使用)
露出モード:A(+2) ISO:800 1/4 sec. f5.6

当然、シャッタースピードが遅くなりますので三脚が必要です。

さて、次は色をしっかり出すことをカメラの設定で行いましょう。
画像処理 or 現像ソフトで撮影後に直すこともできますが、撮影時に撮影用のグレーカードを撮っておいてカメラに正しいグレーを認識させることで商品の色が正しく表現されます。
( 設定はカメラごとに違うのでカメラのマニュアルを参照してください。)
※僕が使っている Nikon の場合は説明書の「 基準となる白を測定してホワイトバランスを測定する(プリセットマニュアル)」という項目になります。

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もちろん、自然光の場合、時間帯によって光の色が変わりますから本番のシャッターを切る直前に設定するのが望ましいです。

様々な照明が混じっていると色が混じることになるので窓からの光を使うなら、蛍光灯など室内の照明は消してください。これだけで色を正しく伝えることになります。
しかし、まだサングラスのレンズにいろんなものが写り込んでいます。左上のフレーム部分には窓の桟が写り込んでいるために、フレームの形状がデコボコしているのかな?と見る側に悪いイメージを抱かせてしまします。

そこで窓と商品の間にトレーシングペーパーを垂らしてみました。
レンズ面はカメラの三脚や部屋の壁が写り込んでいるのでカメラ前に黒い布を垂らしました。

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そうすることで写り込みが整理され、商品のディテールも伝わりやすくなります。

Camera : Nikon D800 Lens : Nikkor 24~70mm(70mm使用) 露出モード:A(+2) ISO:800 1/2 sec. f5.6

Camera : Nikon D800 Lens : Nikkor 24~70mm(70mm使用)
露出モード:A(+2) ISO:800 1/2 sec. f5.6

トレーシングペーパーを入れたことと、黒布による余分な光のカットでさらにシャッタースピードが遅くなりました。ストロボなどの撮影照明を使わない場合は、やはり手持ちの撮影は難しいと言えるでしょう。
今回は正面からの撮り方でしたが先述の通り、サイトでは数カットの説明画像を掲載できるケースが多いです。置き方を変えてみてその商品の特徴をいろいろ撮ってあげることで販売につながるでしょう。

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いかがでしたか?
皆様もブツ撮りや広告写真に関する、疑問、お悩みがございましたら、下記のフォームから必要事項を記入してお問い合わせください。技術的なことはもちろん、疑問に思っていることをご記載ください。
※ご質問は記事にて回答をし、個別に回答はいたしません。
※すべてのお問い合わせに回答を保証するものではありません。

< ブツ撮り質問箱お問い合わせフォーム >
>> https://forms.gle/2eVEJLYassBC5fmRA <<

高崎勉
著者について
■ 高崎 勉 - Tsutomu Takasaki - 1967年富山市生まれ。1987年東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。1999年高崎写真事務所設立。静物写真にこだわり続け、広告撮影と並行しアーティストとして作品制作にも意欲的に活動する。「毎日広告デザイン賞 発言広告の部 最高賞」はじめ数多くの受賞歴を持つとともに、幅広く雑誌・書籍等で写真作品が掲載されている。2017年に開講した Abox Photo Academy 塾長。商品撮影講座&アートフォト講座の講師を務める。
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